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14話


ギャレット殿下と共にバルコニーへ出ると

庭の綺麗な植木や花が暗闇で薄ら見え

空には星が輝いていた


外は肌寒く長いはしない方が良さそう


風が吹きぶるるっと肩を揺らすと

殿下がジャケットを掛けてくれた

こういう事は慣れてないのでどう反応していいのかわからない


もう()()()だったのに…



「…ありがとうございます」


ついつい色んな感情がごちゃ混ぜになり

思わず涙が目に溜まってしまう


景色が綺麗だとか殿下に気遣ってもらったとか

ロマンチストな理由では無くて

優しさを返せない事が

ただ、ただ、不甲斐なくて悔しかった


さっき、直ぐに言葉が出てこなかったこと

意気地が無くて嫌になる

後になって、ああ言えば良かったって

後悔する所は変わってない

私は何も変わってないんだなって

ぐっと手を握り締め唇を噛む


「…すまない」


殿下の声にはっとすると

少し寂しそうな顔をしていた


「い、いえ、すみません!お役に立つどころか…疫病神みたいですよね」


私が酔わなければ起きなかった事かも知れない

無駄に傷付けなくて済んだ筈だ

言っていて悲しくなり語尾が下がってしまった


自分で本当にその通りだなって改めて思う…


顔を見れず俯いていた私の頭にさらりと

何か触れると優しい声が届く


「そんな事は無い」


顔を上げるとギャレット殿下は真剣な面持ちでこちらを見ていた


そんな事は…ある、大ありだ


先程溜まった涙を流すまいと

必死に耐えた


今泣くのは狡い気がするから

頼ったら、逃げたら駄目だと思う


「突拍子も無い事をしてご迷惑をお掛けしてばかりではありませんか」


「…そうだな、毎回驚かせてくれる」


「ですよね…」


少しズキンとした気持ちを外に出さない様にと

笑顔で応える

自分勝手な気持ちにゲンナリした


「ただ、迷惑などと思った事は無い

簡明直截で好ましい」


思っても見なかった言葉だった

責められても仕方がないと、思っていたのに

でも責められる事が怖かったのも本心で

愛想をつかされ、嫌われる事も怖かった


さっきは落ち込んだのに今度はホッとしている自分が居る…本当馬鹿


「…殿下が恥をかいてしまわないか心配です」


「恥か、それは困るな……なーんてな」


「……え」


「……冗談だ」


「…ふふ、ふふふ…冗談言うんですね…というか、なーんてなって」


「…幾らでも笑ってくれていい、それに少しくらい困らせてくれ」



「え?」



「好意を寄せた相手から頼って欲しいと思うのは自然な事だろう」



「で、んか?」



「君さえ良ければこのまま婚約者で居て欲しい」


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