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翌朝、やはり蓮華は朝早く目が覚めてしまった
叔母の家で一人で過ごしていた時の習慣のようなものが、抜けずにいたのだろう
2階のリビングに降りた時、1階に降りていく人影を見かけた
「えっと、確か、谷さん、だっけ? 物静かな人」
谷佑樹だ
「谷さんも早く目が覚めちゃったのかなあ」
のんびりそんな事を呟きながら、リビングに入る
テーブルの上にある1枚の紙が目に入った
その紙には丁寧な文字で
『お世話になりました 谷』
それだけが書かれていた
「え、うそ、書き置き?」
慌てて1階に降りて、門へ向かっていた谷佑樹に声を掛ける
「ま、待って、待って下さい。どこに行くつもりなんですか?」
腕を掴んで引き留めると、虚ろな目で振り向いた




