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北村湊斗は忘れていなかった
それは“ここ”にいた谷佑樹が出て行った時の事だ
佑樹は、亡くなったはずの奥さんがバケモノに変わったと言った
バケモノは人間が死後、体内で何らかの変化をし、形を変えたモノだという事
蓮華が斬ったバケモノの腕は、かつては人間であったモノの腕という事になる
それを知った蓮華は、動揺した
激しく動揺していた
その時の蓮華を間近で見た湊斗
「・・・俺にもっと“力”があれば、俺が全部やるんだけど」
そこまで言って続きが出てこない
言い出せずにいた
「湊斗さん、大丈夫です。わかってます」
蓮華は真っ直ぐに湊斗を見つめた
「私が、やりますから」
はっきりと、澄んだ声で宣言した




