2:待ちに待った破棄&剥奪
私の聖女活動といえば、私以外の聖女でも治せるレベルの怪我でも治療に駆り出され、ポーション作りにも駆り出されている。
神殿がそれらの活動やポーション代を筆頭聖女価格でぼったくっているのも知っているし、聖女活動費(給与)が本来私に割り当てられるハズなのに神殿長がポッケナイナイしているのも知っている―。
知ってしまったらもう正直、聖女活動をこの国でする気がなくなった。
この世界の聖女は神聖魔法が使えたらもれなく認定されるもので、この国にもいるんだけど、私が1番力があるからって仕事が私へ1点集中していた……。ブラックやろ!
「クソ殿下のクセにいい働きしそうだね」
「シャーロット、婚約破棄と聖女の称号剥奪されたらどうするのぅ~?」
可愛いシマエナガとエゾモモンガに似た精霊が私に念話で話しかけてくる。この2人は光の高位精霊で、シマ社長とモモ先生と私は呼んでいる。
「このチャンス逃さないよ!この国から脱出する!」
それから数日後、まっったく仲良くない、派閥でもない方から誕生日パーティーの招待があった。
そう、あのビアンカ嬢からだ。
この方、昔から激務でボロボロの私を見下してくるし、矢鱈と私の婚約者第2王子のジョルジオ殿下にベタベタしてた。
ウザい人だなと思っていたけど、
“殿下を引き取ってくれてありがとぅ~”
さて、誕生日パーティー当日、当然のことながら殿下の迎えはなかった。
ドハーティ公爵邸に着いたがエスコートに来てくれることもなく、ビアンカ嬢と遠くの席でイチャイチャしているのが目に入る。
はぁ~、まだかな婚約破棄宣言&聖女称号剥奪宣言。ワクワクして待つ。
私の両肩には高位精霊の2人が乗ってくれている。頼もしい。
「シャーロットめっちゃ笑顔だね。気持ちは分かるけど、宣言される時に顔戻る?」
「任せてよ、これでも前世と合わせたら――《ピー》十年生きてるのよ、それくらい朝飯前よ」
「近くの人達の声が聞こえてきたけど、殿下が他の令嬢とイチャイチャしてるのにシャーロットがめっちゃ笑顔だから怖い、何か企んでるかも?とか言われてたぞ」
なんだと、失敬な!けど、企んではいるけどな、出国。
それから公爵家の美味しい料理に舌鼓を打ったり、ジョルジオ殿下最近オデコが広がってたな、若ハゲ予備軍かな?など思い出したりした。(神妙な面持ちで。)
そうしているうちに、ドハーティ公爵が殿下とビアンカ嬢の所にやって来た。
3人はにこやかに笑いながら誕生日パーティーへ出席した方々へ感謝を伝える。
一通り挨拶が終わったタイミングで、殿下がズイッと前に出てくる。
「本日ご主席の方々へ発表したい事がある。
この私、ジョルジオ=オブ=フリーデルはシャーロット=オブ=ウェストンとの婚約を破棄する!
また、聖女の称号を剥奪し、このビアンカ=デ=ドハーティ公爵令嬢を新たな聖女に指名する!」
聖女は王家の指名制じゃないんやで、殿下。
ってツッコミを胸に秘めながら私は言う。
「畏まりました。婚約破棄と聖女称号はなくなったことを承ります」




