7話「ベタな修行」
あらすじ
ソフィアと名乗る女性に助けられた碧大とルーシー
碧大はAランク冒険者のソフィアに師事することを決めるが?!
早めの修行編スタートです。
碧大達がハプニングに見舞われた
初クエストをこなした翌日。
碧大はとある宿の前にいた。
「ここ、かな?」
先日碧大とルーシーを助けてくれた
女性ソフィアに渡された住所を頼りに
訪れたのだ。
そこは"荒鷲の爪亭"と書かれた
酒場もやっている宿屋で、なぜか昼間にも
関わらず喧噪が聞こえてきた。
「ベタだなぁ〜
俺は
"どこにでも
飲んだくれはいるんだな……ハハッ"
とか言えばいいのかな……」
そんなことを言いながら碧大は、
ギルドと同じスイングドアを押し中に入る。
「いらっしゃい!!好きな席に座ってよ!!」
そう溌剌とした女性の声が聞こえる。
碧大はその声の主にソフィアのことを訪ねるため
歩み寄る。
「すみませんここにソフィアという女性は
宿泊していますか?」
「アンタ、あの嬢ちゃんの知り合いかい?
呼んでくるからちょいと待ってておくれ」
そう答えた女性は、どうやら
この宿の女将さんのようで、
厨房になにやら声をかけると
二階へと上がろうとする。
「あっ、ちょっと待ってください。
これを!」
こういった時にチップを渡すかなにか注文
するべきなのだろうか、碧大は迷った末
女将さんを呼び止めチップを渡す。
チップ文化がない場所から来た碧大には、
相場など分からなかったが、昨日の
採集クエストの報酬を三分の一程度なら
不足はないだろう。
そんなことを考えていると
「アンタ見たところ新人冒険者だね
それも最近までチップなんて
渡してこなかったんじゃないかい?」
流石この町で酒場を経営し、冒険者を
見慣れてるのか鋭い。
「これくらいで十分さ!」
「あ……はい
ありがとうございます……」
「そりゃこっちのセリフさね!」
そう言うと渡した額の更に三分の一だけ残し
残りを碧大に返す。
実に親切だ。次回から利用しようと
碧大が思っているうちに、
女将さんの姿は二階へと消えて行った。
しばらく待っていると、昨日の鎧とは違い
クリーム色をした質素なワンピースを纏い
ソフィアが二階から降りてきた。
「あぁ、君か
早速訪ねて来てくれたのかい?」
「はい、昨日のお礼と……
あと稽古の件も兼ねて……
その……ご迷惑でなければですけど」
ふむと、その小さな顎にに指を運び
思案顔になるソフィア。
「礼なら昨日受け取った。
稽古の件は……
まぁ私から言い出したことだ
引き受けよう!」
「いえ、ルーシーが是非夕食にと
言ってまして、
もし都合が宜しければいらして下さい」
「夕食か……なるほど
もし支度や買い物など済ませているようなら
断るのも申し訳ないな……
了解した。
お言葉に甘えるとしよう。
それで君は、
なぜそのようなしゃべり方なんだい?
昨日はそんなことなかったはずだが」
碧大の敬語が気味悪いのかソフィアが
嫌そうな顔をして訊ねる。
「これから師事する方なので。」
「なるほど
君は最初からそういう
腹積もりだったわけか。
まぁ先ほども言ったが、
私から持ち掛けたことだ
それで、いつから始める?」
「先生の都合が良ければ本日からでも」
自分でも唐突で失礼かなと碧大は思ったが、
自分の力不足でルーシーを危ない目に合わせた
ことからか、
このチャンスを逃すつもりはなかった。
「ふむ、まぁこの恰好を見ての通り
今日は特に予定はなかったから
いいだろう。
しかしその先生というのと敬語を
止めてくれ。
性ではない。」
「はぁ……わかりまs
じゃなくて分かった。
ではなんて呼べばいい?」
「そうだな、ではソフィと呼んでくれ
親しい者はそう呼ぶ。
……もっとも両親以外には
呼ばれたことがないのだが……」
ソフィがなにやらボソボソと呟いたが
碧大は気にせず首肯する。
「それでは少々待っていてくれ
準備する。」
そういうとソフィは再び二階へと消えていった。
10分かからなかっただろうか
またもや赤い鎧ではなく、革製の急所のみ隠した
RPGなどでよく見かける鎧を見に纏った
ソフィが碧大の前に現れた。
「待たせたか、すまない
それでは早速だが東の草原へと向かおう」
「草原……?」
「あぁ、不満か?
この町には王都のような訓練所がない
草原でならまぁ不足はないだろうと
思ったのだが」
「いや、不満などない。
早速向かおう。」
今まで通りテンプレで訓練所を想像していた
碧大は草原と言われ面食らっただけで
素直にソフィの指示に従うのであった。
―――
「碧大は昨日、私の戦闘を見ていたか?」
二人が草原に到着するとルーシーは
碧大にそう尋ねた。
「えーっと……
急にゴブリン達が動きを止めて
ソフィがそれを一瞬で切る
そんな感じでした。」
「なるほど、まぁ概ね正解でいいだろう
それでは何故ゴブリンは
動きを止めたかわかるか?」
(覇○色の○気?
なんだ……?わからん)
「……麻痺や毒の類でしょうか?」
碧大が本当に頭に思い浮かべたのは、
地球に居たころ見た漫画で、
それが正解ではないだろうということは
わかっていた。
なので無難な回答をする。
「いや、違うな
今の質問は少し意地が悪かった。
すまん。
私の得意魔法はな、ユニーク魔法と言って
重力を操るものなのだ。
ユニーク魔法はその人間だけに
与えられた魔法のことだな。」
恐らくソフィはその魔法のせいで
今まで友達が出来なかったのだろう。
それにしてもユニーク魔法。
しかも重力とは、
実はソフィが主人公なのではと久しぶりに碧大が
メタな想像をする。
しかし安心してほしい。
碧大が見逃しているだけで重力魔法は
ウィンドウで取得できるスキルのうちの一つなのだ。
こういう残念さが碧大の主人公たる所以だろう。
いくらベタな展開を予想し、
それから外れようと
努力(いままでした形跡はないが、
碧大はしてるつもり)したところで、
碧大の主人公らしさが損なわれることはない。
「まぁその魔法で
ゴブリンたちの動きを止め、
止めを刺したわけだが、
まぁ魔物との戦闘だ卑怯ということはない。
ん、少々脱線したな
君の修行に話を戻すが、
コレを使ってこの辺の野犬を倒してほしい」
そうソフィは腰に差した木刀を碧大に渡す。
その瞬間
「うッ!」
―ズシリ―
と碧大の手や腕に
木刀があり得ない重さを伝える。
「な……なんだ……これ」
「私の前置きは、
まぁこういうことだ。」
なるほど。ルーシーの魔法で木刀の重さを変え、
野犬を倒すほど満足に剣を振ることが
最初の修行らしい。
(ベタつってもまさか……
亀○流かよ……)
予想だにしなかった展開に、
碧大は自らの腕を襲う重さと
これからの修行のハードさを重ねるのであった。
修行編と銘打ちましたが、
今回で最後ではありません
貰った能力はチートですが使いこなすまでは
主人公最強にはなりません。
これから苦戦とか普通にします。
なのでちょいちょい修行編はさむかもわからないです。
次回更新は明日ではありません
5日連続で更新し少しダレてきたようで
なんだか文字数が…
文章そのものも見返して修正はいるかもしれませんが
その時は報告します。




