105「ルナの要望」②
――時間は少し遡って神殿内での一幕。
「ねえねえ、ウィルソンおじさーん」
「やあ、これはルナちゃん。どうかしましたか?」
ルナは少し空いた時間で教皇ウィルソンに会いにきていた。
「王都にいる間に武器屋さんに行きたいんだけどぉ」
「ふむ。おすすめの武器屋を紹介して欲しいってことですか?」
「そういうことぉ。アムルスで聞いたんだけどぉ、業物買うなら紹介状が必要みたいなのよねぇ」
「なるほど、それで私ですか。もちろん、喜んで紹介状を書きましょう。教会の騎士たちに武器と防具を卸してもらっている店があります。私の覚えが確かなら、業物や一級品の武器や防具を多く持っているはずです」
「やったー!」
「せっかくなので、我が教会の誇る騎士団長の一言も添えておきましょう」
「さすがウィルソンおじさん!」
「いえいえ。ルナちゃんは孫ですからね。全力でおじいちゃんとしてお力を貸しましょう」
「教皇様が身内贔屓していいのぉ?」
「主もおっしゃっています。汝、身内を死ぬほど愛せよ、と」
「いえーい!」
「いえーい!」
ルナとウィルソンはハイタッチした。
■
「って、感じで紹介状を書いてもらったのぉ」
「……ウィルソンさん」
ルナは言わなかった。
ウィルソンが手に持つ書類の中に、「アムルス移住計画」「アムルス支援計画」「アムルス神殿建造計画」などがあったことは黙っておく。
きっと今、レダに告げようものなら胃と頭皮に深刻なダメージを与える可能性がある。
妻として、それは望まないのだ。
「はい、これがおすすめしてもらったお店なんだけどぉ」
紹介状と名刺をもらう。
レダは名刺を見て眩暈がした。
「おとうさん、大丈夫!?」
ふらり、としたレダにミナが慌てた。
「だ、大丈夫大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから」
「うん。本当に平気?」
「平気平気、ありがとう」
「ん」
大丈夫だと笑顔を作ると、愛娘は美味しそうにクッキーを食べ始めた。
(――正直、大丈夫じゃない。まさか王都、いや、国一番の武器屋というか……商家じゃないか。昔、大手柄を得た先輩が武器の新調のために足を運んで、店に入れてもらえなくて泣いて帰ってきたのを今でも覚えているよ。その時のショックをきっかけに、田舎に戻って畑を継いだんだよな。いい人だったのに)
娘と妻、そして弟子たちの前で店に入れてもらえなかったらと思うと、考えただけで胃が痛くなった。
ルルウッドとエンジー、シュシュリーとレイチェルも、国一番の商家の名前に絶句していた。
さすが教会だ。
取引先もすごかった。
レダさんはそろそろ心労で大変なことになりそうです!
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