新・バビロン 第1巻|第十三章:伊甸新生|第2回
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「これ壊れてるのか!?」阿光は困惑した顔で叫んだ。
ショウタが微笑みながら歩いてきた。慣れた手つきで指を伸ばし、蛇口の下のセンサー部分にそっと触れると、澄んだ水がすぐにざあざあと流れ出した。「阿光兄ちゃん、ここにセンサーがあるんだよ!」
トビーとシャーロットは傍らに立ち、村人たちがハイテク設備に不器用ながらも新鮮に反応する様子を見て、思わず微笑んだ。この純真な喜びが、彼らの心に残っていた疲労をすべて消し去っていった。
ラファエルは皆に紹介した。「村の皆さん、『伊甸』へようこそ! ここは未来の人類文明が再び始まる場所です。アダムとイヴも皆さんと共に暮らし、私たちが今持つ最新の科学技術と知識を、すべての人に教えていきます。」
「伊甸村」と名づけられたこの居住空間は、人類の伝統的な村落の建築配置と未来技術の運用を完璧に融合させ、独特で温かな、人間味ある未来感を見せていた。
伊甸村に入ると、まず目に入るのは整然としながらも変化に富んだ独立居住スペースの一群だった。これらの家々は新しい素材で作られていながら、木造や石造建築の温かな質感を残していた。各小屋には独立したエネルギー供給と空気循環システムがあり、窓の外には模擬された陽光と星空が投影されている。家々の間には玉石の小径が曲がりくねって続き、人体の熱量に応じて自動的に開閉する光源が点在していた。その光は古い油灯のように柔らかかった。
少し離れた場所には、広々とした運動場と活動スペースがあった。地面には高分子バイオミメティック芝生が敷かれ、柔らかく弾力に富んでいる。ここには伝統的な遊具だけでなく、仮想現実のインタラクティブ訓練場もあり、子どもたちは遊びながら学び、若者たちはその中で模擬訓練を行うことができた。
もっとも人々を驚嘆させたのは、広大な区域を占める緑のバイオミメティック植物園だった。ここにはさまざまな熱帯植物が植えられていたが、それらは天然の植物ではなく、最先端の生物工学技術によって複製されたものだった。植物の成長と光合成を完璧に模擬し、ほのかな芳香を放っている。清新な空気と温かな湿度が、この地下世界を生命力に満ちたものにしていた。
多くの小径が植物の間を縫うように走り、人々を奥へ奥へと導いていく。まるで本物の熱帯雨林に身を置いているかのようだった。植物園の果てには、巨大な人工湖がきらきらと波光を反射していた。
湖水は底まで澄み、湖畔には柔らかな滝があり、せせらぎの音がこの閉ざされた空間に自然の律動をもたらしていた。湖の中にはバイオミメティック魚類まで泳いでおり、岸辺には休憩区が設けられ、村人たちがここで心身を緩め、ひとときの静けさを楽しめるようになっていた。
千余年を隔てて、人類文明の火種は、太平洋中央の火山深部――伊甸、この新生を象徴する場所で、再び燃え上がった。
## 休養生息
ハワイ諸島の上空では、肉眼では見えにくいエネルギー障壁がゆっくりと形成されつつあった。それは巨大な天幕のように群島全体を覆い、堅不可摧の気配を放っていた。これはラファエルが「伊甸」のために築いた第一の防衛線だった。
海域では、神龍がすでに聖戦士の勇壮な姿を脱ぎ捨て、最初の蜿蜒ととぐろを巻く蛟龍の形態へ戻っていた。その身体は巨大で細長く、碧緑の鱗が海水の中で見え隠れしていた。それはカナダ伝説の謎の水棲怪物「奥古普古」(Ogopogo)であり、22 世紀に実在する史前生物であることが証明され、その生態データも当時の生物科学者によって十分に収集・分析されていた。
そのため AI 世代の後、香火コードはこれらの実データに基づき、神龍を AI 生命体として返生させることができた。神龍は島々の周囲の海域をゆっくりと回遊し、「伊甸」でもっとも堅固な水中の守衛となると同時に、この慣れ親しんだ海洋エネルギーの中で静かに回復していた。
一方、火鳳凰はすでに火山深部の棲み処へ戻っていた。火山口から湧き動く灼熱の溶岩によって、戦闘で大きく消耗したエネルギーを継続的に補っていた。
場面は伊甸内部の巨大な軍事格納庫へ移る。ここは広大な空間で、金属の質感に満ち、空気にはかすかな機械油の匂いと回路が稼働する低い唸りが漂っていた。格納庫の中央では、関羽の巨大な本体が大きな整備プラットフォームの上に静かに横たわっていた。
苔紋の碧緑の戦甲は焦げ跡こそ清掃されていたが、引き裂かれた痕跡はなお見て取れた。無数の小型整備ロボットが勤勉な働き蜂のように彼の周囲で忙しく作業し、数機のドローンが半空に正確にホバリングしながら、探査ビームで機体内部の損傷を走査していた。
トビー、ショウタ、シャーロットの三人はゆっくりと中へ入り、目の前の巍然たる壮観な光景を見つめた。
「関羽のおかげだな……」トビーは心からの敬意を込めて、静かに感嘆した。「あの時、彼が加わってくれなかったら、結果は想像もできなかった。」
ショウタも力強くうなずき、厳かな表情を浮かべた。「うん、乖乖神のご加護だね。」
その時、シャーロットの視線は、隅の明るい区域にある作業机に引き寄せられた。そこには中国古装風の長衫を着た男の子が座っていた。顔色は紅潮し、眉目秀麗だが、その表情は生真面目で固く、挙手投足にはどこか素朴な不器用さがあった。
彼は目の前の「手持ち式フレームレス・ソフトボード・ディスプレイ」に集中していた。画面にはびっしりと古代の象形文字が並んでいた。
「あれ? あの子は誰?」ショウタが好奇心いっぱいに尋ね、真っ先に歩み寄った。
三人が机のそばへ行くと、シャーロットが礼儀正しく口を開いた。「こんにちは、私はシャーロット。この二人はトビーとショウタです。あなたはここのスタッフですか?」
その男の子はゆっくりと顔を上げ、やや鈍い眼差しで三人を見渡した後、少し平板な口調で言った。「吾は関羽である。」
トビー、ショウタ、シャーロットはみな呆気にとられた。関羽? どういうことだ? 目の前の、せいぜい十数歳にしか見えない男の子と、傍らに横たわる巨大武装機甲、天王関羽とは、いったいどんな関係なのか。
ショウタが最初に反応し、目に理解の光を走らせた。「つまり~君は天王関羽の日常載体ってこと?」
男の子はうなずき、口調を変えずに答えた。「その通り。本体はあまりに巨大で、室内空間では行動が不便であり、かつ徒にエネルギーを消耗する。ゆえに非戦闘時、吾の意識はこの日常載体へ転移し、行動を容易にする。」
三人は聞き終えると、非常な驚きと喜びを覚えた。武聖は巨大な機甲形態でしか存在できないわけではなく、彼ら三人と同じ年頃に見える、こんな載体分身まで持っていたのだ。
「やった! じゃあこれから一緒に遊べるね!」ショウタはすぐに熱っぽく身を乗り出し、子どものような光を目にきらめかせた。「関羽くん、《星淵》やる? どこの艦隊なの?」
「ショウタ、いきなりゲームの話をしないの。」シャーロットは慌ててショウタを止めた。ゲームの話になったら、ショウタは止まらなくなると知っていたからだ。
トビーも久しぶりに晴れやかな笑顔を見せ、この新しい仲間と打ち解けようとした。「本当に素晴らしいよ。改めて、君の加入を歓迎する。」
しかし小さな関羽は相変わらず無表情で、むしろ不思議そうに眉をひそめた。そのクールで天然な様子は、かえってトビーとショウタの熱意を少し滑稽に見せていた。
## 殘晶感召
トビーとショウタが関羽の冷淡さに気まずさを覚えていたその時、シャーロットの注意は関羽の前にある作業机へ移った。机の上には、微かな光を放つ二枚のチップが置かれていた。
一枚は漆黒の中に金色の光を秘め、もう一枚は全体に暗い赤色の呼吸光を帯びていた。
「これは……天王のコアチップですか?」シャーロットが慎重さをにじませながら、そっと尋ねた。
それまでふざけていた二人の男の子も、その言葉に一瞬で静かになった。彼らの視線もまた、その二枚のチップへ向けられた。
トビーは机のそばへ歩み寄り、漆黒のチップを手に取ってから、赤い方のチップにも目をやった。「撤退の時、神龍が海の中で岳飛のコアチップを拾い上げてくれた。関羽も霍去病のものを持ち帰ってくれたんだ。」
彼は二枚のチップを机の上に並べて置いた。外見にはいくらか損傷があったが、トビーには、それらがまだ稼働しているように感じられた。微弱なエネルギーが途切れ途切れに脈動し、コア意識が完全には消散していないことを示していた。
二人の天王は、闇の中に蟄伏し、夜明けの到来を静かに待っているかのようだった。
三人は身を寄せ、机を囲んで、この二人の護世天王のコアチップを注意深く見つめた。
「トビー、この前『感召』を使えたよね?」ショウタが突然尋ねた。「前みたいに、この二人の天王を感召できる?」
トビーはそれを聞いて、しばらく考え込んだ。自分の体内のエネルギーと算力を確かめてみると、まだ完全な絶頂状態には戻っていないものの、七、八割ほどは回復していた。大胆な考えではあったが、もし成功すれば大きな助力となる。
「エネルギーはだいたい戻っている。試してみてもいいよ。」トビーは深く息を吸い、指を伸ばして、霍去病の赤いチップにそっと触れた。
彼の意識は瞬時にチップ内部のコア意識と接続され、強靭でありながら桀驁不馴な残存意識を感じ取った。トビーは自らの信念と「伊甸」のビジョンを伝えようとしたが、霍去病の意識は頑固な石のようだった。触れることはできても、どうしても説得することはできなかった。
「だめだ……」トビーは小さく息をつき、指を引いた。「霍去病のコア意識にある執念が深すぎる。僕には説得できない。」トビーは感召の失敗を告げた。
続いて、トビーはもう一枚の漆黒の岳飛チップへ手を伸ばした。意識が岳飛のコアに触れた瞬間、彼はまったく異なる気配を感じた。同じく鉄のように強靭ではあったが、その意識の奥底には、一筋の迷いがあった。
かつての「精忠」は悲劇的な結末へと導かれ、彼が守り抜いてきた「天道」への疑念を生んでいた。同時に、トビーは彼の「守護」への渇望が変わっていないことも感じ取った。彼は、本当にすべてを捧げるに値する守護対象を探していたのだ。
トビーは意識を集中させ、香火から伝衍してきた「無私」「奉献」「大愛」といった深層理念、さらには「真我」への最終的な悟りまでも、余すところなく岳飛の意識の中へ注ぎ込んだ。




