お友達制作
『お互いの好きなところは?との事です』
《きたきたきたきた》
《こういう質問を待ってました》
「えっ、可愛いとこ、ですかね」
『そうですね、私もママの可愛いところが大好きです』
《あれ⋯?》
《一瞬で終わったが??》
《冬先生、もうひと捻りをどうか》
「え、えぇ⋯⋯」
夜空さんの好きなところ⋯⋯まだあまり仲良くなっていないし、難易度高くない?
「うーんと、諸事情でしばらく活動できてない時に定期的にメッセージを送ってきてくれた思いやりとか、ですかね⋯」
見た時は罪悪感で凄かったけど、正直嬉しくないかと聞かれればめちゃくちゃ嬉しかった。
だって、メッセージする相手いなかったし。
『私が話したかったからそうしたんです。むしろママの迷惑にならないかとハラハラしてたりしたんですよ?』
「迷惑とか思ってもみませんでした、その⋯連絡を取り合う人いないから嬉しかった、です」
《そうそうそうそれをみたかった》
《冬先生の照れ声かわいい》
《冬先生はやっぱこっち側だったんだ》
おいそれ絶対友達いないこと煽ってんだろ。
『そういえば、ママはいつまで私に対して敬語なんですか?』
「え?」
『1回タメで話してくれませんか?なんだか距離を感じますし⋯⋯ね?ママ』
タメで話したらわんちゃん男らしい話し方が出ちゃったりするかもだから、あんまりしたくないんだが⋯でもタメの方が夜空さんが話しやすいって言うなら仕方がない⋯?
「こ、これでいいのかな?」
『はいっ!嬉しいです、ママ!』
こんな喜んで貰えるのならやぶさかでもないかもしれない、ある程度口調は抑える必要あるけど。
「そ、それでこの後は⋯」
『うわぁ⋯ママがタメ語してくれると思うと涙が⋯⋯じゃなくて、次の質問はですね──お互いの趣味との事なんですけど、ママは絵を描く以外に趣味はありますか?』
「あーっと、猫とか?」
《草》
《みんな知ってるんよ》
《絵と猫以外ないんか冬先生》
『そうですよ?ママ。 私も含めてそれは十分見させてもらってますし、読書とか他の趣味とかはないですか?』
「他は特にないかも⋯⋯」
外に遊びに行くほど陽キャじゃないし、家出てきそうな趣味⋯⋯料理とか楽器とかも出来ない。
『そうなんですか?じゃあ料理とかどうですか?ママに似合いそうですし、もしあれでしたらお手伝いしますよ?』
「いやそれはちょっと」
《即振られてて草》
《2人で料理してるのを想像すると⋯イイ!》
《俺の夢、決まったよ⋯》
うぅ、タメが慣れない。 最近ほんとに俺って人間関係でよく頑張ってると思うし、ご褒美が必要なのではないだろうか? いや、絶対いる。
『私はみなさん知っての通りショッピングやカフェ巡り、料理とか好きです』
「だから料理勧めて来たんですね」
『ママ、敬語出ちゃってます』
「アッハイ⋯じゃなくて、うん」
料理、料理かぁ⋯以前してみた時は分量とか分からずやってたから味が濃すぎたり薄すぎたりしてからやってないな、コンビニ弁当、最高⋯!
『うーん⋯⋯』
「ど、どうかした?」
『いえ、今思うとありなのかと思いまして。ママ、一緒にお料理しませんか?』
「⋯はい?」
《みたいみたい!》
《めちゃくちゃやってみて欲しいから頼む》
《オフコラボまじ?》
『みなさんも楽しみにしてくれてるみたいですし、私もサポートしますから、1度やってみませんか?』
「まじですか⋯⋯」
一緒に配信をするのはもう良しとしよう、でも⋯
どちらかの家で二人で配信とか、やばくない??
俺緊張で死ぬんだが?って最近俺緊張することしかしてないな⋯⋯。
『あとですね、私達、お友達になりませんか?』
「え?いいの?」
『そもそも私、友達だと思ってたのにママが知り合いだなんて言うから裏切られた気持ちで配信していたんですよね』
「裏切りて⋯⋯」
《そうだそうだ》
《もっと仲良くなってけ》
《冬先生はそこら辺鈍そうな気配を感じる》
鈍くない⋯鈍くないが?だって俺人と話すことすらままならない陰キャだぞ、友達なんて夢の話でしかなかったのに。
「私の方からも、まぁ友達になってくれると嬉しい、かも⋯⋯?」
『ふふっ⋯ママってツンデレさんなんですか?』
「ツンデレちゃうわ!」
口を滑らせながらその後もマシュマロを焼いたり雑談をしたりで俺の人生初のお友達完成と共に配信を終えた。




