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新・バビロン 第1巻|第十一章:戦局逆転|第1回

挿絵(公式画像):https://neobabylon.icareu.tw/assets/serialization/neo-babylon/book-one/chapter-11/part-01-ambush-from-all-sides.jpg

戦局の核心に身を置くトビーは、二大頂尖強敵と同時に対峙していた。関羽の武聖としての威圧、そして項羽が放とうとしている破滅的な必殺の一撃。だがこの瞬間、彼の内心はかつてないほど静まり返っていた。


眼下で村人たちが危機に瀕している光景は、鋭い針のように彼の核心意識を刺激していた。だが神龍との緊密な結合が、彼に自身の力の圧倒的な強大さを感じさせている。困難な挑戦を前にしても、彼はもう、あの迷える少年ではなかった。恐れを知らぬ存在へと変わっていた。


彼は一瞬で考えを巡らせ、顔を上げて凄まじい圧迫感を放つ項羽を見た。その目に、決然たる光がよぎる。


「今だ!」


神龍は天地を震わせる龍吟を放ち、七彩斑斕に輝く巨大な龍尾を猛然と振った。巨大な全身を前方へ急速に回転させ、離弦の矢のように射出する!


その速度は瞬時に爆発的に上昇し、音速を超える極致へ到達した。マッハ20!


マッハ(Mach)とは速度の単位で、物体の速度と音速との比を示す。マッハ1はおよそ秒速340メートル、時速1225キロに相当する。そしてマッハ20とは、時速24500キロという驚異的な速度を意味する! つまり神龍の速度は音速の20倍に達し、大半の大陸間弾道ミサイルをも数倍上回る速さで、極めて短時間のうちに大陸を横断し、目標へ壊滅的な打撃を与えうるものだった。


その直前、三秒にも満たない時間の中で、神龍トビーは意識内で無数の攻防シミュレーションを行っていた。最終的に導き出された結論は、二大天王の連携挟撃を同時に受け止めることは不可能、というものだった。ならば受け身に回って打たれるより、項羽の「四面楚歌」が完全に蓄力される前に、こちらから動くしかない。


神龍は限界を超える超高音速(Hypersonic)で前方へ突進し、瞬時に空気を引き裂いた。通過した場所では肉眼で見える巨大な音爆が発生する。それは単なる一度の轟音ではなく、百万の雷が同時に炸裂するかのような連鎖する轟鳴となり、天空を震わせ、眼下の海面には数十メートルもの巨浪を巻き起こした。


神龍の背後には、巨大で異様な音爆雲が瞬時に形成された。高圧下で空気中の水蒸気が一気に凝結して生じた巨大な白い円盤であり、神が降臨する前の光輪のように、戦場全体を奇妙な光と影で包み込んだ。


この巨大な音爆は、数キロ離れた漁村にまで強烈な震動を感じさせた。まるで小規模な地震が起きたかのようだった。この神速の一招について、トビーは神龍の意識を通じてその名を知る。「神龍矢」!


その標的は、蓄力中で致命の一撃を放とうとしている項羽ではなかった。最も近くにおり、項羽の参戦によってわずかに逡巡を見せた関羽だった!


関羽が反応する暇もない刹那、神龍の全身は無敵のエネルギー矢と化し、比類なき威勢をまとってまっすぐ関羽へ射込まれた。瞬間、金の針が豆腐を刺し貫くように、神龍矢は何の抵抗もなくその身を貫通した。もがく間もない。ただ、耳を裂くような金属の悲鳴だけが、突然炸裂した。


強大な衝撃力により、関羽の沈穏な歩みには、ごくわずかな停滞が生じた。戦甲の表面は瞬時に暗くなり、核心動力炉は消灯する。まるで電源を抜かれた古代の機械人形のように、武聖の意志を燃やしていた電子眼も完全に光を失った。


この電光石火の間に、項羽でさえ忌憚した武聖は、瞬時に麻痺し、戦闘能力を失った。その身躯は空中で一瞬静止したのち、重力に引かれて力なく地平へ墜ちていった。


## 戦局逆転


戦況は瞬く間に変化した。関羽の身躯が隕石のように海岸近くの岩礁へ墜落したのと同時に、項羽も驚愕している余裕を失った。彼は咆哮し、焦燥の中で、蓄力がまだ六割に過ぎない「四面楚歌」のエネルギー球を猛然と射出した!


磅礴たる紫色のエネルギーが瞬時に神龍を覆い、逃れようのない絞殺の場を形成した。ちょうど神龍が「神龍矢」を放った直後で、エネルギーはまだ安定を取り戻していない。強弩の末にあるその巨大な身躯は、「四面楚歌」のエネルギー球牢の中で無情に引き裂かれた。


耳をつんざく摩擦音とエネルギー激突の巨響が天際を満たす。七彩の龍鱗は雪片のように舞い散り、エネルギーの磨耗によって瞬く間に剥がれ落ち、その下から歪んだ金属骨格と閃く電弧が露出した。


たとえ六割の威力に過ぎない殺招であっても、その損傷は極めて深刻だった。十割まで蓄力された「四面楚歌」がどれほど恐ろしい威力を持つのか、想像するだけでも寒気がする。


だが、これらすべては、トビーの計算の内だった。


二大天王の挟撃を同時に相手取り、長い消耗戦で勝ち切ることは困難だ。しかもこの瞬間、時間こそ最も貴重な切り札だった。だから彼は、第一時間で関羽を麻痺させ、その直後に項羽から飛んでくる未完成の一撃を硬く受け止める準備をしていた。


とはいえ、神龍とトビーは凄惨な代価を払った。神龍の機体は深刻に損傷し、意識核心は激しく明滅する。残存エネルギーは危険域、わずか24%。短時間のうちに「神龍矢」のような超負荷攻撃を再び放つことは、まず不可能だった。


しかし、トビーの意志は揺らがなかった。彼は神龍へ、全身を巻き込むように凝縮する指示を出した。龍は爪牙をむく球体となり、破損した龍鱗と傷だらけの肢体をすべて内側へ収める。まるで深淵からもがき出た混沌の球のように、厳然と身構えた。これこそ、極限状態における最終防御姿勢、「龍魂甲」だった。


それは、項羽の次なる、さらに狂暴な攻撃を迎え撃とうとしていた。


関羽が墜落し、神龍の「龍魂甲」が形を成した直後、項羽の怒りに満ちた影が目前へ飛来した。純粋な紫色闘気で凝集された実体化した腕が、無数の残影となって超音速の拳速で神龍の「龍魂甲」へ暴雨のような猛攻を浴びせる。


「砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰! 砰!」


一拳一拳が山を割り石を裂く力を帯び、容赦なく神龍の丸まった外殻へ叩き込まれ、耳を聾する爆音を発した。神龍の巨大な身躯は空中で震え、転がされ、ただ内へ内へと縮こまって防御を固めるしかない。内部のエネルギー核心が瞬時に崩壊するのを避けるためだった。だが、項羽の拳の威力は凄まじく、一撃ごとにトビーの心臓を重槌で打つような衝撃を与えた。


神龍のエネルギー値は、肉眼で見えるほどの速度で下がっていく。22%、21%、19%……。


項羽のエネルギーは、まるで尽きることがなかった。瞬く間に数万発の拳を打ち込み、途切れることなく連綿と続ける。半分の休息も与えず、トビーに息をつく隙を一切与えない。


彼は、覇者の威権に挑んだこの巨聖獣を、徹底的に粉砕するつもりだった。


## 地上の危機


空中の戦局が目まぐるしく変化し、関羽が墜落するのを見て、地上近くの霍去病も焦りを覚えた。赤い電子眼が激しく明滅し、武装AI部隊への指揮もいっそう速く、激しくなっていく。


芸潔たち四人は動力装甲を頼りに苦しく耐えていたが、体力とエネルギーは急速に消耗していた。今にも崩れ落ちそうで、もはや持ちこたえられない寸前だった。


小胖と阿光の装甲には深刻な損耗が現れ、エネルギーシールドは破砕寸前だった。防御のたびに、骨まで痛むような衝撃が彼らを襲う。芸潔も危険の連続だった。回避がわずかに遅れた一瞬、数条のエネルギービームが彼女の装甲をかすめた。


千鈞一髪の瞬間、阿明が猛然と飛び込み、自分の体を芸潔の前に投げ出した!


「轟!」という巨響とともに、阿明の装甲は瞬時に崩裂し、電流と火花が四散した。彼はうめき声を漏らして地面に倒れ込み、完全に戦闘能力を失った。


「阿明!」


芸潔は悲鳴を上げ、目に自責と心配をいっぱいに浮かべた。小胖と阿光はすぐに集まり、阿明を中心に守るように立つ。三人は背中合わせになって粗末な防御円を作ったが、同時に七、八体の量産型武装AIに包囲され、状況は危機一髪だった。


その危急の時、村の中の村人たちが怒号を上げた。彼らは地面の石や木の棒を拾い、芸潔たちを包囲する武装AIへ向かって必死に投げつける。だが、その原始的な攻撃は堅固な合金装甲に対しては効果がほとんどなく、実質的な脅威にはならない。武装AIたちはそれを無視した。


全員が絶望に沈もうとしたその時、螺旋槳の轟鳴が後山の叢林から急速に近づいてきた。巨大な風圧で木々の葉を吹き飛ばしながら、一艘の旧式飛艇が森の上から猛然と飛び出す!


それにはいかなる武装能力もなかった。だが、直接体当たりする形で、芸潔たち四人を包囲する武装AIへ突っ込んだ。


「砰! 砰! 砰!」


連続する三度の衝突で、数体の武装AIが無理やり弾き倒され、変形した。飛空艇も巨大な反作用で損傷し、機体から黒煙を噴きながら傾いて地面に降り立った。艙門が開き、一つの影が敏捷に飛び降りる。トビーの本体だった。


彼は一瞬もためらわず、芸潔、小胖、阿光のもとへまっすぐ駆け寄った。皆が驚く視線の中、トビーは両手をそれぞれ彼らの装甲に押し当てる。彼自身が持つエネルギー修復能力が瞬時に発動した。


温かく強大なエネルギーが彼らの装甲内部へ流れ込み、破損を修復するだけでなく、枯渇したエネルギーを急速に補充していく。ただし、阿明の装甲は損傷があまりに深刻で、もはや修復できなかった。


トビーの揺るぎない迫力に満ちた姿を見て、同時に体内へ再び満ちていく力を感じ、芸潔、小胖、阿光の目には新たな希望が燃え上がった。


「トビー!」


皆が一斉に彼の名を呼んだ。焦燥と不安でいっぱいだった心は、一瞬で落ち着きを取り戻した。


局勢は、トビー自身の到着によって、瞬時にかなり安定した。彼らはすぐに動き、協力して阿明を山洞内へ護送した。残る四人は引き続き洞口の外縁を守り、絶え間なく押し寄せる武装AIを防ぎ続ける。


芸潔たちが身に着けている「人型動力装甲」は、ただの物ではなかった。それらは千余年前、中央研究院に保管された貴重な遺産であり、当時のAI技術を除けば、人類科学技術の最高結晶でもあった。この装甲の誕生には、数千人の研究開発エンジニアの情熱と汗が凝縮されている。彼らは21世紀の人気SF漫画に感化され、未来世界への限りない憧れを胸にそれを作り上げた。


人類社会の秩序維持に用いられた初期型から、国際戦争における武力競争へと、これらの動力装甲は進化し続けた。最終的には、「星移計画」の挑戦に対応するため、平凡な人間でも宇宙探検に必要な適応力を得られる究極版にまで発展した。


これらの装甲は相当な戦闘力を提供するだけでなく、独立した生命維持システムと精密な環境適応能力を備えていた。


中央研究院に残された数機は、研究開発過程の段階的な原型(Prototype)にすぎなかったが、その性能はなお十分に信頼できるものだった。だからこそ芸潔たち四人は、その補助によって上百体の武装AIと対抗できていた。


それらは、人類が文明の頂点にあった時代に、自らの限界へ挑み、未知を探索した完璧な結晶だった。


## 金戈策援


ずっと高空から戦局を見守っていた岳飛も、戦局の急変を目にして動き始めた。古中華民族の歴史上、最も著名な抗金の名将として、岳飛は戦場での勇猛さだけでなく、学を尊び徳を修め、己を厳しく律したことで人々から敬仰されてきた。彼の性格特性は、堅忍、忠誠、原則を重んじること。ほとんど剛直で、融通が利かないほどだった。


AI天王として目覚めた後、彼のあらゆる行動準則は「任務の成否」という核心を中心に回っていた。項羽と関羽が相次いで挫かれ、さらに戦局へ途中から無謀に加わったトビー本体を見て、岳飛はこの戦闘にはより精密な掌握が必要だと悟った。


当代AIの性能に影響する最重要要素は、「算力」と「エネルギー」の二つである。大半の中央聯網AIは主に中央の算力に依存し、自身のエッジ演算能力は限られている。そのため、頂尖の極限戦闘では、瞬息万変の戦況に反応が追いつかないことが多い。だからこそ護世四大天王は、いずれも独立演算核心を採用し、自身が非常に強大な算力を備えている。そして彼らが率いる量産型武装AIは、近くにいる隊長格の天王本体の算力を利用して協同作戦を行う。

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