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第3話 虎

「よし、じゃあ次はお家を作ろうかな。」

「お家?」

「うん!」


まだ私はその頃、家を持ったことがなかった。

だからそもそも、原始人みたいに定住するなんてことを思いつかなかった。そもそも思いついても、

それをする力がない。


けれど、もうニルがいる。

1人じゃない。


なぜニルが家というものを知っているのかは

わからないが、とりあえずその家というもの

を作るのに協力したい気持ちがその時はあった。


「じゃあ、まずはあの木の下に行こう!」

「木?」


よく見ると、この草原のど真ん中に、

ものすごく大きな木が立っている。

川からもそう遠くない。


私とニルはその真下に走って向かった。


すると、


「いたっ!」


ニルが急に足の裏を押さえた。


「大丈夫?」

「うん。ちょっと切っちゃっただけ…って、

この石ものすごく鋭いね…」


よく見るとものすごい刃物みたいな鋭い石があった。


…そういえば、当時靴履いてなかったんだっけ…

というか服も…

と思ったがよく思い出してみたら、

ニルは確か白いワンピースのようなものを着ていたような気がする。

私も、その物心ついた頃の服装はちゃんとしていて、なんなら小さい皮装備みたいなのを着ていた。


しかし、そんないい服を着ていたわたしたちでも、

流石に靴は履いていなかったのだ。


するとニルが、


「これ、何かに使えそうじゃない?動物を狩るのと、草を刈ったりも!」


と言いながら、その石を振り回していた。


その時、


ガサガサッ


「?」

「今の音…なに?」


この草原は、草の平野なだけあって、草が

多い。1人で入ったら迷ってしまいそうなぐらい

高い草がある場所もある。

しかし、もちろんそれを利用して狩りをする動物もいるのだろう。


その音は、少し遠くの草むらから聞こえた。


そしてその音は近づいてくる。


ガサガサ…ガサガサ


「待ってもう私死ぬの?名前決めてもらって

10分もしないうちに?」


ニルが騒いでいる。その時、私はぽへーっとしていて、なんにもわかってないような感じだった。


そしてついに草むらから現れたのは…


黄色い耳に黄色い体。黒い斑点があり、

見た目はまさに…


「虎だぁぁぁぁぁぁあ!!!」


その時、ニルは一目散に虎のいる向きとは反対方向に逃げていってしまった。


しかし、その虎は私をじっと見つめるだけで、

全く襲ってくる気配は一切ない。


すると、その虎はゆっくりと一歩一歩私の

方へと歩いてきて、ついには横まで来て、

何をするかと思えば…


座った。


そして私は真っ先に出た感情が、


かわいい。


私はついしゃがみ込み、虎の背中を

撫でてあげた。


「グルグルル…」


まるで猫みたいだ。

まあ今では猫は別にいるんだけど…

ここで私は虎に問いかけた。


「お友達になりたいの?」


すると、その虎は起き上がり、背中を

私に擦り付けてきた。


「じゃあ、名前を決めてあげないと。

えっとじゃあ…君はキュラちゃん!」


その時、ニルに名前をつけた時と同じく、

目の前が真っ白にフェードアウトしていき、

同時に私の意識も遠のいていった。

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