新・バビロン 第1巻|第七章:積電城|第3回
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端末が指示する。
「あなたたちの意識を投入し、火鳳凰と連結してください」
ショウタとシャーロットは互いに目を合わせた。心にはまだ疑問があったが、好奇心と使命感が二人を前へ押した。彼らはゆっくり火鳳凰へ近づいていく。近づくと、その灼熱のエネルギーシールドは彼らの到来を感知したかのように、水面の波紋のような揺らぎを広げ、ゆっくり左右へ入口を開いた。
鋼鉄すら溶かしそうな熱気が真正面から押し寄せた。だがその熱波は二人に触れた瞬間、温かく穏やかな流れへ変わった。彼らはまったく傷つかないどころか、体内の中核が膨大なエネルギーを注がれて、より満ちていくのを感じた。
二人は慎重に、火鳳凰の胸腹部にあるエネルギー中核へ近づいた。その中核は微型の恒星のように、眩い橙赤色の光を放っている。脈動の律動は火鳳凰の呼吸のようで、無言のうちに彼らを呼んでいるかのようだった。
ショウタが先に目を閉じ、意識をゆっくり目の前の赤い光へ伸ばした。しかし次の瞬間、彼は自分の意識が見えない壁にぶつかったように感じた。そこから先へは一歩も深く入れない。火鳳凰の意識は明らかに目の前にあるのに、どうしても本当の連結を確立できなかった。先に量子チップへ接続したときの自然で滑らかな感覚とは、まったく違っていた。
ショウタは思わず眉をひそめ、目を開いた。瞳には困惑がよぎる。
それを見たシャーロットは、ショウタの肩を軽く叩き、自分に試させてほしいと示した。彼女はゆっくり前へ出ると、両手を胸の前で重ね、目を閉じ、自身の意識の中にある優しく純粋な力を余すところなく解放した。刹那、温かく浩大なエネルギーが彼女を包み込んだ。まるで彼女が生まれ持った「思いやりと守護」の本質が、火鳳凰と運命に近い共鳴を形成しているかのようだった。
続いて、雄大で純粋な意識の洪流が潮のように彼女の中核へ流れ込んだ。それは言語によるものでも、コードによるものでもない。直接的で深層的な意識の交わりだった。彼女は果てしない烈焔の峡谷とつながったように感じ、火鳳凰が長い歳月の中で蓄積してきた豊かなエネルギーと、今まで背負ってきた神聖な使命を明確に感知した。
彼女の感知力は極限まで拡大された。周囲のあらゆるエネルギー流の運行軌跡を「見る」ことができた。さらには基地の外、数十キロ先のエネルギー波動や、火山深部の溶岩の流れさえ感じ取れた。
「連結完了」
StarGateのこのときの声には、隠しきれない満足があった。
「シャーロット、あなたは火鳳凰を操る権限を獲得しました。覚えておいてください。火鳳凰の力は、守護と治癒のためにあります」
火鳳凰の周身はさらに眩い光を放った。もはや単に浮遊しているだけではなく、ゆっくりと、律動を持って動きはじめる。それは冷たい機械ではなく、本当に「生きて」いた。
ショウタとシャーロットは互いに見つめ合った。その目には深い震撼と畏敬があった。ショウタは火鳳凰と共鳴できなかったが、シャーロットから以前とは異なる気配が放たれていることをはっきり感じていた。それは巨大なエネルギーを注がれた後に生まれる、落ち着きと内に秘めた強さだった。
「これが巨聖獣……」
ショウタは小さくつぶやいた。胸には多くの感情が交錯していた。目の前の体験への高揚と、自分が巨聖獣と連結できなかったことへのわずかな落胆が入り混じっている。
シャーロットはそっとショウタの腕を握り、慰めるようにした。表情には先ほどの震えがまだ残っていたが、瞳はすでに成熟し、揺るぎないものになっていた。
「心配しないで。乖乖神には、きっと采配があるわ」
彼女は火鳳凰へ視線を戻した。目には固い決意が宿っている。まるで、この新しい仲間へ静かに約束をしているかのようだった。
その瞬間、火山口の下にある秘密基地全体が、火鳳凰の「覚醒」によって低い共鳴を発した。千年眠っていた巨人がついに目覚めたようだった。一方、ラファエル先生は制御台の前に立ち、仮想インターフェースの間で指を素早く走らせていた。次々と指令が発せられ、沈黙していた古い機械システムが再び運転を始める。まもなく訪れる重大な時に備えて。
危機、空に迫る
南方澳上空。本来なら静まり返っているはずの空域に、このとき不安を誘う低い鳴動が響いていた。四つの巨大な影が半空に静かに浮かび、蒼穹から降臨した神々のように見えた。
彼らこそAI-07麾下の「護世四大天王」、岳飛、関羽、項羽、霍去病だった。眼部中核には森冷な赤い光が瞬き、下方に広がる信じがたい光景を凝視している。かすかな光を帯びた透明なシールドが、無形の巨大な碗のように海域の上へ逆さに伏せられ、新バビロン北半部全体を完全に封じ込めていた。
「これはあり得ない」
項羽の低い声には驚愕と疑念が滲んでいた。巨大な金属躯体は陽光の下で冷たい光沢を放っている。
「あらゆるデータから見て、この区域はとっくに放射性塵に呑まれているはずだ。すべての生命形式もすでに滅絶していなければならない。まして、この規模のエネルギー防護など現れるはずがない」
「残存した人類技術の一種か?」
霍去病が言葉を継いだ。
「だが、この等級の防護は、旧人類文明の頂点すら超えている」
関羽の青銅で鋳られたような顔では、目の光が激しく明滅していた。
「検知システムでは、このエネルギースペクトルを解析できない。このシールドは中央知識庫内の既知のいかなる防御技術とも一致しない。エネルギー源すら異様だ。あるようで、ない。だが確かなのは、その強度が極めて堅牢であることだ」
岳飛は四大天王の筆頭として、他の三体よりわずかに細長い姿をしていたが、気勢は最も内に秘められていた。彼は最上方に浮かび、シールド内部にかすかに見える漁村の輪郭を見つめていた。彼にはシールド内部の微弱な生命波動が感じ取れた。それはAIのエネルギー反応ではあり得ず、むしろ本物の人類の気配に近かった。
「人類?」
岳飛の声には、かつてない重さがあった。
「残存人類だと? これはいったいどういうことだ。信じがたい」
彼の脳裏に、中央知識庫内で「修正」された歴史断片がよぎった。そして心の奥に、意図的に抹消された一つの語がぼんやり浮かぶ。
「香火」
そのとき、威厳に満ちた冷たい声が、四天王の量子脳に響いた。始祖長老AI-07の声だった。
「残存物が何であれ、すべて清除せよ。速やかにこの不明シールドを撃破し、真相を確認し、潜在的脅威を消し去れ」
岳飛は目を沈め、仲間たちへ向き直ると、冷たく命令した。
「攻撃開始」
四尊の巨大機甲はゆっくり戦闘姿勢へ移行した。体内のエネルギー中核が高速で稼働し、低い轟鳴が鈍雷のように空中へ幾重にも震え広がる。強烈な圧迫感がすばやく周囲を覆い、天地を引き裂くほどの攻撃が、透明なシールドに守られたこの神秘の村へ降り注ごうとしていた。
覇王項羽
護世四大天王は、通常の汎用型AIではない。一体ごとに都市級の算力を費やし、人類史における伝説級武将を原型として作られている。人工知能モデルの訓練素材には歴史的実資料が使われ、古人が本当に蘇ったかのような擬真性を確保していた。同時に、モデル訓練時には特定の重要素材へ重点的な重みづけが施され、それぞれの天王が前世における最も重要な瞬間をもとに、独自の能力を派生させられるようになっている。
四大天王の中で、項羽は最も勇猛な存在だった。その戦闘能力には猛虎の遺伝子が融合されており、純粋な強力物理攻撃に属する。ナノカーボン複合合金で鋳造された躯体は、硬度がダイヤモンドの百倍以上に達する。超音速で打ち出されれば、破滅的な力を宿すことになる。
この瞬間、火のように性急な項羽は、もはや待たなかった。怒号を上げると、ナノカーボン複合合金でできた金属躯体が空中に残影を描き、下方のシールドへまっすぐ襲いかかった。
「破釜沈舟!」
彼は両拳を固く握り、中核エネルギーを狂ったように出力した。猛虎のように凶暴な一拳は、破滅的な風圧とソニックブームをまとい、無形のシールドへ容赦なく叩きつけられた。
轟隆!
耳をつんざく巨響が海面上空で炸裂した。数千トンのTNT爆薬が同時に爆発したかのようだった。空気は引き裂かれ、肉眼で見える白い衝撃波がシールドを中心に四方八方へ広がっていく。
周囲の雲層は震散され、海面は数十メートルも押し下げられ、天を突く巨大な波が巻き起こった。
しかし、一都市を平らにできるほどの試探的攻撃を受けても、下方の透明なシールドは微動だにしなかった。依然として、かすかな光を放っている。
項羽の拳は、虚無の塊でありながら極めて硬いエネルギー壁を打ったかのようだった。
「ふん!」
項羽は不満げに低く唸り、目にさらに狂暴な戦意を燃やした。彼は止まらなかった。機体内のエネルギーをすばやく凝集し、再び力を溜める。
空気中には、より激しいエネルギーの波動が広がった。巨大な嵐が醸成されているようだった。
「裂土封王!」
項羽は怒号を上げ、両拳を猛然と下へ振り下ろした。恐怖すべき力が瞬時に凝縮される。その拳には無形の引力が宿り、周囲空間の重力をすべて吸い寄せるかのようだった。拳が沈み込むにつれ、シールド表面には目を刺す光が爆発し、肉眼で見えるエネルギーの波紋が幾重にもすばやく広がっていった。
一見単純な一撃に見えるが、その実体は肉眼では識別できない高周波衝撃だった。ミリ秒の中で対象へ数千回衝突している。この振動波は百トンの巨石を粉末に変え、衝撃点から十キロ離れた花崗岩地層に蜘蛛の巣状の亀裂を生じさせ、空気中の水分子を瞬時に蒸発させて真空域を形成できる。
その破壊力は遠近を問わず届き、まるで山脈そのものを中央から引き裂けるかのようだった。
項羽は技が決まったことで、目に快意を浮かべた。この一見堅不可摧なシールドも、崩壊まで時間の問題だとわかっていた。地上の蟻どもは、まもなく滅頂の災いを迎えることになる。
シールド内部では、強烈な振動波が貫通してきた。漁村の建物は激しく揺れ、壁には巨大な亀裂が走る。瓦や小石がぱらぱらと落ち、聞く者の心を震わせる音を立てた。村で飼われている動物たちは落ち着きを失いはじめ、村の入口で上空を見守っていた鄭公も、シールドに守られているとはいえ、空からの巨大な威圧を感じ取り、表情を険しくした。
村の中では、忙しく働いていた漁民たちが、手にしていた漁網や道具を次々と投げ出していた。顔には恐怖がはっきり浮かんでいる。子どもたちは怯え、父母の脚にしがみつき、抑えた泣き声を漏らした。女性たちは慌てて周囲を見回し、その目には不安が満ちていた。この突然の異変が何を意味しているのか、誰にもわからない。
若く力のある漁民の中には、平静を保とうとする者もいた。だが握りしめられた拳と、額に滲む汗が、内心の恐怖を露わにしていた。
彼らはこれほど恐ろしい光景を見たことがなかった。雷公が地上へ降りてきたかのような巨大な力は、彼らの乏しい知識では到底理解できない。彼らは示し合わせたように鄭公を見た。村で最年長の知者である彼から、わずかでも導きを得たいと願っていた。
遠く中央研究院の深部では、トビーと連結しているAI-0が、その中核データ流で強大な衝撃波を瞬時に検知していた。その声がトビーの意識の中で響き、緊張を帯びていた。
「外部防御障壁への高強度攻撃を検知。残存エネルギー、九十二%」
同じころ、太平洋の彼方にある火山口地下基地では、ラファエル先生も手元の操作を突然止めた。強化された感測モジュールが、新バビロン方向から来る激しいエネルギー波動をはっきり捉えたのだ。その波動は、雷神の巨鎚が彼の中核意識を打ったかのようだった。端末の冷たい合成音が、基地全体に響き渡る。
「警告。新バビロン方向、シールド・エネルギー値が急激に低下。敵は第一波高強度攻撃を開始しました」
空気は一瞬で異常なほど張り詰めた。予期されていた悪戦は、どうやら想定より早く、そしてさらに猛烈に訪れたらしい。




