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24:邪神様①

マクシミリアン皇太子はアダルベルト皇国では神の子と言われていた。

私も、かの方にはフリーデル王国の晩餐会でお会いした事があるけど、長身でちょっと長めの金髪で脚も長いイケメンだった。

ご令嬢方がキャーキャー言ってたっけ。

私の(元)婚約者のジョルジオ王子が霞んでしまってたんだよね。所作も優雅で男性の方すら見惚れていた。

お付きの方々にも優しくて……妹様達を逃す為に立ち向かわれた事に容易に想像がついた。

心が痛む。


それから、フェリックス皇太子に村の隅々を見て回りたいと申し出があったので教会裏に案内する。

私の薬草畑と井戸くらいしかないがな……


あ、邪神様!!忘れてたし!!

倒れた小さな祠の横にいつもの様に佇んでいる。

あの方が無害なのは私とシマ社長とモモ先生なら知っているけど、他の人には禍々しい災厄の化身そのものだ!

 

案の定邪神様を見つけた3人は、剣を抜いて私を庇う体勢になった。

「何という、禍々しいものが!聖女どの、早くお逃げ下さい!」

 

えっ……素敵やん!!

これがジョルジオ王子だったら私に押し付けて我先に逃げてるとこだよ!? 

思わずときめいてしまうが、いかん、いかん。

止めなくては。


「大丈夫です、フェリックス皇太子様方。今、この方は私の浄化を受けていらっしゃる存在なのです」

邪神というのはややこしくなりそうなので言わない。


とうの邪神様は大分浄化が進んで、辺りを囲む瘴気も漆黒から薄灰色までに薄れている。

人像が薄っすら見える様になった。

それでも瘴気を帯びているので普通の人からすれば恐怖の対象である。


「浄化を受けていると?ですが、こんな瘴気を帯びたものですよ?」

「大丈夫です。前はもっと瘴気が酷かったくらいです。大分浄化が進んだので、もうちょっと頑張れば問題なくなります」

「この存在がこの村の悲劇の原因ではないのか?兄上のかたきではないのか?」

その答えは持ち合わせていない。邪神様から教えてもらっていないから。


その時だった。

「フェリ、久しいな。ヘルマンもディートリヒも。」

邪神様が手をあげる。

3人は雷を受けたように驚き、邪神様を見つめる。

 

「その声は……あ……兄上なのですか?」

「殿下!!邪のものです、心を読んで似せる事など容易い筈です。惑わされてはいけません!!」


シマ社長とモモ先生は顔を見合わせ頷くと3人の前に姿を現す。神聖な美しい光に包まれた2人はとても神々しい。

「ボク達はシャーロット聖女に付いている光の高位精霊だ。普段はシャーロット聖女以外に姿を晒さないが今回は特別にその瘴気を帯びているものについて証明の為に姿を現した!!」


「なんと……シャーロット聖女様は高位精霊様をお連れになられていたとは……」

ディートリヒさん、なんか泣いてるよ……

「シャーロット嬢……」

「はい、今顕現されている御二人は光の高位精霊です。その御二人から、瘴気を帯びているあの存在は問題ないと伺っています」

 

「その通り。それに猫神様から、シャーロット聖女がこのまま浄化を行えばその瘴気を帯びているものは瘴気から解放されると聞いている。存在も消えることはないそうだ」


なぬ?!初耳ですが?!心中穏やかでは御座いませんがややこしくなるといけないので私も知っておりますが、何か?と言う顔をする。

そういうことは早く教えてよね!?

 

 

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