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10:ポーションは何処に売る?

私は転生チートでも付いていたのか、貴重なイベントリスキルがある。新生活に必要そうな家具やランプなどの魔導具、売れそうな衣類・宝飾品を自分の部屋から根こそぎイベントリに突っ込んで持って来た。

※我が家の家宝とかは持ち出していないよ。

 

部屋はもぬけの殻なので、泥棒に入られたとか思われてるかも?それか、書き置きとかしてないから連れ攫われたとか?まあ、どっちでもイイ。


「ザイルの王都で服とか売ったお金は残ってる?」

「錬金釜に化けたよ」

「宝飾品は?」

「そいつは、ピンチの時か、老後用に取っとく」

 因みにお小遣いはもらっていたけど使う暇すらなかったのでかな〜り貯まっていた。コイツは旅行費用と飲食代に化けた。


「この前作ったポーションを今日は売りに行こうと思います!」

「何処に売るか決めてるの?」

「冒険者ギルドか、薬師ギルドか、商業ギルドか……露店売りは新参者だし難しそうだから、ギルドのどれか、かな。食堂のミラさんとこで相談しよっかな?」

「あ―、今から行けばランチタイムより前に着くから、どこのギルドに売ればいいか教えてもらえるかもよ?」

「そうだね、ランチタイム前はのんびりお茶してるって聞いたよね」

 

朝食はフルーツのみにして、街へ急いだ。

ミラさんとこの食堂で早い昼御飯を食べながら、ポーションの売り先の相談をする為だ。


*******


ミラさんの食堂は旅人向けに朝6時から開いている。

今の時間は交代で早めの昼休憩を取っているそうだ。

広い店内はそこまでお客さんも多くなく、余裕で座る事が出来た。

 

メニュー表とにらめっこしていたモモ先生が顔を上げた。

「ケーキィ……」

「ケーキはないみたいね。しょうがないから街の屋台とかで甘い物見てみる?」

「屋台!屋台も気になってたんだよね。見る見る!」

 私は"マスター日替わりパスタセット"を注文して、ミラさんを探す。


「ミラさん!」

「あらぁ〜、シャーロットちゃんよく来てくれたね!」

「はい、お昼ご飯頂きにきました!」


 ミラさんは先ほどまで店の奥にいたようだが、ちょうど休憩でこちらへ出てきたそうだ。

 

「荷解きは終わったのかい?」

「アハハ、もうちょっとです……」

 イベントリで一瞬でした、とは言えない……。

 イベントリは希少スキルだから、バレると面倒なのだ。誰が聞いているかわからないから、ナイショだ。

 

「あのぅ、私ご存知の通り、山の中で暮らしてきたんでこの街のことを知らないんです。ポーション作ったんですが、売るのは何処がオススメですか?」

 

私のこの街での設定は、祖父母に育てられここから遠くに見える山の中で暮らしてきたが、2人が亡くなり街に降りてきた世間知らずな娘、18歳だ。

 あ、無意識で1歳サバを読んでた。

誰得のサバを読み……。まぁ、いいか。

始めてミラさんに会った時、そのように伝えたところ街で会う度に気に掛けてくれる。有り難い。


「短期で売るなら冒険者ギルドだけど、定期的に卸す・纏めて卸すなら薬師ギルドがいいよ」

 近くの席で食べていたダンディなおじいちゃんが声を掛けてくれる。

 

「そうなんですか?」

「冒険者ギルドは現金渡し・手数料なしだから手取り金額が高い。だけど、ギルド会員出なければ現金渡しだ。あと、買い取りできるのはポーション類と決まっているから、薬品は売れない」

「薬師ギルドは纏めて卸す程手数料が安くなる。ポーションや薬品ごとに今の買い取り価格を教えてくれるし、買い取りも出来るから、個人で色々作れる人はここで売るのがラクだ。一括買い取りだ。」

「へぇ~」

「薬師ギルド会員になるのが1番オススメさ。買い取りランクが上がれば必要な魔導具……例えば錬金釜とか安く手に入るし、手数料も安くなる。薬品材料の手配も頼めばしてくれるし、かかった材料代は売却益から相殺してくれるから便利だ。」

「ほぉ~」

「特にお嬢さんみたいに山から出てきていたら身分証がないだろう?薬師ギルド会員になれば、それが身分証になる。

……例えばな、ここは国境の街だから、近くのアダルベルト皇国に温泉旅行に行く奴が多いんだ。その時に身分証になるからイイぞ」

 

身分証は、いる!今の私の身分証はフリーデルとザイル国境の検問で出した"神殿関係者身分証"だけだ。この世界は創造神様と猫神様の2柱のみの唯一信仰で、各国共通、この身分証で何処でもいける。入国税が要らないのが更に素敵な所だけど、もう聖女称号剥奪されてますし、どうにかしたかったのよね、身分証。

 

「じゃあ、商業ギルドはどうか?っていうと、店を開くならオススメだ。登録と税金がかかるがな。店を開く時には色々優遇してくれるし、必要なら融資もしてくれるぞ」


ぬぅ。悩む。こんな時は……。

「そんなんですね。

……じゃあ、冒険者ギルドって行ったことはないから見学がてら、冒険者ギルドでポーション売ってみます!

 

次にポーション作った時に、売り込みがてら薬師ギルドに登録に行ってみます!

詳しいお話を有難う御座います。助かりました」

ペコリとお辞儀をすると、ダンディおじいちゃんがニコニコ笑う。


「私はこの辺で雑貨屋をやってるトムズっていうんだ。宜しくな。孫達がそれぞれのギルドで働いてるからそれなりに知ってるだけだから。お役に立てれてよかったよ」


それから、冒険者ギルドへ行って、低級ポーションを売り払った。上級ポーションを希釈して作ったもので、20本。品質を褒められて、金貨1枚で売れたからめっちゃ嬉しい!

ほくほくしながらギルドの外に出ると、シマ社長とモモ先生が無言で屋台を指差す。キュルキュルお目々&上目遣いで見られたら買わずにはおれません……。


 

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