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#10 自分の恋より大事なもの ※下級貴族令嬢side

 十一話です!

 ぜひ見ていってくださいね!


 今日こそお目にかかれるのかしら?、そうある令嬢は思う。

─どうせ、私みたいな下級貴族令嬢が参加したところで何もならないと言うのに、お母様とお父様が結婚相手でも見つけてきなさいって言うから来たのに。そんな相手なかなかいるはずもないのね─と思っていた。


 ふと周りを見ていると隣の同じく下級貴族であろう令息と目があった。会釈をしながらも思う。


(きっと、貴方も結婚相手を見つけに来たのでしょう。お互いに頑張りましょうね)


 そう決して聞こえないが、心の中で唱えていた。そして、また周囲を見渡した。

 すると、会場の一番大きな扉が開く。

 会場の視線がそちらに向いた。例に漏れず、彼女も目を向けた。


─煌びやかに靡く髪。

─ふわりと舞うドレス。

─凛とした佇まい。


 『息を呑むほどに綺麗だよ』


 テアミナの美しさはそう言っていた父の気持ちが深く理解できるほどであった。

 

(テアミナ様がいらっしゃる……ということはもしやジョア様も……!)


 そう思い、令嬢はテアミナの隣に目を向けた。


─鱗粉が舞っているかの如く、煌く髪。

─ばさりと靡くコート。

─凛々しい佇まい。


 『本当にイケメンなのよ!顔、以前の問題だわ!』


 そう言っていた母の言葉もとても理解できた。


(とてもお美しいわ!それは、あんな噂も立つぐらいですもの!)


 令嬢は噂好きの両親から聞いていた。


『なんだって、テアミナ嬢とジョア殿は恋愛関係であるとか』

『えぇ。私も存じ上げておりますわ。あまり社交界には出席なさらないのにも関わらず、出席されるとなるといつも社交界の日時が被るとか。』


 その噂を聞いた時、彼女は興奮したものだ。


「あの方達は……」


 そう彼女の隣にいた令嬢が呟いた際、思わず言ってしまったのだ。テアミナとジョア、二人への愛故に。


「テアミナ様とジョア様よ!」


 そう騒いでいたのも束の間、ある令嬢が千鳥足でテアミナとジョアの目の前を横切った。


(あらあら。お酒を飲み過ぎてしまったのかしら?)


 そう思っていたが、何かに躓いて転けてしまったようだ。


(わぁ、痛そう。それに恥をかいてしまうわ!)


 そう令嬢が思っていると、他の貴族たちも口々に言う。


「あの令嬢はどこの家なのだ?」

「全く、恥晒しね」


しかし、テアミナとジョアは即座に動いた。


 転んでしまった令嬢に駆け寄ると、テアミナはその令嬢の上半身を起こし、ジョアは手を差し伸べていた。


(なんてこと!とても素晴らしいわ!)


 令嬢はそう思っていた。しかし、いくつかの貴族は扇を口元に当て、睨むように見ていたり、「なんて、無作法なんだ」とテアミナとジョアに向かって言っていたものもいた。


 しかし、テアミナとジョアはそんな事を気にも止めず、転んだ令嬢に向かって微笑みかけている。


 とても絵になる二人がそうするのはとても、とても……


(最高ですわ〜///)


 そう思い、結婚相手を探すことも忘れて、二人を見ていたのである。


 こちらの方も最後まで見ていただきありがとうございました!二人の世間体が垣間見えたのではないでしょうか?

 さて、次回の投稿は7/25になりそうです。変更の場合は活動報告にて知らせます。

 引き続きよろしくお願いします!

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