第19話 新幹部マイナス
「ふぅ…聖獣ウルフの件以降も相変わらずハカイダーは暴れていて大変ですね…。ですが一番大変なのは戦ってる皆さんなんですから弱音を吐いちゃダメですね!」
聖獣ウルフの件から一週間。相変わらず街にはハカイダーが現れ暴れていた。ウルフの件の疲れがまだ抜けきっていない美咲はアジトの自分の席に深く腰掛けて深く息を吐いた。
「そういえば最近ヒイトさんに会ってないな……」
ヒイトのことを思わず考えてしまい、最近会えていないと無意識のうちに美咲はため息をついた。
「だ、だめだめ!落ち込んじゃダメですね!気分転換に少し外を散歩しましょう」
ずっとアジトにこもっていた美咲は気分を変えるため外へ出た。今日は店の定休日の為豊凱は残りの聖獣の調査の為外出している。なのでもしもの時の為に美咲はアジトに残っていたのだ。美咲は気分転換の為に少しだけ外へ出ることにした。
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「ん~!外に出ると気分がいいですね。だけど少し暑くなってきました」
最近日差しが暑くなってきたことに少し憂鬱になりながら散歩していた。特に目的もなくただぶらぶらしていた。
「あ、お前」
「へ?ぇあ、あ!!ヒ、ヒイトさん!?」
「あ~よぉ」
「ど、どうしたんですか!?」
たまたま美咲を見つけたヒイトが声をかけると美咲はあまりに突然のことで声が裏返ってしまった。何とか平静を保とうと何とか自分を落ち着かせながらヒイトと会話を交わす。
「まぁ見かけたからな」
「そ、そうなんですか」
「……お前って普段何してんだ」
「へ?普段ですか?え、えっと……」
アニマルジャーの活動のことを正直に話すわけにもいかないが、いい言い訳も咄嗟に思いつかず言葉に詰まってしまった。そして少し考えたあと言葉を返した。
「ち、父がカレー屋をやってまして。その手伝いをやってるんです」
「カレー屋……そこはどこでやってるんだ」
「えっとあっちの方の……」
ピピピッ!!
「!すみません!私急用ができてしまって!またどこかで!」
ハカイダーの出現を知らせるレーダーの音がなりすぐに美咲はアジトの方へ戻る。せっかくのヒイトとの再会を邪魔された恨みを心の底で抱えながら美咲は走った。
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「皆さん!ハカイダーが出現しました!位置情報をすぐに送ります!」
美咲はアジトへ戻り、5人にハカイダーの出現を知らせるために連絡をし、大きなモニターに出現したハカイダーを映し出した。
「ハカイダーが2体!?だけど…ひとりは全く動いてない…一体どういうこと?」
街に現れたハカイダーは珍しく2体。だがひとりはいつものハカイダーのように街を破壊しているが、もうひとりは何もせずにただ街を破壊してるハカイダーを眺めているだけだ。
「なんだか不気味ですね…嫌な予感が当たらなければいいですが…」
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「やめろハカイダー!!」
「やっと来た…待ちわびた」
「くらげ?」
5人がハカイダーの出現した場所に着くとクラゲのような見た目をした女型のハカイダーが待ちわびたように5人に目線を送る。
「私はマイナス。ハカイダーの新しい幹部」
「新しい幹部ぅ!?」
「そんなこともあるんですね」
「私の実力をプラス様に示すために戦えアニマルジャー」
「当たり前だ!」
鮫原がマイナスにとびかかったがマイナスは身を翻して簡単に攻撃を躱した。
「戦うのは私じゃない」
「さっき戦えって言ったじゃん!」
「そうだそうだ~!」
「私が戦うと一言も言ってない。戦うのはこっち。来いマリオネットハカイダー」
「…………」
今まで町を破壊していたもう一人のハカイダーがマイナスに呼ばれるとすぐにそばへ駆け寄った。
「なんだか不気味な奴…」
「まるで生気を感じられない」
マリオネットハカイダーは今までのハカイダーと違いアニマルジャーやその他一切のことに興味を示さず何にも反応しない。唯一反応を示すのはマイナスの言葉だけだ。
「いけマリオネットハカイダー!」
「…………」
「うわっ!急に動き出した!」
「みんな気を付けて行こう!」
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「あのマリオネットハカイダーってなんなのさ」
「感情を持たず、自分から動くこともできない失敗作ですよ」
遠くから戦いの様子を見ているプラスとエアーシュ。エアーシュですらあの不気味なハカイダーマリオネットハカイダーの存在についてはよくは知らない。
「昔ヒートがパワー全振りのハカイダーを作ろうとしたのですが、その時思考力すらもパワーに振ってしまった失敗作なのですよ」
「ふーん。じゃあなんで今は動いてるのさ」
「思考力がないとはいえ脳はあるんですよ。マイナスの微弱な電気で脳を刺激しマリオネットハカイダーを動かしているのです」
「なるほど。つまり今回は実験ってことね」
「そういうことです。聖獣を操れるほどの技術を持ち合わせているか試しているのですよ」
「ちなみにヒートはどこに行ったのさ」
「また人間界で遊び歩いてるようですよ」
「そう。まぁ好きにさせとけばいいんじゃない。今はヒートの力は必要ないんだし」
「働いてるのほとんど私たちだけじゃないですか」




