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第一人者  作者: 近衛 キイチ
第六章
46/63

主導権

 偽者が率いる軍勢はレッタの包囲を続け、ゲルマネス率いる元キルキアの国民を主力としたパルミュラ軍は、蛮族の侵攻に怯えるラドベルに越境を拒絶されたために、大きく迂回してパルミュラに戻らなければならず、そのまま翌年まで冬営に入るとの報が入る。

 キュキュンベル伯領を通る中で多くの脱走兵に出くわす、その顔は痩せこけ血色も悪かった、それを見ただけでこの遠征軍はもうすぐ瓦解する事が予想できる。


 総司令官の陣営に入ると負傷兵の傷は膿み、天幕と天幕の間にはゴミが放置され、さらに死体と共に排せつ物も規定通り処理していないために悪臭がひどく、広場には水たまりやぬかるみができている、この様な不衛生な場所では助かるはずの傷も死に至ると思わざるを得ない、既に疫病が発生している様で彼方此方でうめき声が漏れ聞こえており、総司令官や貴族連中はこの状況を改善しようとはせずに、陣営を広げて自分達だけが清潔な場所に移っているという。


 陣営を出てからも凄惨な光景が広がっている、簡素な作りの絞首刑台には吊るされたままの死体が揺れ、その側には死体の山が積み重ねられており、そのどれにも拷問されたような跡がある。

 陣営に辿り着く事ができなかった負傷者の死体は放置され、中には踏み潰されて布きれの様になっているモノもある。

 脂肪の塊が叫ぶのか聞こえる、奴は櫓の上に立ち動きの鈍い兵卒に怒号を浴びせている様だ、弓矢の射程距離から離れている場所にも攻撃の市壁に取りつこうとする兵卒の中にも高位の貴族がいないのは、奉仕義務期間を過ぎたために帰国したからだろう、農兵の多くも貴族と共に帰国している上に、脱走や負傷などで大幅に人員が減っており、市壁を攻略するには兵の数そのものが足りなくなっている様に見えた。


 市壁が建つ丘の前に群がり突撃の用意をする兵卒達の側を通る、その際に自分に気が付いた小隊長と目が合う、彼は伝令兵を放つと数名の部下を率いて自分に近づいて来た。

「これは、これは、フーダン傭兵隊長の所で中隊長をしていたミリドーではないか、何故お前がここにいる、確か総司令官の命令で追放になったのではないか」

 自分の周りを兵卒が囲み小隊長が声を掛ける、その声色から獲物を見つけた喜びを必死に隠そうとしている事が判る。


 自分の行く手を塞ぐ兵卒が間合いを詰めると、自分は前方に手を向け言う。

「それ以上は近づくな、死ぬ事はないが途轍もなく苦しい思いをするぞ」

 目前の兵卒は自分の言う事が弱気から出た脅しと取ったのか、愚かにも右足を滑らして半身だけ近寄る、その途端に彼は胸を押さえ地面に倒れ苦しそうな息を漏らす、その場にいた全員が何事かと驚き一歩下がるが、小隊長だけが倒れた兵卒の生死を確認するために近づいていく、抱えられた兵卒は白目を向き口から涎を垂らし意識を失い掛けていた。

『ミーミン リアーヴ』

 その喉に噛み付いていたミーミンが離れた事で、兵卒は正常な呼吸を取り戻す。

「何を、何をしたのだ、今何と言った、どこの国の言葉で誰に話しかけた、こんな事をできるなんてお前は人間ではないな」

 悔しさと恐怖が入り混じった表情で小隊長は自分に問いかける。

「総司令官とフーダンついでにギノウスも呼べ、観客は多い方がいい」

 小隊長の問いには応じず、近くに在った岩に座り、恐怖で固まっている兵卒を伝令の代わりにする。

 


「ミリドーどうしたというのだ、この失神した兵の山は君の仕業か、こんな暴挙に出ずとも時期を見て君を呼び戻す積りだったのに、これでは総司令官の機嫌を損なうだけであるぞ」

 山になるほど積み上がった憲兵を確認するとフーダンは怒鳴った、彼はパミットとフラックスを従えていた。恐らく説得役として二人を連れて来たのだろう、フラックスが前に出ようとすると、先ほどの小隊長が制する。

「何をする、ミリドーは俺にそんな事はしない。そうですよね中隊長」

「いや、フラックス来るんじゃない、まだこいつ等と上手く会話ができないのだよ、幾ら機嫌が悪い今の俺でも、お前が苦しむ姿は見たくない」

「中隊長、貴方はこんな所で終わっていい人ではありません、生き延びていれば機会は又巡って来ます、お願いですから逃げてください」

 彼は自分が何を言っているのか理解できない様であったが、取り敢えずその場に踏みとどまり自分を説得しようとする。


「フラックスよ、我が隊の者に戦死者は出ていないか、あの総司令官の事だ、俺への腹いせに無理な命令をお前達に出していないだろうな」

 フラックスは涙ながらに頭を左右に振り否定する、それを確認すると少し心が平静になる。

「もう少し待ちましょう、これだけの憲兵を出しても捕らえられないと解れば、総司令官殿も自分で出て来るでしょう、出てこないのならば司令官殿に証人となってもらいます」

 こいつは何を言っている。と全員が思っているのが表情で判る、けれども詳しい事を説明する気にはなれないので、無視して再び岩に座る。


 辺りは未だに騒音や掛け声がけたたましく響き渡っており、こうやっている間にも、その人生を終えた者がどれ位居るのか。

「連隊長、兵に戦闘の中断を命じていただけませんか、総司令官が早く来れば来るだけ、この攻城戦の終結は早まり死者の数も少なく済むのですよ」

 フーダンは黙ったまま自分を見ている。その表情には怒りが見え隠れしていた。


「自分は焼け焦げた母の子宮から生まれたそうです。

 あらゆる教育を受けて育ちました、その日々は決して楽しいものではなかった。

 しかし今思えば、あれはあれで嫌ではなかったのかも知れません、けれども当時の自分は、自分に注がれる期待に応えなければならないという圧力、そしてその期待に応える事が不可能と理解して思い悩み、最後には塔に幽閉されてしまいました」

 自分が何を語っているのか判断できないのか、その場にいた者達は眉間にシワを寄せているが、それでも話しを続ける。

 塔が火事になり逃げ出した事、アンネリーゼと共にオスロまで旅した事、船乗り見習いとして最後の航海で船が難破し四年も漂流したこと。

「死ぬ思いで家に帰ったのに、アンネリーゼは国に帰り、拒んでいた相手の許に行き自分とは別世界の住人に再び収まっていた。

 人生をやり直そうと傭兵に就き、栄光を追い求めた途中で裏切られこの有様。

 おまけに漂流した先で世話になった恩人は、自分の無計画で無責任な行いのせいで無残に殺されていた。

 自分の今迄の行為が間違っているのでは、自分の今迄の行為は何だったのか、塔に幽閉されたまま死んでしまえばよかったのでは、そう思うのですよ」

 総司令官が来るまでの間の退屈しのぎに自分は過去を振り返る、目の前に立つ人達に説明する様に。


 想像できない。と言葉に発してフーダンは首を捻り、それから一呼吸置き言う。

「その話は君の妄想か、にわかに信じられないな、もしも事実ならば情念を懐き続けるより、酒と女でそんな事は忘れてしまえ、別の楽しみを見つける事の方が人生楽しいだろう、君はまだ若いのだから、これから先も人生は続く、生きていれば過去の事等どうでもよくなる日が必ず来る、安心して気楽に生きろ」

 フーダンがそう言い終わると同時に、輿に乗せられこちらに来る脂肪の塊の姿を認識する、自分はもう一人のアーベルの目を見据えながら言った。

「連隊長殿それは無理です、あの頃の自分は幼く考えも拙かった、何よりも自信がなかった、しかし今の自分は全てを理解した上であの時の行動は正しかったと思っています、自分が正義と信じ自分以外の正義を認めない、自分以外の他人を見下す様な者に成らなかった事に、その道を選ばなかった幼き頃の自分を褒めてやりたいくらいです」

 自分の視線に気が付き、怒りを表し何事かを叫ぶ総司令官を無視して市門に向かい歩く、観客は揃ったがこれでもまだ準備が整っていない、この喧騒では十分な効果が出ない、こういう事をするには雰囲気が大事だ。

 小さな声で唱えると、雲一つない晴れ渡った空から雷鳴が響き渡る、戦場にいた誰もが驚き手を止めて上を見る。


 戦場が驚きで停止している内に、自分は市門の手前まで来た。

「我が名はアービエル・ネイ・レムリニアス、母の身を焼く業火を産湯に浸かり、キュキュンベル伯を名付け親に持つ、人は我を予言の者と呼ぶ、人は我を救世主と呼ぶ、もう一度言う、我が名はアービエル・ネイ・レムリニアス、人類の希望、人類を照らす光、それが私だ。

 今すぐ降伏し、食糧と身代金を渡せば命は保証しよう、奴隷として捕らえる事もしない。

 しかしこの要求を拒むと言うのならば、お前たちの財産は全て略奪された挙句その都市は灰塵のとなり、娘と妻は凌辱され残りの人生を奴隷として過ごすだろう」

 市門を護るために市壁の上に居る兵士に向けて言い放つ、しかし、兵士達は自分をせせら笑いながら言った。

「これは妙な話だ、予言の者が二人も存在するなんて話は聞いた事がない、十日前か、いや二十日前か、そうだ、そうだ、半年前も俺たちの元に自分がレムリニアスと名乗る男が来たぞ、そいつは俺たちの首を刎ねると宣言していたが、俺たちの頭はこの体に乗っかったままだ。

 これでは俺達は誰の言う事を聞けばいいんだ、本当にお前が予言の者なら、偽者を如何にかしてくれよ、これじゃどちらの言う事が真実か判らないじゃないか」

 本当に予言の者が存在するのならばの話だがな。最後に市壁の上に立つ兵士の一人が付け加えた、他の兵士と共にとても人を馬鹿にした表情で笑い、それに釣られて周囲の兵卒共が笑う。

 それでいい、ここで降伏されては見世物にならない。


「お前の判断だけでこの都市の全市民の運命を決断していいのか、お前にその責任を取る覚悟があるか、お前には全市民の命を背負う覚悟があるのか、ならば――」

 自分が話している途中、市壁の上から放たれた矢が足元に突き刺さる。

「くどい、我々は神に誓ってこの門を開ける事はない、たとえ予言の者であろうと我々の都市を落とすことなど不可能なことだ、命が欲しければさっさと消えろ、次は心臓を打ち抜く」

「本当にいいのか、お前は必ず自分の言葉を後悔する事になるぞ」

 遠くが騒がしくなり始める、この場所で何が起きているのか分かっていない兵卒が雷鳴の衝撃から立ち直り、戦闘を再開しようとしているからだ。

 後を追い掛けて来たフラックスが櫓の影から何か言うのが聞こえるが、兵卒の放つ怒号の中に消える、偽アーベルは矢が届かない距離を保ち怒鳴っている、フーダンとパミットは自分の方を見ている、その表情は判らない。


「ニシーカレヂデルティース ノンインテーリジェティス フィアトエウスティティア エトピリアティームヌンヅス リミティアートレス セルヴムペクウス グラディウス アディコンティルティオルツァ」

 注目を集めるために、意味のない言葉を唱えて重厚感を醸し出させる、大きく腕を振り祝福した剣を鞘から抜き出し、これまた大きく大げさな動作で空を切る。

 鉄で補強された跳ね橋とその後ろにある太く巨大な鉄の柵で護られていたレッタの市門は切断され、轟音と共に壕の中に崩れ落ちる。

 ある者は持っていた剣と盾をある者は構えていた弓を静かに下げ、土嚢を持って走っていた者は立ち止まり、櫓に居た者とそれを動かしていた者はその手を止める、まるで時が止まったかの様に、市門が崩壊する様を見た全ての者は動きを止めた、何が起きたか理解しようと考えたが、一部の者が恐怖に襲われて逃げ出そうとするとそれが伝染し戦場は混乱に陥る。


 遠くからフラックスがこちらを見ているが近づこうとはしない、フーダンとパミットは目を見開き驚きを隠せないでいる、二人の前を通り過ぎ、輿に乗ったまま立ち上がり唖然とした表情をしている偽者の前まで歩いた。

「何を見ている、何の権限があって俺を見下ろしている、お前が如き道化が俺を見ている、レムリニアスの生まれ変わりであるこのアービエルを見下ろす。

 お前は何者だ、醜く太り自らの足で歩く事もせずに世界を救うと発したお前は何者だ、レムリニアスの名を穢す数々の所業をお前に正当化する権限などない、お前は単なる人だ、何の意味もなく生まれ、何の意味のもなく死に往くちっぽけな存在だ」

 そう言うと輿を担いでいた下僕達を睨む、その内の一人が怯えた声を発して逃げ出したために、偽者は地面に背から落ちうめき声を上げる、他の三人も輿を投げ出し逃げ出す、地面に落ちたもう一人のアービエルは自分では起き上がる事ができずに、赤ん坊の様に這いつくばりもう一人のアービエルを見上げる、その姿は哀れであった。

「それとも道化を演じているだけか」

 この者愚かな行動をコーネスはどう考えているのか、それすら予定していた事なのか。

「我が輩がアービエル・ネイ・レムリニアスであるぞ、お前こそ魔王は遣わした偽者であろう」

 偽者は這いつくばった姿のまま、震える声を抑えながら引きつった顔で言う、その姿を鼻で笑うとフーダンの方を振り返る。


「連隊長殿、隊から金銭に誠実な者を集めてください、今起きた衝撃から目が覚めれば、あの都市の住民も先ほどの条件を呑むでしょう、そうですね、無産階級の男ならば四百ギー、女と老人は九十ギー、子供は二十ギー、有産階級は資産を確認した後に金額を決めるとして、金が足りない者には借用証を作成します、集めたその金で貴方とギノウス、それにまだ残っている騎士達も雇いましょう。

 進軍する先々に在る都市でも同じ条件で開門させる積りです。

 もしも彼らが降伏しないのならば、あの都市にある全ての金品、それに捕虜にした市民を売った金で貴方を雇いましょう」

 フーダンは自分の目を見ない様に顔を斜め上に向けている、その事から確信が持てなくとも自分を予言の者である可能性が高いと思ってくれているようで、そんな彼を認識しつつ話を続ける。

「一先ずの目的地は、ヴェツアークまで行く事です。

 契約期間は来年の春までの百八十日、給料は今まで通りの値とし、給料の支払いは三十日毎とします。

 貴方の雇用期間もそろそろ終わる頃でしょう、ならば配下の兵卒のために新たな雇口を探す手間が省けたと言うものではないですか」


 自分の提案にフーダンは少し考えてから言う。

「それは分かったが目的は何なのだね、単純にヴェツアークまで旅行する積りではあるまい。

 いずれにしても何故君は先ずパルミュラ王の許に行き、自分が誰であるかを王に認めさせなかったのだ、そうすればこの様な大層な事をせずに王の命令で軍勢が手に入るだろう。

 今の君がやっている事は、パルミュラ王の評判を下げた上に、王の軍勢をかすめ取ろうとしている事に他ならないのだよ、君程の男ならばそれを実行した時にどのような結果になるのか、それ位の事は分かっているだろう。

 後、ヴェツアークに行くまでの補給はどうするのだ、何か当てが在るのか」


「自分は王の所有物ではない、育てていただいた恩義は一応はあるものの、自分は誰かのためにライオネルと戦う積りはないのですよ。

 自分は自らの責任と能力でライオネルに対峙したいのです、コーネスの名誉や権威を高めるために自らの命を賭ける積りもないのです、ですから王から与えられた戦力を使う事はできません。

 そして、そう思った時、自前の軍勢を集めるにはこの方法しかありませんでした。

 それに、実はここに戻って来る前にキュキュンベル伯の許に行き和平を結んでいます、そして伯から食糧支援の約束を取り付けているので、明後日には食糧が到着するでしょう。今まで戦って来た敵との約束が果たされるかとても不安に思うかもしれませんが、伯は自分に協力できる事がとても嬉しいようで、必ず食糧を運んで来る事でしょう。

 ランツの貴族は奉仕期間を過ぎて既にネルツヒト経由でヴェツアークを脱し、ランツ王も冬営するだけの食糧が足りないために撤退に移ったそうです。

 パルミュラと戦う様な事も一先ずはありません、我々が相手にするのは当地で解雇された傭兵達でしょう」

 伯を説得した事にフーダンは驚くが、先ほどの光景を思い出してか、少し頷く。


 騒がしかった戦場が静かになり始めた、この場所で起きた変化が伝わったのだろう。考えが纏まらなかったフーダンだが、西に在る自分の陣地の方角を見ると、彼は何時も決断する時と同じ様に太腿を叩き言った。

「よし分かった、あと十日でパルミュラ王との契約が切れる、その後に君の支配下に入ろう。

 但し、六十万ギー分の現金か金品をこの都市から徴収させてもらう、さらに保証としてこの都市から徴収される二百二十万ギー分の借用証に債権者として私の名を記入し、これらか行く都市ごとに借用書の権利を一割をもらう」

「解りました、しかし貴方の取り分となる借用証は、負債者の身分を伏せた状態で選んでもらいます、金品の鑑定に就いては我が隊のポートルコ市民に一任させてもらいます、ギノウス殿にも同じ条件での説得を頼みます、残っている貴族の連中には、同じ額の給料を払う事のみを伝えておいてください」


 フーダンと握手を交わして契約が成立すると、早速パミットが自軍の中隊長たちに事情を説明するために陣営に戻り、中隊長の代わりにフーダンの護衛として、遠くでこちらを見ていたフラックスを呼び寄せる。

 自分はフラックスに声を掛けるが、彼の返事はぎこちなく下を向いたまま、この場に居る事が苦痛なようで殆ど声を出さずに頷くばかりで、自分からの一方的な話が終わると彼は自分の側を離れた。


 フーダンは言葉を選びながら自分に訊ねる。

「しかし、まぁ…… それで君は一体何者なのだ、市門を破壊したあの力は偶然がなせる業ではあるまい、だからと言って、君が本物の予言の者である証拠にはならない、もう少し君が本物のアービエル・ネイ・レムリニアスである事を証明する材料はないのかね、私としては君が何所の誰であろうと構わないのだが、金の支払いさえ滞りなく済めばね。

 しかし今回の戦役で集まった兵の中には、予言の者が率いる軍勢に参加できると思い従軍している者ものも多くいる、兵卒達全員を納得させるには、先ほどの力をもう一度彼らに見せてやる方が早いと思うのだが出来るのかね」

 自分は勿論と答え。

「そうでなければ、戻ってきたりはしませんよ」


 今それを示してほしそうなフーダンであったが、自分その意を理解しながら無視した、これ以上必要ない事で小さき者達に命令を出したくはない、強制的に従わせておいて勝手な言い分ではあるのだが。

 自分にはその積りがない事を感じ取ると、フーダンは何度か頷き、少し笑いながら言う。

「年齢を偽っているとは思っていたが、二十歳幾許もないとは、道理で顔つきが若いと思った」

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