過去の話
第二王子で王太子のハリーは兄のギャレットとは腹違いだ
王は十七歳、王妃は十五歳で結婚をする
始まりは政略結婚だが二人は愛し合う
しかし八年間、子が出来無かった
王が二十五歳王妃二十三歳の時
当時十六歳のレイラを側室として迎え半年で懐妊
第一王子殿下、ギャレットが誕生する
更に五年が経った時
王が三十歳、王妃が二十八歳で懐妊
その子が第二王子で王太子のハリーである
ギャレットとは六歳差だ
更にニ年後
王様が三十二歳、王妃は三十歳で懐妊
第三王子殿下デーヴィドだ
ギャレットとは八歳差、ハリーとは三歳差になる
王妃とレイラは仲が悪かった訳では無い
歪み合う事もなくレイラは分相応に過ごしていた
ギャレットを王太子にする気など微塵も無く
静かに穏やかな未来を望んでいた
しかし、今から二十年前ある事件が起こる
ハリーが三歳のお誕生日を迎え
数ヶ月が経った頃だった
レイラとギャレットを乗せた馬車が奇襲を受けたのだ
何故ならこの頃
第一王子が王太子に選ばれるのか
王妃の第一子が王太子になるのか曖昧だった
建国以来第一子は全て王妃の子だ
故に戦死や病気等の理由が無ければ
第一王子が王の座に就いていた
もしもギャレットが不適応ならば
また違う未来があったかも知れない
しかし
ギャレットは文武両道であった
九歳にして品行方正
健康で非の打ち所が無かった
ハリーは幾度か病に罹ったが
元気に三歳を迎えた
その頃から不穏な雰囲気が漂っていた
一部の者はギャレットが邪魔だったのだ
事件中、側室レイラは死亡し
ギャレットは生き残るも顔に大きな傷を負う
そしてその傷は切傷や火傷とも噂され
内内に王妃の刺客が殺し損ねたとの噂まで立った
ギャレットは皆に避けられる様になる
誰も王妃を敵に回したくは無い
真実は別にあっても関係は無いのだ
目に見えているものが本物なのだ
要は巻き込まれ無ければ良いだけだ




