28∶カラオケドリーム
カラオケのことは有耶無耶にしておいた。
王族に歌って、なんて流石に頼めないから。
だが、カラオケの魔導具作りはやってみたい!
売れる気配が凄くするのよ!
次の日、朝からロック鳥を解体したり、下拵えしたりしているうちにフェリックス皇太子一行がやって来た。
会ったとたんに、昨日の長居を仕掛てお泊りになりそうになったことを丁寧に謝られた。兄弟揃って礼儀正しい。
聖鎧を彼等にかけて祠で待っているマキシにご対面だ。今日は話を聞きやすいようにレジャーシート代わりの厚手のラグとクッション、果実水をご用意しておりました。
私はそれではお暇しますよっと、その場を離れた。
昨日は採取どころではなかったから今から頑張るのだ。全てはカラオケ実現の為に―。
金策を頑張ることをあらためて決意、採取の手も早くなる。
*******
2時間ほど作業していたら日が高くなったのでお昼にする。
祠のある方を覗くと彼等は和やかに談笑していた。
マキシが生きており、助かることがわかって皆表情が明るい。
3人にお昼ご飯と新しく入れた果実水をお出しして、私は教会の中で食べようと踵を返した。
「シャーロット聖女、一緒に食べませんか?」
(王族と一緒なんて肩凝るから嫌ですが?)
「有難うございます、では一緒に頂きます。」
うぅ、本音など言える訳ねぇ、逃げられず……
お昼のメニューはロック鳥のバーガーと、フライドポテト、サラダというラインナップです。
自信作だ。特に揚げたてのフライドポテトは直ぐに食べなきゃです!やっぱり揚げたてはいいよね。
でも3人はこういう食事は始めてなのかな?物珍しそうに見ている。
「フライドポテトは揚げたてが特に美味しいので先にお召し上がり頂くのがオススメです」
その前に私が毒味をせねば。こういう場合はもてなす側が安全を示すのがセオリーだし、王族にお出しするものだからね。だけど、私が口に入れようとするその前に、皆一斉に口に入れてしまった。
毒味待たなくていいの!?
「あの、毒味は?」
「兄上の恩人で聖女ですし、その上高位精霊様がついておられる方を疑いようがありませんよ。それにここには作った物に細工するような輩もいませんし」
「安心して温かいものを食べられるのは有り難いことですよ。聖女様のおかげです」
「それに、始めて食べましたが凄く美味しいですね!帰ってからも食べたいです」
「美味しそうだな……私も食べたいよ」
「兄上は浄化が終わらないと食べれないのでしょう?後1ヶ月、もうひと踏ん張りではありませんか」
「だが目の前で美味しそうに食べているのを見るのはな、ちょっと悲しいぞ。あぁ、勿論食べなくても平気な身体だし、お腹が空いているわけではないから心配するなよ」
うぅッ、思慮不足!邪神様は邪神様のままじゃなくてマキシに戻るってわかったんだから、考えつかないといけなかったよ。
「シャーロットさん、冗談ですよ。気にしないで下さい。私は皆が楽しく食べているのを見るのが好きなのです。まるで友達同士で和気藹藹と食事を囲んでいるような感じがしますから」
「そっくりそのまま御言葉通りに受け取りますけど大丈夫ですか?」
「この皆なら大丈夫です」




