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#14 耳と察しが良い紳士

 諸事情で投稿が遅れてしまいました。申し訳ないです。


 話は変わりますが、先ほど、合計200PV記念を別ページにてあげました!

 本当にありがとうございます!




「ジョア様!今日の衣装もとてもお似合いです!」


 そうある令嬢が言ってきた。他にもそういった貴族で列をなしていた。テアミナの方にも列ができており、ヘンテコな構図である。


「そう言って貰えて嬉しく思うよ。…パーミア嬢。しかし、君のその装いも似合ってるいると思うよ」


 そう言って、紳士らしく彼女の手を取り軽くキスをした。賛辞と名前を呼ぶあい間で時間が空いたのは、大方、相手方の名前を忘れていたからだろう。一つ一つの動作が恭しく、優雅である。そのため、周りにいる貴族は老若男女問わず、ジョアに釘付けだ。

 しかし、令嬢とこうして会話する度にこれだ。一体何の茶番なのだろうか?確かに顔は良い。この行動だけ見れば、国一番の紳士であろう。


(でもなぁ。普段がアレだからなぁ)


 そう。素の彼を見たならば、こちらがムズムズして仕方がないのである。

 そう俯瞰して見ていたリルクだが、不意に肩をトントンと叩かれた。振り返ってみるとそこには見慣れたメイドがいた。


「マリー殿。どうされたのですか?」

「実はですね─」


 マリーは自身の主人に伝えた事柄を経緯と共に話した。

 

「なるほど。そんなことが」

「えぇ。お嬢様からジョア様に伝えるようにと。」

「承知しました。」


 きっと、我が主人のことだ。臨機応変に対応するだろう。リルクは主人の能力は信用している。リルクをことあるごとに揶揄ってくるのは子供っぽいと思うが。


「それと」


 そうマリーは言葉を続けた。


「外でお待ちしております故。」


 リルクはコクリと頷き、去っていくメイドの姿を見送った。



 リルクは早速、ジョアのもとに向かった。向かう途中、何かを察したのかジョアはこちらをちらりと見た。その拍子に目が合ったので、きっと、この茶番をするために長蛇の如くできた列をどうにかするのだろう。


「─うん。また何処かで。」


 そう話していた令息との話を切り上た。さらに、列に並んでいた次の人に「少し急用ができてね」と言い、列を抜けていた。つくづく、話が早い主人でよかったと思う。


 リルクと合流したジョアは会場を抜けて、会場の廊下で要件を話すことにした。


「どうしたんだい?」

「実は─」


 先ほどマリーから伝えられたように話すと、その綺麗な形の顎に手を置いて言った。


「そうかい。大変だね、どこも」

「他にも何か聞いたのですか?」


 ジョアの言葉に含みを感じたリルクはそう聞いた。先ほどの茶番劇で得た情報なのだろうか。


「先ほど、隣の領の子爵と話してね。そうしたら、彼の従者が来て耳打ちして行ったんだよ。生憎、僕は耳がいいものでね。言っていたんだよ、子爵領で傭兵による襲撃が起きたってね」


 なるほど。盗み聞きだったか。しかし、磁石領でも襲撃が起きるとは妙である。何か裏があるのかもしれない。そう思いつつも、ジョアとの会話を続ける。


「左様でしたか。それと、テアミナ嬢からの言伝です。外で待っていると。」


 それを聞くと無言のまま舞踏会場の出入口へと歩いていった。リルクもそれを追いかけ、歩く。

 窓から差し込む月明かりか綺麗な夜であった。



※ ※ ※



 バウバウ。そう犬の鳴く声が聞こえた。

 マリーは即座にその声に気付き、動きを止め、周りを見渡した。

 案の定、テフィに授けた犬であった。

 犬はマリーの方に真っ先に来て、マリーの目の前に座った。マリーは犬がからっている筒状のものの中身を取り出した。


 テアミナはそれを不思議に思いつつもその様子を黙って眺めていた。

 ちなみにマリーはテアミナにこの犬の存在を知らせていない。「一任する」と伝えられたことだけあって、伝える必要はないと思ったからだ。

 マリーは取り出した紙を読むと、テアミナに向かって言った。


「どうやら、教会の子どもたちは無事であるそうです。テフィ様が保護していると連絡が」


 その言葉に驚いたが、平静を装い、マリーに言った。


「そう。それは良かったわ。しかし、テフィが……。」


 テアミナは眉尻を下げて心配しているようだった。当然と言えば当然だ。テアミナはテフィのために計画を進めているも当然なのだから。

 そうしていると、ジョアとリルクが来た。マリーは手早く、教会の子供達の現状。そして、どのような状況であるかも。


「テフィがそんなことを……」

 

 こちらの紳士もかなり驚いているようだ。しかし、教会の子どもたちの安全を知れたことは良かったのかも知れない。複雑な表情になっていた。


「取り敢えず、私は街の様子を見に行きますわ」

「そう。けれども、少し人目は避けた方が良いね」

「そうね。一度、私の邸で身なりを整えてからにするわ」

「僕は色々と裏で尽くしておくよ」


 そう短く互いの動きを確認した後、馬車に乗り、帰った。


 その様子をある人物が見ていたことに気付かず。


 読んでくれている皆様、本当にありがとうございます!


 さて、次回は7/30日になるかと思われます。

 次回もよろしくお願いしますします。

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