手乗りネコ耳少女観察日記12 2014年12月22日
今日は冬至、一年で一番昼が短く、一番夜が長い日だ。
ナズナはこれを「行事」としては認識していないようで、何の反応も示さない。
が、まぁゆず風呂とカボチャの煮物ぐらいはやってもいいだろう。
「へー、そういうの、気にしないもんだと思ってたけど」
実は冬至のゆず風呂とカボチャは毎年やっている。
「以外ね。なにか思い入れでもあるのかしら?」
…………おばあちゃんとの思いで、かな。
「なるほど、ね」
ゆずはすでに買って来てある。
「カボチャは?」
風呂を入れている間に出来あがるだろう。
今回はナズナとスズナも食べられるように薄味にしておいた。
「……別に気を使ってくれなくても、食べられないものは食べないだけよ」
…………二人のおかげで、一人で食べることを寂しいと感じるようになってしまってね。
「ふーん。…………気を使ってくれて、その、ありがと」
…………。
「にゃっ!? ちょっと! 撫でないでよ! 急に耳触られるとビックリしちゃうじゃない! ……だから撫でるな~!」
ナズナが何やら羨ましそうに、少し嫉妬の色のこもった瞳でこちらを見つめているので、二人まとめてもみくちゃにしてやる。
「む~」
スズナもまんざらでもなさそうだ。
そんなことをしているうちにカボチャの煮物が完成した。
「いただきます……おいしい、わね」
ナズナも同意見らしい。
…………薄味というのも悪くない。
今日の夕食は和風で済ませた。
「さて、ゆず湯ね」
ナズナとスズナは水が嫌い、という訳ではないようなので普段からお風呂には入っている。
風呂桶は手作りだ。
ちなみに材質はヒノキ製。
…………今日は一緒に入るか。
「…………」
…………さすがに嫌か?
「……別にいいけど。このこがいいなら」
ナズナはむしろ大歓迎、といった様子だ。
この部屋は端にあるおかげで他の部屋とは違い、風呂場に窓がある。
「じゃ、さっさと片付けて入りましょ」
冬の夜空を見上げながら、ゆずの香るお湯につかった。
「う~…………」
スズナはのぼせてしまったらしい。
窓際に寝かせ、冬の風を少しあててやっていると、そのまま寝てしまったようだ。
ナズナと顔をあわせ、二人で笑った後、三人でふとんに入った。
やっと、リアルタイムに追いついた!
一日遅れ? 気にするな!




