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26:邪神様③

小さな祠の所に来ると私に気がついた邪神様ことマクシミリアン皇太子は身を小さく小さくし、また謝った。

「本当にごめんなさい。あのままでしたら淑女が1人で住んでいるところに男3人が泊まることになっていた所にでした。考えが至らず恥ずかしい……」


私は家を出ているので平民ではあるけど、それでも流石に泊めるのはムリだったので帰ってもらってよかった。だがさっきも謝ってもらったから大丈夫なのだが優しい彼は気にしていたようだ。


「もう、大丈夫ですよ」

「いえ、気にします。だってもうちょっと砕けて話して下さっていたのに、かなり丁寧に話しているではないですか。どうしたらいいですか?」

「いえ、だって皇太子相手にそんな……」

「フェリックスが皇太子を継いだのなら、もう皇太子ではないですよ。葬式を行い済なら死んだことになりますので私は只のマクシミリアンです。不敬だなんてなりませんし、私が普通を望んでいますから、どうかお願いします」

頭を下げる皇太子。


そこまで言われるとしょうがないが、生きてたんだから皇子にもどるでしょ?フェリックス様が皇太子になるのは今更変わらないでしょうけれどね。でも、きっと私が気を使わない様に言ってくれたのだろうから、野暮なことは言わない。

 

「将来私がアダルベルトに行った時にイジメないなら望みを叶えます……」

「イジメるどころか、国賓としてお招きし、王城に住んで頂くと思いますが」

「いや、そうなると街で食べ歩きとかしにくいですし、なんなら廃村で暮らしても……」

「恩人に廃村暮らしなんてさせられないですよ!」

「王城暮らしなんて(堅苦しそうだし)温泉巡りもできないじゃないですか!」

「馬車でお送りします。王家の馬車はフカフカの座り心地で快適な旅になると思いますよ」


……フカフカは気になる。

この街まで来た乗り合い馬車はお尻が痛くて痛くて。

ヒールをかけたからまだよかったけど、かけられなかったら生まれたての子鹿状態でプルプルしていたハズだった。思わず私以外の乗客達にもコッソリとヒールかけちゃったくらいだ。


フカフカに心が揺らいでいるところ、シマ社長が視線の先に入ってきた。

そういえば浄化をしきったら解放される話教えてくれなかったよね〜。


「シマ社長とモモ先生の2人には私に話てくれていないことがありましたよね。勿論、話して下さるんですよね~?」

ビクッとしない!ちゃんと話してもらうわよ。


「この前、シャーロットがお昼寝してる時に導師トラがいらしてね。教えてくれたんだ。

邪神様……マクシミリアン……、なんて呼べばいい?」

「そうですね、愛称がマキシなので、マキシとお呼び下さい。敬称は要らないです。只の"マキシ"でお願いします」

「わかったよ、マキシ。マキシとはシャーロットに打ち明けるタイミングを話していたんだけどさ。ごめんね、予想できなかった」


「導師トラが来られたなら教えてくれてもよかったのに」

「抜け駆けしてシャーロットに会うと他の導師に……殺…恨まれるってことで、帰られたんだぁ〜。名残惜しそうだったよぉ〜」


猫神様をはじめ猫導師様方の御ネコ様ズは、私に対して愛が重い。前世で保護猫を飼っていたのもあるから優しいのだろうか?ともかくお世話になっている。

そんなやり取りがあったなんて知らなかったけど気に掛けて頂けて嬉しい。


*******

 

「実はね、私は邪神の欠片に取り込まれてこうなったんだ」

マキシはイイ声だから、イイ朗読劇を聞いてる様な感じになります。シマ社長も、モモ先生も真剣な眼差し。

「邪神の欠片?」

「そう。文献を読めていないから詳しいことは分からないけど、邪神の欠片をこの祠に封じていたようなんだ。何故教会の外にこんなものを置いたのかはわからないけど」

「邪神の欠片はぁ、ちょいちょい悪さをしゃがるよね〜。今も猫神様達対応中だって!!」

ちょっとぷくっとお怒り気味のモモ先生。

 

 

  


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