25:邪神様②
「フェリ、心配かけたな。兄はなんとかこのような姿になってしまったが存在している」
フェリックス皇太子とヘルマンさん、ディートリヒさんはその一言で泣き出してしまい、嗚咽を上げながら膝から崩れ落ちてしまった。
私は……、また新事実かよ?と心中穏やかではなぁい!
マクシミリアン皇太子だったの?邪神様って!
声だけじゃ気が付かないよ、だって1回しか会ってないんだよ!
夢のカラオケ大会……カラオケ大会なんてできねぇよ!だって皇太子だよ?!
私も膝から崩れ落ちそうだ。そういや、皇太子に声優大会に参加させたこともあったな。
ふ、不敬?!いや、あれはギリギリセーフじゃない?、本人納得の参加だから。
横を見ればシマ社長とモモ先生が頷きあっている。
私はナイショにされて納得してないんだが!?
ぐぬぐぬする私。
やがてひとしきり泣いて落ち着いた3人に果実水を飲ませ邪神様……マクシミリアン皇太子の話を聞く。
「兄上、どうしてこの様なことに?」
「話せば長くなるが、大丈夫か?」
「勿論です!!」
……いや、勿論ではないよ、今夕方近くだよ?
話長いなら暗くなっちゃうよ?
明日にしなよ、泊まれるところは教会だけなんだよ?!予備のベッドなんて持ってないよ!
王族を床に雑魚寝なんてさせられないんですが!
だがこのことを言うのに勇気がいる。
感動の再会ハイに水を差すなんて鋼のメンタルじゃないと出来ないよう。
助けてぇシマえもん〜
私は高位精霊パワーに頼ることにした!
ーシマ社長、暗くなっちゃうから今日のところは帰ってもらいたいの。私にかわってなんとか伝えてくれない?高位精霊パワーでオネガイ!ー
念話を送った。
ー分かった。一応、シャーロットも女性だし泊まられるのは外聞に悪いもんねー
シマ社長!良かった、分かってくれた〜。
"一応"が気になるけど伝えて貰えるのは有り難い。
それから無事フェリックス皇太子達は帰って行った。
明日また来るそうなのでお昼ご飯くらい用意した方がよいのか悩むところ。
邪神様ことマクシミリアン皇太子には気が利かなかったとめちゃくちゃ謝られた。
ルビィ村事件は3年前のことだからずっと1人で孤独に戦ってきたこと、久々に肉親に会えたことを考えたらそりゃあハイになりわすわな、と思ったので不問に処す。
さてさて晩ご飯の準備だ。
今夜は……昼の残りです……。
今から肉の解体をして、下味を付けて、なんぞやってられないんだよ!!
唐揚げの口になっていたが諦めた。
今日のお昼はサンドイッチモドキを作ったんだけど、うまいこと作りすぎていたのだ。
フルーツサンドはシマ社長とモモ先生のオヤツストック用として多めに作ったけど、今夜はそれも食べることとする。
甘い物が食べたい。色々とあり過ぎた。
そうだ、邪神様ことマクシミリアン皇太子に今迄の経緯を話して貰いながら晩ご飯食べよう。
明日はアダルベルト組で話をしたらええ。
積もる話もあるでしょうしね。




