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42:解放と別の問題①

マキシが解放されたので、私は村の周囲や、教会を案内していた。

防犯用の禍々しい呪われそうな壁を背に、マキシは終始ニッコニコだ。


何か面白いものありましたっけ?

あっそっかぁ、解放されたから何でも楽しいのかな。

お楽しみ頂けて良かったです。


「マキシ、いつ頃アダルベルトに行こうか?」

「シャーロットさんはいつ頃で考えていたんですか?それに合わせて大丈夫なんですが。」

「えぇ~?いいの?実は始めは、1年くらいで考えてたの。ポーションの相場も知らなかったし。でも、思ったよりも稼げることが分かったし、アダルベルトに行った後も住処に困らなさそうだから、あれこれ準備が出来たら行くつもりだよ。砦問題解決も含めてたら、早くて2週間後、遅くても1カ月くらいかな?

アダルベルトの廃村がまだ用意できてなかったとしても、急いでいないし、なんなら観光してもいいと思うし」

 

「わかりました。何かお手伝い出来ることがありましたら教えてくださいね。いつでもお手伝いしますから」

マキシが邪神になったあの事件の日。

彼は馬車でここに立ち寄って、荷物は馬車に入っていたから今、手ぶらだ。

荷物一つ無い。


マキシの着替えが無いよね、そういえば。

出来れば早く街に連れて行ってあげたいけど今日はムリだろうな。あ、フェリックス皇太子が着替えは持ってくるかな?


ふと顔を上げると遠く村の入り口の先に土埃が上がっているのが見えた。

「何事?」

「あれは…フェリのようですね」

鑑定?したのかな、マキシ。

 

「スゴっ!マキシが解放されたのに気が付いて来たんでしょ、あれ。あんなに速く来るなんて」

「…いや、いくらなんでもフェリに浄化終了はわかりませんよ」


そうこうしているうちにフェリックス皇太子が私達の目の前にとうとう着いた。

「兄上!まさか、兄上の浄化が終了したなんて、なんとシャーロット様にお礼申し上げたらよいか…」


 皇太子とその側近のヘルマンとディートリヒが土下座する勢いで頭を低く低く下げてくる。

ヤメて!王族のそういうの何か胃にくるわ!

キリキリする!心因性胃腸炎!


「あの、頭を上げてください。気にしちゃいますので…」

無意識に胃をさする。

「そうですか?失礼しました」

「フェリ、私の浄化の件でなければ、何があった?こんなにまで急いで来るなんて」

八本脚馬《スレイプニル》でめっちゃ飛ばしてここまで来たんだから何かあるよね?


「あ、兄上。シャーロット様が。」

 そうでした!みたいな感じで3人が目を見開く。

「?」

「聖女シャーロット様の捜索をフリーデル王国が冒険者ギルドに本日依頼予定と情報が入ったのです。可能な限り早くアダルベルトへお越し頂く方が宜しいかと」


私とマキシは顔を見合わせる。

「今直ぐは動けん」

「何故…?」

「精霊シマ様と、モモ様が理由あって不在なのだ」


◇◇◇◇◇◇◇ 


捜索依頼かけるなんて…何時までこき使う気なの?!

沸々と怒りが込み上げてくる。

私もね、聖女の役割はわかってるし私の手が届くなら出来るだけ頑張りたい。その気持ちはずっと変わらない。

 でも、フリーデルは私じゃなくても出来る事まで私に振って、私が疲弊しても見て見ぬ振りだった。

 やれる私がやるのが当たり前で感謝すらされない。

そんな所に帰る気はないの!

幸いもぅ、浄化が必要な所はないからね。

ぜぇっ―たい、絶対帰らん!


「シャーロット様、この廃村にて我らはお守りします。第2班もくる予定ですのでご安心下さい」

フェリックス皇太子はニッコリ微笑む。出来る男ね。

なんでも、捜索依頼を知って直ぐポータルを使い、最短ルートを八本脚馬《スレイプニル》で来てくれたそうだ。

 

 感謝しかないわ。そうだ、カラオケの魔導具が出来たら感謝の気持ちを込めて利権の一部を譲るとかなんか…いやもっと何かいいお礼ないかしら?


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