キャンディーの研究所へ
24 キャンディーの研究所へ
「ふう、久しぶりのお仕事楽しかったなぁ〜」
空間のはざまに戻ったれんくまは、いつものようにパトロールを開始した。
その時、
「ぜっーーたい解約したる!」
かいやくしたるぅ!かいやくしたるぅぅぅ!かいやくした……
空間のはざま中に大声が響いた。
「お客さん第二弾!?」
ワクワクしながら声の方へ飛んでいく。
しばらく飛んだ時、ルワノの影が見えた。猫…と犬、だろうか。
「き、きたーーっ!!!」
上を見上げていた猫がそう叫ぶ。
「ナイス!れんくま!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「キャ、キャンディー君!?」
キャンディーとれんくまは知り合いだったのだ。
「おう!久しぶりだな!」
キャンディーは片手をあげた。
「何年……ぶり?」
「俺がお嬢様の家に行く前だから、かれこれ5年くらいになるんじゃないか?」
「もうそんなに経つんだ!」
思い出話を始めた二人にイライラしてきたまなみは、低い声でこう言った。
「思い出に浸るんはいいけど早よ帰らなどんどん時間過ぎて行くんちゃうかったん」
「!!そうでしたお嬢様。れんくま、いつもの場所にお願いする」
「はいはーい、りょーかーい」
れんくまは巻いたばかりの絨毯をまた広げた。
「乗ってねー」
絨毯の上に乗った3人は、〈乗った〉ということを確認する間も無く、キャンディーの研究所へと運ばれた。
「いっつも思うけどお前やること早いよな」
キャンディーが笑いながら言った。
「な、何が起こったんですか…!?」
まなみは口をあんぐり開けてびっくりしていた。
「僕も二回目だけどやっぱりすごいねぇ〜」
キティーは辺りをキョロキョロ見回していた。
「だってやることこれしかないし…」
れんくまは人差し指をくるくる回しながら言った。
「まあ、ありがとな。助かった」
キャンディーがそう言うと、れんくまはにっこりと笑って、
「じゃあ、また!」
そう言って消えた。
「結局空間のはざまって何なんですか?」
「俺…私も研究中です」
「れんくまが一番謎だけどね」
「いやれんくまの正体は突き止めてある」
「!?」
一瞬びっくりして飛び跳ねたキティーは、キャンディーに詰め寄る。
「え!キャンディー!知ってるの!?教えて!教えて!教えて!れんくまって誰なの!?」
「それは後でもいいだろ。それより、今みんなが何してるか確認しないと」
「そんなことできるんですか!?」
キャンディーは研究所の鍵を開けた。
中はいかにも研究所、っぽく、薬の瓶などが大量に置かれていたり、大きなモニターなどがあったりした。
「こんなんだったんですね」
まなみが感心していると、キャンディーは《でんげん新薬》と書かれた瓶を取り出して、小さなビーカーに2滴垂らした。水を目盛りの一番下まで入れ、そこにモニターの電源プラグを入れる。
「こんなことしなくても普通にコンセントに差し込めばいいじゃないですか」
「建てる時面倒くてコンセントつけるの忘れました」
そう言われて辺りを見回すと、なるほどコンセントが無い。
ポチッ…
モニターの画面に起動画像のようなものが写った。
ポチポチポチ…
キャンディーは無言で操作していく。
「この飛行機だったよな…」
キャンディーがそう言った時、画面にすやすやと寝ているバナナとキールが写った。
「え!二人だけか?」
驚くキャンディーの横で、まなみはもっと驚いていた。
「ど、どうやってみてるんですか!これ!」
「これは簡単な仕組みで見れるんだよ、このモニターは…」
キティーが解説を始めた。
「ちょっっっと待った、ってことは他はみんな空間のはざまにいるってことか!?うぁー、れんくまに聞いとけばよかった!!」
→ → → → → →
「これは二人で観察しないといけないパターンだね」
しょぼくれながらバナナは言った。
「ヤッチマッタパターンダナ」
「ってかさ、なんでキャンディーのお父さん知らない子達も消えたんだろ?」
「サアナ。ソコラヘンナンカアルンダロウ」
「バナナ達には分からない秘密がまだあるんだね!」
ニコニコしながらバナナは言った。
キールは、こいつはテンションがころころ変わるなあと思いながら、バナナを見ていた。
「あと何時間かなー?」
「24ジカンクライジャナイノカ?」
「え!もう半日経った!?」
「トケイミテミロヨ」
キールはそう言って自分の懐中時計をバナナに見せた。
「本当だぁ〜みんなが消えちゃってからもう結構経ったんだな〜ってことは今、夜?寝とこーっと。じゃ、キール、おやすみー!」
そう言ってバナナは寝てしまった。
改めてキールはバナナのテンションについていけないと思ったのであった。




