41:ドハルバティ公爵家②
ドハルバティ公爵は寝室に運ばれていった。
執務室にはニコライとリチャード、エヴァンス、シマ社長、モモ先生だけになっている。
「ドハルバティ公は執務はちゃんとできていたのか?」
「それが…。私は暫く執務を離れ、王都へ手紙を持って行くように言われたのです。有り得ないことでしたので何度も確認したくらいでした。輸送係はおりますのでね。ですが、是と言われ、王都へ行ったのです。その為出来ていたかはわかりません」
「なのに何で居たの?」
「閣下の様子があまりにもおかしかったからです。王都に行ったものの、心配で。何かあったら情報を送るように屋敷の者に伝えていたんです。
そんな時、村人を捕らえたと聞きまして。あの閣下に限って、本当に有り得ないことだったのです。話しを聞いて直ぐ王都を立ちました。丁度先程着いたところだったのです」
「ふむ、そうか。執務は…。先程何やら書類を並べていたがな。どれ?」
チャールズが書類を1枚つまみ上げる。
暫く眺め、途端に顔を顰めた。
「ニコライ、見よ。恐らく公爵閣下は執務はしていないだろうさ、この書類が証拠だ」
ニコライは食い入るように書類を見つめる。
シマ社長とモモ先生も書類に興味津々、ニコライの両肩にそれぞれ乗るとニコライと一緒に眺める。
2人のおじさんは(ニコライ、そこ替われ!俺も両肩に乗って欲しいんだぞ!)等と思っていたが、
大人なので頑張って顔に出さない。
「占領計画とは…村人を捕らえることやら、砦の乗っ取りやら書いてあるな。私の領地も奪う予定だったみたいで。ハハッ、壮大な計画だな」
そしてゆくゆくはザイル王国の王位を継ぐなど。ドハルバティ公爵を知る者であれば信じられない計画が几帳面に書類には記載されていた。
「邪神の欠片に混乱を招くように操られたんでしょうね」
「あぁ。閣下が知ったら悲しまれます。自分のせいでと。責任感の強い方ですから。…こうしちゃおれません、まずは、囚われた村人を助けに行かなければ!」
「大丈夫だよぅ〜、助け済ぃ!」
「今度は砦の村人を助けるからね」
「まさか…村人も皆様が救って下さったのですか?なんとお礼を申し上げたらよいか。閣下を救って頂き、村人を救って頂き、誠に有難う御座います」
ニコライは深々と頭を下げた。
次は砦の村人だ。




