30∶温泉旅館ドリーム
「廃村?またなんで廃村がいいんですか?」
「私さっき閃いちゃって。日帰り温泉施設があったらいいなって思ったんですよね。廃村だったら自由に色々出来るし。夢の廃村生活ですよ!出来上がったらマキシも招待しますね!」
「それは有り難いのですが、日帰り温泉施設はありますよ。ご案内しましょうか?」
「カラオケとか卓球台とかはありますか?フルーツ牛乳とかは?」
「……おそらく無いかと。因みにカラオケとは何でしょう?」
「歌を歌う機械です。歌いたい歌の伴奏が流れるので、それに合わせて歌います」
「それは面白そうですね」
「!!でしょ?フェリックス様にカラオケの魔導具作りをお願いしてるんですけど、出来上がったら一緒にいかがですか?」
シマ社長、モモ先生、私に一斉に見つめられ、ちょっと後ずさるマキシ。
たが、カラオケでマキシのいい声を聞きたい私達は無言の圧をさらにかける。
「……」「……」「……」
「……いえ、……」!!!
じぃ~と見る……
「……」「……」「……」
「……う、歌わないとイケナイ感じですか?」
「勿論なのぉ〜」
「歌も聴いてみたい」
「歌声を聴かないとグレます!」
「……対して上手くはないので、聴いてもガッカリしないで下さいね……」
諦めたように肩を竦めたマキシ。
フッ、私達勝ちましたな。
「温泉施設にカラオケを置くんですね。楽しい娯楽になりそうです。あとはフルーツ牛乳と卓球とはなんですか?」
「フルーツ牛乳はザックリいうと潰したフルーツと牛乳で作る飲み物で、お風呂上がりに冷えたフルーツ牛乳を飲むと最高なの!卓球は娯楽。やってるとこをみてもらったほうがいいんだけど、準備しないとできないの。待ってもらえますか?」
「はい、楽しみにしていますね。」
卓球台代わりのアテはあるんだ。教会の中にあったバカでかいテーブル。ラケットは板で簡単に作るか。
近所のボロ屋に落ちてた良さげな大きさの廃材っぽいのを3つ程拝借した。ネット代わりの網は残念ながらなかったのでシーツを持ってくる。
ピンポン球は風船草っていう前世でも見たこと無いフシギ植物で代用だ。若い風船部分はちょうど手のひら位の大きさでよく弾む。枯れると弾まなくなる。特に薬草になるとか、食用になるとかの使い道の無い草だが、今回日の目を見るな。
祠前にテーブル等用意し、早速卓球開始!
「ひやぁ~!たのちぃ〜!」
シマ社長・モモ先生VSシャーロット!
「そいやぁ!」
「残念、ネットです」
「くそぅ~」
そんなこんなで盛り上がり、5回戦(!)までやって試合終了。シマ社長・モモ先生チームの勝ちに終わる。
「どうでした?マキシ。面白そうでしょ?今度マキシも一緒にしましょうね!」
「えぇ。楽しみがどんどん増えていって解放されるのが待ち遠しいですよ。廃村探しはフェリが今度来た時にでも頼んでおきます」
ウフフ、夢の廃村生活セカンド、アダルベルトでも出来ることになりそうで嬉しい限り。




