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その日の夕食
昨日は“ここ”に着いたばかり
自分一人の食事ではなく、久しぶりに誰かと一緒に食べるという事実だけで嬉しかった
1日経ち、少し落ち着いた心境で周囲を見ることが出来る
“ここ”にいるのは、年齢も上は50代、下は10代とバラバラだ
女性は蓮華を含め6人、男性は8人
食事中も話をする人もいれば、ほとんど下を向いた状態で無言で食べている人もいる
ルイや慎次郎が話題を振り、それに対して会話が進む、というのが多い様にみえる
その2人が話題にするのも、おそらく意識して暗い話題は出さない様にしているのではないかと思えた
“ここ”でこうして誰かとご飯を食べられる喜びや幸せを感じた蓮華
しかし、同時に本来ならば一緒に食事をしているはずの両親がいない事実に打ちのめされる
両親とは一緒に食事をするどころか、おそらくは二度と会うことすら出来ないだろう
“ここ”にいる全員が、多かれ少なかれそういう思いを抱えているのであろうと思った




