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新・バビロン 第1巻|第十一章:戦局逆転|第2回

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岳飛は特規型戦略AIとして、自身の戦闘能力ももちろん侮れない。だがそれ以上に大きな戦略価値は、戦場全体へ追加算力を提供できる点にあった。彼は自身の算力を、同陣営の現場AIすべてへ同期できる。戦闘型AIにとって、算力とは速度であり、また駆使できる戦技の等級を意味する。


岳飛の脳中には任務の成否しかなかった。今、戦局の変化を見て、同時に遠方から急速に接近する巨大なエネルギーを感知した彼は、時間が逼迫していると理解した。敵方の未知の援軍が到着する前に、戦局を安定して掌握しなければならない。


「霍去病」


岳飛は内部チャンネルで沈んだ声を発した。


「地上の状況は、できるだけ早く掌握しなければならぬ。いつまでも消耗しているわけにはいかない」


言葉と同時に、彼は算力支援「金戈策援」を展開した。彼の周囲の空気に、ごく微かな金色の光暈が浮かび始める。それは算力場が全開になった証だった。


霍去病は応じた。


「分かっている。だがAI-07は人類を殺すなと命じている。そのせいで俺の部隊は手足を縛られている。しかも、あいつらの着ている装甲の防御力は予想外だ」


「人類生物を殺害できぬのなら、少なくともあの武装脅威を先に排除せよ」


岳飛は果断に指令を下した。


「まず彼らを麻痺させ、地上の局勢を制御下に置く」


「了解」


霍去病は簡潔に答えた。


続いて岳飛は、神龍と激しく交戦する項羽へ視線を移した。


「項羽、未知の増援が接近中だ。速戦速決にせよ」


項羽は狂攻の最中、ただ不機嫌そうな嗤いを漏らした。


「お前に言われるまでもない!」


だがその拳の勢いは、ひそかにさらに数分速まっていた。岳飛の算力支援がもたらす助益を、彼も明らかに感じ取っていたのだ。


言い終えるや、岳飛と霍去病はほぼ同時に動いた。霍去病は一瞬もためらわず、地上武装AIの戦術配置を直ちに調整し、芸潔たち四人への圧制を加速させた。岳飛は身を動かし、もはや遠距離からの観望を続けない。項羽と関羽が交戦していた戦圏の近くへ移動し、居高臨下の姿勢を保って、両腕を胸の前で組み、眼前の目標を凝視した。


彼の戦甲は墨のように深く、冷たい寒光を映していた。すぐには攻撃に参加しないものの、その身から放たれる濃烈な戦意は、彼がすでに戦局へ加わる準備を整えたことを明確に示していた。それは無形のうちに、苦境にある神龍トビーへさらに重い圧迫感を与えた。


岳飛はすでに計算していた。項羽のあの狂暴な連続攻撃は、永遠に続くはずがない。項羽がわずかに手を止め、息を継ぐ短い空隙を見せた瞬間、彼はただちに前へ出て交代し、神龍に一息の猶予も与えない。この、一見冷静だが実際には圧迫感に満ちた戦略布陣は、神龍のあらゆる反撃の機会を徹底的に封じるためのものだった。


すぐ近くで戦いを観察する彼の双眼は鋭く光り、データ流が高速で運転していた。項羽の拳の軌跡、神龍の防御の粘りを詳細に分析し、「龍魂甲」の守備弱点を見いだして一撃で瓦解させようとしていた。


鳳凰降臨


神龍トビーは、項羽の狂攻に苦しんでいた。エネルギー値はすでに3%という極度の危険域まで低下し、体内では激しい警報音が鳴り響いている。彼は突破の方法を必死に考えたが、どうにもならなかった。絶望のその時、突然、未知のエネルギー場と意識が急速に接近してくるのを感知する。そのエネルギーは磅礴として灼熱で、神龍の体内にある古き力と強烈に共鳴した。


続いて、トビーは同時に二つの懐かしい意識を感知した。


「ショウタ? シャーロット!?」


彼の核心意識が震えた。驚愕と希望が同時に胸へ湧き上がる。


ほとんど同じ瞬間、巨大な影が灼熱の気浪を帯び、嘹亮な鳳鳴とともに、燃える彗星のように遠方の天際を切り裂き、項羽と神龍の間へ直接割って入った!


それは全身を赤紅の烈焔に覆われ、両翼を広げれば半分の空を遮るほどの神鳥、伝説の「火鳳凰」だった!


火鳳凰は圧倒的な姿勢で、項羽の鉄拳をまったく恐れず、その巨大な両翼を用いて項羽と神龍を強引に隔てた。項羽の拳は破滅的な力を帯び、火鳳凰の火焔障壁へ猛然と叩き込まれたが、石を大海へ投げ込んだように、赤紅の炎に激しい波紋を幾重にも起こしただけで、実質的な損傷は与えられなかった。


「鳳凰!?」


項羽の狂傲な電子眼に震驚がよぎり、すぐにそれをさらに強烈な興奮と戦意が呑み込んだ。この予想外の変数が、彼の体内の戦意を再び沸騰させた。


「面白い! ますます面白くなってきた! 地球上にこんな奴が存在していたとはな!」


彼は拳を止め、周身の紫色闘気をさらに濃くした。火鳳凰を新たな強敵として認定したのは明らかだった。


少し離れた場所の岳飛は、火鳳凰の出現を見て、電子眼の紅光を激しく明滅させた。先ほどの不安感が、瞬時に証明されたのだ。彼は沈んだ声で言った。


「新たな未知目標が出現! エネルギー等級は極めて高く、脅威度は頂級!」


彼は自身の算力を狂ったように動員し、火鳳凰の構成とエネルギーモードを分析しようとした。そして演算結果を友軍へ共有し、全体がこの新たな変数により早く適応できるよう試みた。


AI-07の声もただちに響いた。語気は切迫している。


「岳飛、霍去病、データベースにはこれら巨獣に関するいかなる記載もない。必ず警戒を維持せよ。項羽、ただちに戦術を調整し、協同作戦へ移れ。単独で戦いに執着するな!」


地上では、トビーたちへ致命の一撃を放とうとしていた霍去病も、思わず攻勢を一時停止した。彼は空中の燃える巨鳥を見上げた。


「また一つ……巨聖獣か?」


彼は呟いた。眼前の任務は、想定外の挑戦に直面したらしい。彼も本気になる必要があった。


神龍の核心にいるトビーの意識は、火鳳凰が出現した瞬間、温かく強大なエネルギーが流れ込むのを感じた。それはまるで伝説の火鳳凰が持つ生命力のようであり、シャーロットの意識と織り合わされ、尽きることなく広がり伝わってくる。


枯渇寸前だった神龍のエネルギーは瞬時に補充され、満ちあふれた。トビーの心は激しく躍った。


「よかった……みんな来てくれたんだ!」


トビーの意識は神龍を通して低い龍吟を放った。それは驚喜と振奮を帯びた声だった。彼は知っていた。絶望に見えたこの戦いに、火鳳凰の到来によって新たな転機が生まれたのだ。


火鳳凰は神威凜然たる姿で戦場へ降臨した。そして祂が備える二つの核心能力こそ、現局面を覆す鍵だった。


第一の能力は「熾陽心」。岳飛の算力支援に似ているが、火鳳凰が提供するのは追加のエネルギー補給である。火鳳凰そのものが、底知れぬ蓄能体のような存在だった。過去数百年にわたり、祂は火奴魯魯地下の活火山で、地心深部から湧く浩瀚なエネルギーを吸収し続けていた。


量産型勤務AIが搭載するエネルギーを一単位とするなら、武装AIのエネルギーは多くても数十、百単位に近い程度である。四大天王はいずれも数十万単位級で、神龍も現在の推定では百万単位近い。だが火鳳凰は例外だった。上億単位級の巨大なエネルギー貯蔵を持ち、まさに小型太陽のように、友軍のそばで絶え間ないエネルギー補給を提供できる。


これは、極限消耗の戦闘において、火鳳凰の存在が友軍の戦闘継続能力を大幅に延長できることを意味していた。


火鳳凰の第二の鍵となる能力は「炎壁壘」である。この能力は友軍のためにエネルギー防御障壁を構築できる。障壁は固定位置にしか生成できないが、主な機能は戦場の非戦闘員へ庇護を与えることにある。保護対象と外界の脅威を隔離する、堅不可摧のエネルギーシールドを創造できるのだ。


この瞬間、火鳳凰は現れた直後に、祂の「炎壁壘」を施展した。両翼を一振りすると、金紅色の火焔エネルギーが巨大な身躯から湧き出し、村人たちが身を隠す山洞口へ直接凝集した。


瞬く間に、熾熱で安定したエネルギー障壁が成形され、洞口を完全に封鎖した。結界は見る者を畏れさせるエネルギー波動を放ち、その強度は尋常な武装AIをすべて外へ阻むに足るものだった。


これにより、洞口前方で守り続けていたトビーと芸潔たちは解放された。苦しい受け身の防御に留まる必要がなくなり、より自由に移動し、回避できるようになったのだ。


火鳳凰の影が天際を切り裂くと同時に、人心を奮い立たせるエネルギーも地上のトビー本体へ伝わった。算力不足で張り詰めていた彼の意識は、ここでようやく一息つく余裕を得た。ショウタとシャーロット、二人の仲間が戦局に加わったことを感じ取り、トビー本体の精神は大きく振るい立つ。彼はすぐに体内の獅子モジュールを触発し、身のこなしを加速させた。


「どけ!」


トビーは低く吼えた。周身に淡いエネルギー光暈を浮かべ、武装AIでさえ捕捉困難な速度で、稲妻のように敵陣へ斬り込む。拳と脚が一斉に走り、三機の武装AIは反応する暇もなくその場で撃退され、吹き飛ばされた。一瞬だけ、空隙が切り開かれる。


「芸潔、小胖、阿光、こっちへ!」


トビーは仲間たちへ叫んだ。声には自信が満ちていた。洞口が「炎壁壘」に完全に封鎖されたことで、村人たちの安危はひとまず心配しなくてよくなった。彼らは地上で自由に身を隠し、空からの脅威を避けることができる。そこで彼らは、岩が密集する天然の遮蔽場所へ目を向けた。


しかし、この短い勝利は、すぐに天から降りる強大な圧迫感に覆われた。


「ふん、小細工だ」


霍去病の声が、氷のように空中から降り、全員の耳にはっきり響いた。


「この程度の抵抗に、意味はない」


彼の身影は空中からゆっくり下降してくる。まるで揺るがぬ高塔のようだった。紅光を灯す電子眼は地上の皆をロックし、データ流はトビーの修復能力と芸潔たちの戦闘パターンを高速分析している。


「お前たちは、そんな微かなエネルギーで何が変えられると思っている?」


霍去病の語気には絶対的な自信と、弱者への蔑みがあった。


「頑強な抵抗も、結局は徒労に終わる」


彼はすぐには出手しなかった。その無形の圧迫感は、どんな攻撃よりも息苦しかった。


トビーは眉を固く寄せた。霍去病が今、ただ気まぐれに一撃を放つだけで、自分たちはまとめて崩されると分かっていた。これは彼の本体で抵抗できる戦闘等級ではない。彼は必死に考え、この絶対的な力の前で、皆のために一縷の生機をどうやって稼ぐかを探った。周囲を素早く見回し、地形の可能性を脳内で高速計算する。


「早く! こっちへ! 地形を使うんだ!」


トビーは大声で呼び、岩が密集し天然の遮蔽がある場所へ皆を誘導した。霍去病が空から放つ破滅的な脅威を、できる限り避けようとしたのだ。


芸潔は走りながら山洞を振り返った。鄭公と村人たちの顔には、心配がいっぱいに浮かんでいる。胸がぎゅっと締めつけられ、彼女の脳裏に一つの考えがよぎった。


「ねえ、村人たちはあんなに必死で石を投げて手伝ってくれてるんだよ。私たち『スーパーヒーロー』が、恥をかくわけにはいかないでしょ?」


彼女は深く息を吸い、無理やり気持ちを奮い立たせた。装甲の下の痛みでしかめていた眉が、少しだけほどける。生き生きした瞳には、いたずらっぽい光が宿った。彼女は「わっしょい!」と叫び、猛然と加速した。


「砰! 砰! 砰!」


三つの鋭い音とともに、彼女は連続で三発の蹴りを放ち、迫ってきた武装AIをよろめかせた。中にはそのまま宙へ蹴り飛ばされ、空中で回転しながら飛んでいったものもあった。


「そんな簡単にはいかないよ! この村は私の村なんだから、あんたたちに好き勝手される筋合いなんてない!」


芸潔は心の中でふんと鼻を鳴らした。瞳には負けん気が満ちている。彼女は空に浮かぶ息苦しいほどの影を見上げ、それから横の、明らかに疲れ切っているのにまだ倒れようとしない仲間たちを見た。唇の端が、自然と軽く上がる。まるで彼らへこう言っているかのようだった。

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