95「お出かけの朝」①
朝の礼拝に参加したレダたちは、ウィルソンたちが戻ってくるのを待ってから朝食を一緒にした。
すでに身支度を整えていたレダたちだが、これと言って用事はない。
そんなレダたちに、ウィルソンから「王宮に巣食う悪党どもの大半が処分されたので自由に街に行っても構いませんよ。もちろん、護衛をつけてくださいね」と言ってもらえたので、女性陣が喜んだ。
ならばさっそくと「おめかし」を始めた女性陣を見送り、レダたち男性陣が残された。
「ふふふ、ここ数日窮屈な思いをさせてしまったので、楽しんできてくださいね」
「ありがとうございます」
「レダくんは最近まで王都にいたので少し退屈かもしれませんが」
「いえ、そんなことはありません。俺は、決まった場所にしか行っていませんでしたから、女性が足を運ぶお店を全く知らないんです。だから、ちょっと楽しみです」
「ならよかった。エンジー、ルルウッド、君たちはどうするのかな?」
紅茶を飲んでいたふたりにウィルソンが尋ねる。
「えっと、どうしましょう?」
「よろしければお付き合いしてもよろしいでしょうか? 荷物持ちは……必要ないかもしれませんが、女性たちに対して男性が少ないと少し居心地も悪いでしょう」
エンジーは困った顔をしたが、ルルウッドはレダを気遣い同行を申し出てくれた。
ありがたい、とレダは頷く。
「助かるよ。きっとルルウッドの予想した通りになる予感しかしないから、ぜひ一緒に」
「はい。そうなれば、どうせ暇をしているであろうシュシュリーも誘いましょう。レイチェル様もどうせご一緒するでしょうから、ストッパー代わりにもなります」
「あ、あはは、普通に街を楽しもうと言えばいいじゃないか」
王都に行くことが決まった時から、ルナたちが王都で買い物をしたいとはしゃいでいた。
流行りの衣服はもちろん、小物やお茶。食器なども買いたいと言っていたので、今日は長くなるだろう。
同時に、レダも楽しみだった。
かつては、ひとりで街を歩くだけだった。冒険者ギルドと安い食堂、そして酒屋以外足を運んだことはあまりない。
依頼を受けて、疲れても眠れず、酒を飲んで無理やり寝る。そんな日々だったのだ。
それが一年も経っていないのに、家族と友人たちと一緒に王都に戻って来て、買い物をする。
――レダは幸せだと、家族と友人に感謝した。




