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手乗りネコ耳少女観察日記11 2014年11月15日

 朝のテレビを見ていると、今日は七五三らしい。

 もちろん自分にも、ナズナにも、スズナにも関係の無い話なのだが。

 今日は紅葉狩りに行こうかと思う。

 スズナが来てから外出することも無く、ナズナも暇そうにしていたからだ。

 以前お花見をした川の上流、というよりも源流に近い所に、人気の無い紅葉をみられる所がある。

 もちろんそんな綺麗な紅葉スポットなのに人気のないのには理由がある。

 アクセスが悪すぎるのだ。

 駅から遠く、近くにバス停も無い。

 車も山の中までは入れない。

 おかげで登山客も少ない、というかいない。

 いるとすれば山の管理をしている業者ぐらいだが、今の時期はその業者も動かない。

 ナズナとスズナを連れて行くには絶好のスポットなのだ。

「でも、そんなアクセス最悪の所にどうやって行くわけ?」

 スズナが聞いてくるがもちろん考えてある。

 自転車だ。

 急ぐ必要も無いし、ゆっくりと川沿いを走っていけばいいだろう。

「私達はどうするのよ?」

 ナズナは前にやったことがあるが、カバンに入ってもらう。

 今回は手持ちじゃなくて自転車のかごなので少し揺れるがガマンしてもらいたい。

「……まぁ、それぐらいガマンするけどさ。事故しないでよ」


 そんなこんなで今日は久しぶりに外出することになった。

 ナズナとスズナは、新しく注文した冬服を着ている。

 ナズナは水色の、スズナは紺色のセーターに、それぞれ同色のコートを着ている。

 ナズナとスズナは、かごのカバンから顔を覗かせ、河原の景色を楽しんでいる。


 しばらくして、目的地に到着した。

「凄い……本当に綺麗ね…………」

 見渡す限りの紅葉。

 地面は落ち葉で覆われ、空さえも風に舞う葉で紅く染まっていた。

 ナズナがスズナの手を引き、葉っぱの上を走ってゆく。

 途中、葉っぱの中に二人を見失いかけ、少し慌てたが、少し探せばすぐに満面の笑みを浮かべた二人を見つける事が出来た。

「あははははっ! こんな綺麗な所があるなんて思っても見なかった! それに、こんなに楽しいなんて! まるで…………」

 そこまで言い、スズナは笑みを消し、黙ってしまった。

 どうやらナズナにはその意味が分かるらしいが、残念ながら自分にはスズナが黙った理由を知ることは出来なかった。


 その後も、ナズナに引っ張られるようにしてスズナも楽しそうにはしゃいでいたのだが、遊び疲れたのか、戻ってきたときにはスズナがナズナを引っ張ってきていた。

「ふぅ。ありがとう。ここに連れてきてくれて。本当に楽しかったわ」

 …………。

「どうしたのよ、黙り込んじゃって」

 …………いや、スズナの口からありがとうなんて言葉が出てくるのが意外だった。

「失礼ね! 私は世間知らずじゃないの! お礼も、挨拶だってちゃんと出来るんだから!」


 帰宅途中、ナズナもスズナも疲れ果てた様子で、自転車のかごでぐっすりと眠っていた。

 幸せそうな二人の寝顔を見ていると、つい自分の頬も緩んでしまう。

 次はどこへ連れて行こうか。

 そんなことを考えながら、ゆっくり、ゆっくりと、それでいて着実に、アパートの一室へと帰って行った。




まさか二十四時間以内に二話も投稿できるとは……。

珍しく筆が進みました。

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