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19:邪神様の声と声優大会②

「あぁ!いいこと考えた〜」

「ロクでもないことな予感……」

シマ社長が羽根を胸の前で合わせた。

もう、本当にいいことだってばさ!

 

「声優選手権しましょ」

「なんかオモシロそぉ〜」

モモ先生はゲームとか好きだから乗ってくれた。鼻がピクピクしている。可愛いいのだ。

邪神様は黙っている―。


「前世では、人形劇や、紙芝居、朗読劇等で声優という声の役者さんが活躍していたのね。人気がある声優さんはコンサートしたりとかしてたの。今回、私達4名?で誰が1番声優が上手く出来るかやってみましょ!」

「やってみる、やってみるよぉ〜」

「僕とモモと邪神様は声優することないんじゃない?それでもやる気なの?」

「そう、オモシロそうじゃん」

(うん?私は声優することがあるってことなの?

もしかして私、イケボ!?)

 

「私を含めるのは辞めて頂けないだろうか?」

邪神様、シブい、イイ声で拒否ってきた!

 

「そんなイイ声で嫌がっても、ワザとみたいに聞こえるよ、邪神様。僕なら断りたい時睨むけどね!」

ドヤァ

前世の鳥シマエナガに似た風貌のシマ社長が睨んだところでただ可愛いだけ、だけど黙っておく。

「残念ですが、顔が瘴気で見えないので、睨むことは出来ないですね……」


「邪神様も暇でしょ?やってみるだけやってみましょうよ!もしかしたら浄化が完全に済んで、アチコチ出かけることが出来るようになれば声優で食べていけるかもですよ!その時は私が邪神様を売り込みに行きます!」

 

「……有り得ないことですが、働く必要がある際はお願いします。ですが今回は不参加で」

「モモはぁ〜、邪神様も一緒に参加して欲しいなぁ〜」

あ、あざとい!キュルキュルのお目々で上目遣いで見られたら誰でもノックアウトです、流石モモ先生!


「……くぅ……、今回だけですよ……」

邪神様もモモ先生の可愛さには勝てんよね、フフフ。


*****


「では、今回私シャーロットが紙を用意したので、一人ずつ順番に私の所に来てもらいます。その時に言って欲しいセリフを2つ考えてもらって、私に教えて下さい。

全員分揃ったらセリフを書いた紙を裏返してここに置くので先ずは1枚ずつ選んでもらいます。


早い者勝ちでセリフを言ってもらい、全員言い終わったら誰が1番良かったかせーの、で指差します。2回やって得点の多い者が優勝です」


 全員分のセリフが揃い、シートの上に裏返した紙を置いた。皆それぞれ紙を選んでもらい、早速第一回戦だ! 


「ハイ!」

先手必勝!私は声を上げた。

「今日のオヤツはベリーソースがたっぷりかかったパンケーキよ♡」

カワイイ女の子キャラの設定でやってみました。

 

「パンケーキ!よろしくなのぉ〜」

「モモ、セリフだぞ。本当にオヤツを出す訳じゃないぞ」

「話したらパンケーキの口になってぇ~、オヤツに出してくれるかもでしょ〜。出してくれるよねぇ~?」


さ、策士!因みにこのセリフはモモ先生が作ったのだ。

だとすると、もう1個のセリフもそのつもりで決めたやつだな。あれはマカロンだったか?

「モモ先生が優勝したら検討します……」

「むぅ~。今直ぐオヤツを出していいのにぃ〜」


「次は僕ね」

シマ社長が、片翼を広げる。

「シャーロットさん、シマさんとモモさんが付いているからといって羽目を外すのはいけませんよ!」

 

このセリフは邪神様が決めたヤツだ。このセリフを代筆しながらアァァと思ったが、セリフとして言われてももアァァと思います。

「邪神様感を出してみたよ」

「素晴らしいです、シマさん」

邪神様が手を叩いている。複雑な気持ちの私。


「じゃあ、次言うねぇ~」

「シャーロットは、飲んだくれアンデッドみたいで女子力ないよね」

モモ先生がドヤァ。これはシマ社長作のセリフ。


まったく、邪神様といい、シマ社長といい、酷いセリフを考えてきたんだよね。

私ソレ見てセリフを紙に書くときに改ざんしようとしたの。

だけど、めっちゃ見られてた。改ざん出来なかった——。

 

「ワタチどぅ〜?」

「勿論、モモさんも素晴らかったですよ」

邪神様、シマ社長とモモ先生には拍手してたのに、私は?私はぁ〜?

3人が、私をそっちのけでキャッキャしている—。

 

因みにこのセリフはシマ社長作だ。

邪神様とシマ社長はこんな感じで私のHPライフを削ってくる。


「では、私ですね…。

あれ?何ですか、これ…よくもセリフ……仕方ないですね……」

顔は瘴気で見えないので分からないが動揺されておりますな、邪神様。ですが、言ってもらいますぞ。

さんはい!!

 

「シャーロットさん、貴方は我が運命です。こんな美しい方、愛さずには居られない」

私作のセリフですね!いいですぞぉ〜!

イケボに言って欲しいセリフを欲望を込めて書いちゃったわ!

イケボの本気は致死量です(混乱)

 

「「「優勝〜!!!」」」

気がつけばシマ社長、モモ先生、私は声を上げていた。

「第2回戦を待たずに私が優勝ですか?」

「そうですね、多数決で決まりました」

 

 2回戦をやってもいいが、今日の流れだと私の、まだまだHPライフを削ってくるセリフを繰り出されそうだわ。

シマ社長と邪神様のお小言セリフはお腹いっぱいだし、耳が心地いい状態で今回は終わらせて、余韻を楽しむのだ。

 

「第1回声優大会優勝は邪神様です!拍手〜!」

何処までも深い青空に私達の拍手が溶け込んでいった。


そうよ、フフフ、次回のセリフは私が全て用意しよう〜っと。

 



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