16:会員登録と邪神様の回想②
今回は2話投稿です。
いつもお読み頂きありがとうございます。
祝!薬師ギルド会員登録!
薬師ギルドでの手続きを終えて、今私は心地のいい気分。
お祝いに一杯引っ掛けて帰るか?!
幸い、上級ポーションを売ったお金で懐が温かい。
シマ社長とモモ先生に目で訴える。
――飲んでイイかな?――
――邪神様に2人に迷惑かけないのよって言われたろ?――
首を横に振られる。
――1杯だけだから!――
――1杯じゃ済まないと思うのぉ――
――そこを何とか――
――じゃあ、対価はフルーツタルトなのぉ――
――バカ、1杯じゃ済まないンだぞ!――
――フルーツタルトを1週間なのぉ――
――!1週間で手を打ちます!――
――仕方ないな――
居酒屋は朝6時から深夜1時迄営業とのことで、既に開けている。ご飯も出すからみたいだ。早々仕事を終えた冒険者達や、遅い昼御飯を食べている旅人などで中々の混雑ぶりだ。
カウンター席に座ると、ミラさんに声をかけられた。
「あら、シャーロット早いわね。ギルド登録出来たのかい?」
「おかげ様で登録出来ました!登録祝いで一杯引っ掛けて帰るつもりで来たんですよ〜!そう言うミラさんこそ早くないですか?」
「急遽応援で呼ばれてね。一段落したんで、早上がりしたとこさ」
今日は休みだったけど、職場で急なお休みの人が出たから呼ばれたのだそう。仕事の後の一杯は美味しいよね。それで来たそうです。
「「カンパーイ!!」」
収入の目処がたったから一安心だ。ハァー、本当逃げて良かった!こんなふうにのんびり飲みなんてありえなかったもん。
だが、楽しいお酒は危険なものです。一杯のツモリが二杯に、三杯に、四杯に……数十杯飲んだところで、酔いが回る。
フルーツタルト1週間の免罪符があるから、いっか。
……ごめんなさい、シャーロットは今から地蔵になります。チーン。
【邪神様Side】
一方その頃、邪神様。
薄暗くなってきたがシャーロットさんはまだギルドで登録しているのだろうか?
それか居酒屋で飲んでいるのかな……?
健気に今迄頑張ってきたし、今は暖かく見守るべきだと考え、私は聞き役に徹していたけれど。
前世の記憶があろうが、今世の常識が色々抜けている。
……確かに彼女は強いだろう。私も彼女が歴代最強の聖女と暗部から聞いたことがあるから。その噂通りこの呪われた村をあらかた浄化してしまったし。アンデッドも居なくなった。
まさか、ザイルとアダルベルトの選りすぐりの魔法使いがきてどうにも進めなかった浄化がこれ程できるなんて。
ただ、森の奥の廃村で女性1人(と精霊2人の保護者付き)で住むとか、呪いを全部祓わず防犯対策に残しておくとか私には理解出来ない。
ここにやって来た時のシャーロットさんの姿を思い浮かべる。聖鎧を身に纏って笑顔を浮かべていた。身体はガリガリで色が白く、顔色は土色だった。初見でよく分からない新手のアンデッドが現れたのかと思った。
念の為鑑定をして必要があれば攻撃を……と思ったが、まさかの聖女、前日飲み過ぎて顔が土色になっているだけと分かった時は、何故自分にキュアを掛けないのか?と常軌を疑ったものだ。
数年前に会った時とは様子が変わっていたから直ぐに分からなかったな。
うむ、それにしても遅い。これは、十中八九飲んだくれているのだろう……




