#03 効果的な好感度
いつも見てくださってありがとうございます!
昨日に引き続き、投稿します。
ゆっくり見ていってくださいね!
「最近話題の王家の娘とは違うのだな」
そう嘲笑するかのように商人は言った。
「最近話題の─……。あぁ、ティアローラ様ですか?」
マリーが返した言葉に商人はうなづく。
ティアローラ。その名は、この国中どこを回っても誰もが知っている存在である。
彼女は齢19にして、浪費家で有名である。舞踏会、茶会ごとにドレスを仕立て、豪奢な装いをするということを始めとして、国家予算を浪費しているのだ。
そのドレスも一着で平民の年収をゆうに超えるような値段のものだ。
「国家予算をそのドレスに使ってるんだとよ」
「その予算というのは平民が稼いだ税ですからね。」
増税を行うもう一つの要因として、上流身分の私腹を肥やすということが挙げられる。
これを知っている平民は貴族のことをどう思うだろうか。
少なくとも良くは思わないないことであろう。これはテアミナも同様に思われていたであろう。
王家の娘と彼女の主人は真逆の人物である。
マリーはテアミナとその王女やらとを比較対象に置くことで、大きな対比を生み出させた。
要するに、平民の中の価値において、王女という存在を利用し、貴族を下げ、テアミナを上げたのである。
(テアミナ様の好感度上げ。……仕事完了)
※ ※ ※
伯爵領を歩く二人の少年の姿があった。
二人は平民らしい装いをして、話しながら歩いているようだった。
「全然、間に合いましたね」
ジョアの執事ことリルクは、予定を見誤った主人に対する皮肉として言った。
「そうだね。君のお陰だよ」
そう言って、微笑み、誤魔化そうとしている主人にジョアの執事ことリルクは思う。
(…絶対に僕をクビには出来ないなぁ)
書類に関してはジョア一人でも間に合っていただろう。
─それくらいの仕事量は苦でもないはずだ。
しかし、テアミナに会うという予定は忘れていた。今までの生活の中で導き出された答えは─
(若様はスケジュールの管理が絶望的に下手だ)
遡ること五年前、まだリルクがジョアの『国一番の紳士』具合を信じていた頃─ジョアに仕えて初めてのお茶会があった時である。
当日、ジョアのメイドや執事は大慌てで屋敷中を駆け回っていた。それもそのはず、国の貴族という貴族─主に上位貴族が集まる茶会であったからだ。
ジョアは特に緊張も何もしていない様子であった。それ故に、リルクは『流石ですね』と言ったのだ。
すると─
『えっ、何が?』
珍しく驚いた様子をしたジョアに気になりながらも、『今日、茶会があるでしょう。しかし、若様はちっとも緊張しておられないので』と答えた。
ジョアはというと─
『ん?茶会……?』
リルクは愕然としたものだ。まさか、この主人は単に緊張をしていないのではなく、そもそも緊張をする対象そのものを知らなかったのであった。
今までの感動を返して欲しい、と。これほど痛感したことはなかった。
回想をしていたリルクは今の現状を見てもやはり、と思う。
もうスケジュールの管理どころか、把握すらもしていない。これは、自分がいないと主人は本当に貴族として終わる。そう確信していたのであった。
待ち合わせは教会とのことであったので、乗り合い馬車で伯爵領にまで行き、それ以降は歩いて教会に向かってた。
教会の方へ近づくにつれて、違和感を感じる。
「何か聞こえないかい?」
「はい。何だろう……。女の子のような……?」
そのまま歩いていき、教会の前で止まった二人はそれを目にする。
「うぅ。えーん。ひっぐっ…ひっぐっ。うわぁーん」
七歳ぐらいの幼女である。
それを見たジョアは言う。
「スケジュール予定外だ」
(どのお口が言っているのでしょう?)
リルクは笑顔のままでそう思うのであった。
最後まで見てくださり、ありがとうございます!
皆さんの中でもスケジュール管理が苦手な方はいらっしゃいますか?いらっしゃれば、彼と私と同類、……ですね。
さて、次話の投稿ですが、本業との兼ね合いにつき、週末になります。7/18日を目処に準備して参りますので、よろしくお願いします!
追記:50PVいきました!!それを記念して、小話を書いたので、是非!見てください!




