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「出来レース」「審査の方法がおかしい」と嘆く人へ

 コンテストの結果発表があるたびに、結果に納得できない人が現れます。


「これは出来レースだ」

「審査の方法がおかしい」

「なんであんな作品が入選しているんだ」


 悔しい気持ちはわかりますし、人と比べてしまうのもわかります。

 しかし、結果は結果、事実は受け止めるしかありません。

 そもそも出来レースをやるメリットとは何なのでしょうか。


【「出来レース」をやる意味は?】

 すでに入賞作品が決まっている、結果が決まっているコンテストなどのことを「出来レース」ということがあります。始まる前から結果が決まっているのであれば、入賞できないことが決まっている参加者たちにとっては大いに腹立たしいことでしょう。そういうものは許されるものではありません。

 ところで、「出来レース」をやることによって、主催者側にどんなメリットがあるのでしょうか。

 考えられるのが

・身内や関係者をデビューさせるため

・有名人を入賞させることによる売名行為

・実際は支払う気がない賞金の回収

 などなのですが、本当に出来レースをやってばれてしまうと、その賞の信頼度が大きく低下することになりますし、主催する側のリスクが大きくなります。従って、デメリットを大きく上回るメリットが存在しなければ、出来レースなどやる意味がないのです。


【審査方法がおかしい?】

 結果発表された後、入賞した作品を読んで納得できないこともあるでしょう。

 どう考えても自分の作品(あるいは入賞できなかった他の作品)の方が面白い、文章力がある、質が良いと感じるのにこの作品が入賞したのか、何か裏があるのではないか、そう思うこともあるでしょう。

 しかし、審査する人もいい加減に審査しているわけではありません。賞金や賞品を出す以上はそれらを与えるにふさわしい作品を選ばなければならないし、ましてや書籍化するのであれば売れなければ大赤字になってしまうため、真剣に審査していると思います。

 また、コンテストには目的があり、出版社にも得意なジャンルと不得意なジャンル、出版社におけるカラー、特徴というものがあります。それらにそぐわない物は(新しくチャレンジする場合を除いては)入賞できないでしょう。いくら出来の良いファンタジー作品で入賞を狙ったとしても、ホラー小説を対象としているコンテストでは入賞できないでしょう。


【どうしても賞の審査に納得ができない人へ】

 どうしてもコンテストの審査に納得できない人は、自分が審査員になって、作品を選ぶ立場を経験してみると良いと思います。大きな賞の審査員にはなれなくても、個人的なコンテストを開催している人はいるので、そこでの審査員になるという方法があります。

 私は2回ほど個人のコンテストの審査員の依頼を受けたことがあります。審査員をしていて思ったことは、「自身が良いと思った作品でも、他の人からはあまり評価されない場合が多い」ことです。逆に「自分では評価していないものが評価されている」というケースもあります。そのくらい、個人の主観が入り、人によって評価がばらけるものです。

 審査員に依頼されるためには、まず様々な作品を評価し続けること、そしてそれらの評価が客観的であると判断されることが重要になります。当然個人の主観は十分に入ると思いますが、他の人から見て「客観的に評価されている」「公平に評価している」と思われなければなりません。

 そういった評価を続けていると、個人的なコンテストを主催している人から審査員の依頼が来ることがあります。

 そのような機会が無い場合は、自分でコンテストを開いてみると良いでしょう。賞金は出せずとも、そういったコンテストみたいなものを開催することで、評価してほしい人が参加しますし、自分も評価する側にまわることができます。


【客観的な審査は難しい】

 そうはいっても、審査側に回ろうとしない人が多いというのが事実だと思います。なにしろ審査をする場合、責任がついて回ります。

 結局結果に文句を言っている人は、責任がない領域から愚痴を言っているだけで、自身が誰でも納得できるような審査能力を持っているわけではありません。

 どのように客観的に見たとしても、どうしても自身の主観が入りますし、万人に納得がいく結果にはならないでしょう。結局は主催者が決めた審査基準で決めるしかないわけです。


【自分でコントロールできないことに時間を割かない】

 入賞作品に納得がいかなくても、入賞作品はコンテストの主催者や審査員が決めることです。「そういう基準で入賞作品を選んでいる」としか言えないし、「あなたの作品はその基準に達していなかった」としか言えません。

 とても大きなコンテストで、そのコンテストのためにずっと前から準備し、書き続け、推敲を重ね、完成させた作品が落選すると、残念に思う気持ちはわかります。また、コンテストに落選すれば、自身の作品を否定されたような気持にもなるでしょう。

 ただ、審査基準が分からない以上は自分のできることは限られますし、運の要素も絡んできます。自分の作品が良い出来だとしても、それ以上の作品が異常に多く参加していれば入賞は遠のきますし、出来があまりよくなくても良作が少なければ入賞の可能性が高くなります。


 自分でコントロールできないことに文句を言ったり愚痴を言ったりしても、何も改善しません。そんなことよりも、自分ができる行動をしていく方がよい時間の使い方になるのではないでしょうか。

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