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英雄クルガのかわりに送られた男  作者: ウドン9191
10/22

それぞれの日常


 「貴様」

見事なほどに痕跡はない・・・・


 此処が拠点だったとは思わないだろう・・・・

赤いコート黒のバイザー・・・・


 ロウドオオモノ着用のベンノ・・・・


 「騙したな」

「此処にあったんだって」

「シズカを連れて逃げたのでしょう」



 マスクにマントのヘルガの声・・・・

「帰るわよ」


 行きはバイク・・・・・

帰りは引きずられ・・・・・



 ヒイラギに任せておいて正解だったな・・・・


 拠点に戻った俺は報告に一人で向かい・・・

蠅で探れば・・・・・


 シズカ始め皆酷い目にあわせようと画策・・・・

蠅を飛ばしヒイラギにあらましを伝え・・・・


 ヒイラギは皆を連れどこかに・・・・


 しかし俺を痛めつける事が主眼だったとは・・・

道理で痛いわけだ・・・・・・


 アガズレ外の拠点に・・・・

ザコ衣装の俺は・・・・

「呆れる程頑丈ね」


 ヘルガに見下される・・・・

その声色に親しみが宿り始めている・・・・


 ヘルガは自分の身が危ういと気が付いて居るのだろうか・・・


 俺はヘルツに親しみを情欲を抱いている・・・・

「立って」


 立つ俺に・・・・

ヘルツは己の心の紐で・・・・・


 俺の両腕を縛り・・・・・

「よし」

「行くわよ」


 ヘルガの後ろを歩いていく・・・・・

ヘルガの歩みから喜びを感じる・・・・・・


 俺はどうしたい・・・・

正直拠点での生活は疲れた・・・・・

  

 他者を支配・・・・・

其れは他者を思いやる事・・・・


 そうで無ければ上手く回らない・・・・・

朝から晩迄・・・・・・


 ヒイラギというご褒美が有ってやってられたが・・・・

予想以上に町攻めは俺の気力を奪い・・・・


 引きずられようが痛くは無い・・・・

だからこちらに・・・・・


 彼らは気が付いている・・・・・

俺を痛めつける方法を・・・


 いや俺以上に知っているのか・・・・・

俺の事を・・・・・


 夕方・・・・

赤い日に照らされ・・・・・


 俺は見える・・・・

金の髪は長く・・・・

ふさふさのピンとしたケモミミ・・・・


 ふさふさの尻尾を振る・・・・・

夕日に照らされ微笑むヘルツ・・・・・・


 ヘルガは歩みを止め振り向く・・・・ 

紅の瞳は喜々と輝き・・・・・

「どうした」

「なんでも」

「縛られて」

「にやにやと」

「嬉しいからさ」

「ふっ」


 ヘルガは呆れたと・・・・

「変な奴だ」

「こうして歩ける事だぜ」

「紐無しが良いんだが」


 「あははは」

ヘルガは嗤う・・・・・


 ソレハ誰に向けた嗤いか・・・・

「其れは出来ない」

「残念だな」

「本当にな」


 俺達は笑い・・・・・

拠点の通路を歩く・・・・・


 兵士達は俺たちなど気にせず・・・・

にぎやかに・・・・・


 気にしても意味が・・・・・

どうせ殺し合う運命・・・・


 それともだからこそ・・・・

気にとどめて置くべきか・・・・・


 

 






 

お読み頂き有難う御座います。

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