新・バビロン 第1巻|第五章:霧の探索|第2回
「これ……この酒、僕にエネルギーを供給できる!」
トビーは信じられないというように言った。
阿明、小胖、阿光は皆、ぽかんとした。小胖が頭をかく。
「エネルギーを供給? やっぱり仙人は違うなあ」
トビーは目を閉じ、さらに分析を進めた。生体脳が示した結果は、この酒の主成分が燃焼可能なアルコールであることだった。彼の生化学躯体にとって、アルコールは確かに高効率なエネルギー源になり得る。直接日光を吸収するほどの効率ではないが、代替燃料としては思いがけない収穫だった。
体内の中核伝導点のあいだに、微かだが安定したエネルギー補給が伝わってくる。トビーの顔には、少しだけ酔ったような笑みが浮かんだ。
## 雪山隧道
三日目、朝早く出発してまもなく、密林の奥に巨大な黒い影が現れた。それは歳月に侵食された巨大な洞口だった。歴史の痕跡が濃く刻まれている。入口の周囲には深緑の苔がびっしりと生え、古く神秘的に見えた。
洞口の上には、大きく斑になった石板があり、不規則な紋様が刻まれていた。トビーは近づき、その紋様を注意深く観察した。彼の生体脳は自動的に翻訳モジュールを起動し、かすれた符号をデータベース内の古文字と照合する。
石板に刻まれた古い文字は、トビーの意識の中で少しずつ翻訳された。
「雪山隧道」
その名は彼にとって馴染みのないものだった。雪山? 隧道? それはベイシティとはまったく違う、古い時代の命名方式だった。
彼らが隧道へ入ろうとしたそのとき、後方を黙ってついてきていた犬の群れが、突然、低く切迫した吠え声を上げた。その声には明確な警告と不安があり、犬たちの身体は緊張し、喉の奥から低い唸りが続いている。視線はまっすぐ隧道の奥へ向けられていた。
「どうした?」
阿光が緊張して短刀を抜いた。阿明もすばやく弓に矢をつがえ、警戒の目を向ける。彼らは経験豊かな猟師であり、ただちに普通ではない危険の気配を感じ取っていた。
犬の群れが警告を発したのと同時に、トビーの感知システムも隧道の奥から強大な熱源と生物反応を捉えていた。それは巨大で、荒々しく、攻撃性に満ちた気配だった。彼は瞬時に目標を特定する。体格の大きな、漆黒の毛皮を持つ黒熊が、隧道の奥からゆっくり歩み出てきていた。入口の物音に引き寄せられたらしい。
黒熊の身体は明るい陽光の下で、さらに巨大に見えた。琥珀色の目が野性の光を放ち、空気の匂いを嗅ぐと、重く低い唸り声を上げた。威嚇の意図は明らかだった。犬の群れの唸りはさらに切迫し、毛が逆立つ。体格では黒熊に遠く及ばないにもかかわらず、彼らは少しも怯えず、トビーたちの前に防線を作って黒熊と対峙した。
張り詰めた空気が一瞬で固まった。全員が息を止め、音を立てまいとした。この巨大な生き物を刺激することを恐れていた。黒熊の視線は彼らの上をゆっくりと通り過ぎ、この招かれざる者たちの脅威度を測っているようだった。
その千鈞一髪の瞬間、トビーが一歩前へ出た。そして阿明が弦にかけた弓を、そっと下げさせる。彼は空いた手を伸ばし、ゆっくりと、安定した動きで掲げた。掌を黒熊へ向ける。その身体から、ある種の情報流が放たれているようだった。黒熊の脳と「接続」しようとしている。言語でもなく、エネルギー波でもない、純粋な意識情報の伝達。そこには、なだめる意図と無害であるという意思が込められていた。
黒熊の低い唸りは、少し途切れたようだった。巨大な頭がわずかに傾き、琥珀色の目が、トビーの差し出した手を困惑したように見つめる。それはトビーの奇妙な、悪意のない情報を感じ取っていた。理解の範囲を超えているはずなのに、本能に基づく攻撃態勢は自然と緩んでいく。
数秒後、黒熊は再び低く「うう……」と鳴いた。だが今度の声には威嚇がなかった。黒熊はゆっくり半歩後退し、それから身を翻して、隧道口の横にある茂みの奥へ消えていった。犬の群れの警戒もようやく少し緩み、低い唸り声は少しずつ静まった。
阿明、小胖、阿光は震撼した顔でトビーを見つめていた。芸潔はさらに目を丸くし、口をわずかに開けたまま、トビーがこんな方法で凶暴な黒熊を「説得」できるとは思いもしなかった様子だった。
その後、トビーが助けた幼犬が、犬の群れから飛び出してきた。トビーの足元へ走り寄り、鼻で彼のすねを軽くこすり、低く甘えるように鳴く。
トビーは腰をかがめ、幼犬の頭をそっと撫でた。幼犬はおとなしく掌へ身体をすり寄せ、それから仲間たちのもとへ戻っていった。
先頭の野犬がもう一度低く鳴いた。すると犬の群れ全体が合図を受けたかのように、一斉に身を翻し、三歩進んでは振り返りながら、ゆっくりと離れていく。元の棲み処へ戻るつもりなのだろう。彼らは、自分たちの役目が無事に終わったことを理解しているようだった。
トビーは立ち上がり、犬の群れが遠ざかる後ろ姿を見つめた。言葉を持たなくても感謝を知る生き物たちが、旅の途中で温かな同行者になってくれた。そのことに、彼の胸には淡い温もりが生まれていた。
「入るのか?」
阿光が緊張した声で尋ね、手にした松明へ火をともした。炎が薄暗い隧道の入口で揺れる。
「行こう」
阿明も松明を掲げた。
「皆、気をつけろ!」
トビーたちは、歳月と闇に千年ものあいだ覆われてきた雪山隧道へ、毅然と足を踏み入れた。
## 隧道の奥
隧道に入った瞬間、湿って黴の匂いを帯びた空気が正面から押し寄せてきた。四方は真っ暗で、手を伸ばしても指先さえ見えない。松明の光は足元のわずかな範囲を照らすだけだった。まさにそのとき、頭上から「キィキィ」とせわしない声が聞こえた。次の瞬間、名も知らない飛行生物の大群が隧道の奥から一気に飛び出した。黒い雲のような塊が羽を打ち、耳障りな音波を伴って、彼らの頭上をかすめていく。
トビーと芸潔はどちらも驚いた。芸潔は反射的に小さな悲鳴を上げ、トビーの防衛本能も一瞬で張り詰めた。意識中核はほとんど攻撃モードを起動しかけ、脅威を識別して排除しようとしていた。
「身をかがめろ! 落ち着け! 怖がらなくていい!」
経験豊かな阿明がすぐに大声で叫び、芸潔とトビーを引いて身を低くさせた。
「あれは夜婆だ! 暗い洞穴に住んでいる。俺たちの火に驚いただけだ。無害だから、怖がるな!」
飛行生物の音が遠ざかっていくと、隧道の空気は再び静けさを取り戻した。トビーは意識を安定させ、それらの生物に攻撃意図がないことを確認してから、ようやく警戒を解いた。
しばらくして、異変がないことを確かめると、皆は前進を続けた。松明の光には限界がある。進行効率を考え、トビーは自ら照明を提供することにした。生化学皮膚の表層エネルギー出力を調整し、全身から柔らかな青い光を放つ。周囲五メートルほどが照らされ、皆により明瞭な視界を与えた。
彼らは青い光と松明の炎が交じり合う中、ゆっくりと進んだ。隧道の内部はでこぼこで、地面は滑りやすく、ときおり上から水滴が落ちてくる。道中、彼らはすでに朽ち果て、歳月と苔に覆われた、用途不明の交通機械の残骸をいくつも見かけた。形は歪み、もとの用途を判別するのは難しい。だがトビーのデータベースは、かろうじてそれらが人類時代の自動運転車であることを認識した。残骸は闇の中に静かに横たわり、忘れられた巨獣の骨骸のように、遠い物語を語っていた。
三日目の夜、彼らは隧道の中で夜を過ごさなければならなかった。阿明は経験に基づいて、比較的広く安全な場所を見つけた。そこには数台の自動運転車の残骸が周囲にあり、自然の防壁として使えた。皆は車両の残骸を遮蔽物にして、再び火を起こし、夜を明かすことにした。炎は闇の中でひときわ温かく見え、かすかな安心感をもたらした。
しかし、野外には常に未知が潜んでいる。夜半、皆が半分眠りに落ちていたころ、トビーの感知システムが突然警告を発した。冷たい爬行熱源が、闇の中からゆっくり近づいてくる。
トビーの反応は極めて速かった。感知したほとんど同時に、彼の五指は正確に蛇の急所をつかんでいた。蛇は彼の手の中で激しく暴れ、シューシューと音を立てる。だがトビーの握力は鋼の鉗子のように安定し、少しも逃がさなかった。
阿明はその音で目を覚まし、トビーの手の中で暴れる蛇を見て、すぐに緊張して身を起こした。小胖と阿光も続いて警戒する。
「大丈夫、蛇だ」
トビーは小声で言い、それから少し離れた場所まで歩いて、蛇を遠くへ放り投げた。再び近づいてこないようにするためだった。幸い、トビーの感知システムは十分に鋭敏で、誰も傷つかなかった。だがこの出来事は、こうした環境では一瞬たりとも警戒を緩めてはいけないと、トビーに思い知らせた。
皆が安心して眠れるよう、トビーはそのまま警戒モードを起動した。センサーを最高感度に保ち、隧道内のあらゆる場所を走査し、潜在的な脅威を最小限に抑える。しかし時間が経つにつれ、トビーは深刻な問題に気づいた。隧道の闇の中には陽光がない。彼はエネルギーを補給できないのだ。
長時間の警戒モードに、昼間の消耗が重なり、彼のエネルギー貯蔵量は低下していた。中核データは、このまま高出力運転を続ければ、この長い隧道を踏破できない可能性を示している。
彼は眠っている芸潔と疲れ切った村人たちを見つめ、黙って低消費電力モードへ移行した。最小限の感知と警戒だけを残し、エネルギー消費をできるかぎり抑える。明日の光を待つために。
## StarGate
太平洋の反対側、ホノルル上空。ラファエル先生たちを乗せた大型飛空艇は雲を裂き、熱帯の気配に満ちた島へ正確に向かっていた。飛空艇は自動操縦モードに入り、島で最大の、そして現在の地球に残された数少ない活火山口の一つをロックオンしている。
ショウタとシャーロットは操縦室に立ち、パノラマ窓越しに、飛空艇が火山口へまっすぐ突き進むのを目撃していた。
「僕たち、どこへ行くんだ!?」
ショウタが叫んだ。火山噴火の熱い気流が、窓越しにまで感じられそうだった。
だがラファエル先生の表情は異様なほど落ち着いていた。まるですべてを予期していたかのように、二人へ座って身を固定するよう合図する。
天閣号は少しも減速せず、火山口内部の溶岩へまっすぐ降下していった。真紅の溶岩流が、窓の外で怒濤のようにうねり、咆哮している。飛空艇内の者たちは、見ているだけで肝が冷えた。ショウタとシャーロットが、自分たちは溶岩の中で溶かされるのだと思ったその瞬間、飛空艇のエネルギーシールドがまばゆい光を放ち、灼熱を完全に遮断した。
次の瞬間、沸き立つ溶岩の深部に、彼らは神秘的で巨大な人工空間が隠されていることに気づいた。飛空艇は見えない力場の層を突き抜け、その奇妙な地下空間へ安定して着陸する。
三人は飛空艇を降り、周囲を見渡した。眼前の光景は彼らを震撼させた。地球上に、こんな場所がまだ隠されていたとは。中央ネットワークのデータベースには何の記録もない。明らかに、誰かが意図的に消去し、隠蔽していた場所だった。
三人は見えない力に導かれるように、広い停機坪を離れた。いくつものゲートを通り抜ける。両側には溶岩が流れる水路のような管路が並び、やがて彼らは閉鎖された空間へたどり着いた。
そこは巨大なデータセンターのようだった。無数の発光する回路とデータサーバーが果てしなく続き、巨大なエネルギー管が上方へ伸びている。どうやら火山の深部にある熱エネルギーへ直接接続されているらしい。




