【日常のあれこれ①】口にすると角が立つシリーズ「ギブアンドテイク」
「無償の愛」――それはとても素敵な言葉です。
ですが、その場限りの付き合いならまだしも、関係が長く継続していくのであれば、やはりどこかで「ギブアンドテイク」になるのではないか。私はそう考えています。
決してドライな意味ではありません。「何かをして貰ったのだから、お返しをしたい」という、純粋な感謝の気持ちのことです。
しかし、この「お返し」を相手に期待するようになると、途端に自分の心が重くなっていくのを感じます。
具体的に言うなら、それは相手から「ありがとう」の言葉が返ってこない時です。
「あぁ、自分はこれだけのことをしたのに、あなたは何も言わないんだね」
「こっちがやるのを、当たり前だと思っているんだね」
あれをした、これをした。あれをして「あげた」、これをして「あげた」。
もちろん、自分のためにやったこともあれば、相手の負担を減らしたくてやったこともあります。ですが、気がつけば「自分は相手に感謝されることを期待してやったのだろうか?」と自問自答しているのです。
私が求めているのは、自分がやったことと同じことや、それに見合うだけの何かを返してほしいわけではありません。
ただ、自分がしたことに対して、正当な応えとして「ありがとう」と言葉にし、労ってほしい。ただそれだけなのです。
「してくれてありがとう」「やってくれてありがとう」
その感謝の気持ちを言葉にしてもらうだけで、心はふっと満たされ、報われます。
「口にしなくても伝わるよ。長い付き合いなんだから」
「言葉にするのは何か違う。態度で示せばいい」
色々な考え方があるでしょうし、それを否定するつもりはありません。そういう表現方法もあるのだと思います。
ですが、人間にとって一番わかりやすく、真っ直ぐ届くのは、やはり「言葉」だと思うのです。
ただ一言、「ありがとう」。
それを真摯に伝えるだけで、関係は驚くほど円滑になり、心地よく続いていくはずです。
相手の行動を敬い、感謝し、態度で示し、そして言葉にする。
お互いが相手に対してそれを自然に手渡せる関係になれたなら、それは本当に素敵なことですよね。
真の「ギブアンドテイク」とは、物や労働の損得勘定ではなく、こうした「心の言葉の交換」のことではないでしょうか。




