15話
…凄く嬉しい筈なのに心が重い
それは私がいつまでも引きずっているからだろう
あの日を、あの過去を
「私が…私が、陰険な女ならどうします?」
…怖いの
「私はいつでも避けて通れるのに…居座っているんです、甘い汁を吸っちゃう様な、卑怯者だとしたら殿下は嫌気が差しますか?」
…怖いの
自分の本性が、嫌われる事が…
でも、騙している様で耐えられない
秘密なんて知らない事なんて沢山ある
全部話す必要が無い事もわかってる
だけど、自分だから許せない
ただ、楽になりたいだけかな
罪悪感で押し潰されそうで苦しい
声が震えてしまう、怖いから
怖いけれど聞かなきゃ…押し潰されてしまう
少しの間さえ怖くて息を呑むが
聞こえてきたのは凄く穏やかな優しい声だった
「…それでも俺は君に凄く助けられた」
……助け、られた?
私は何もしていないのに
「だから、嫌いになんてなれない」
「…そう…ですか…」
…本当に?
「嫌いになるどころか…私は君が好きだ」
きっと、過去を聞いたら
殿下は本当に優しいから困らせてしまうんじゃないかな
嫌になるんじゃ無いのかな…
少なくとも好きには…ならないと思うの
踏み込むと傷付くから拒絶されたら怖いから
断ろう、と思うのに声が出ない
「……」
だけど、今、過去を伝える勇気も無くて
必死に笑顔を作る
本当狡い奴ね、私
私はいつも逃げ出したい
何で胸を張って歩けないのかな…
「返事はいつでもいい……待っている」
…私は、どうしたいのだろう…
どうしたらいいのかな…




