5話「ベタな初クエスト」
いよいよ5話ですね。話が全くすすみません……
前回のあらすじ
ギルドに登録して金色のギルドカードを手に入れた碧大
金色とはどうやら全属性に適正があるらしい。
今回の話ではそれに触れるのか?!
「ギルドカードには、
F〜SSまでのランクが存在し、
Fは採集や御使い
それ以降のランクは討伐や護衛となります。」
気を取り直し説明を始める受付嬢。
「ランクを上げるためには
任務を5回以上達成の後
進級の申請を頂ければ
判定員同伴の元、
次ランクの任務を受けて頂きます。
ただ達成すれば良い訳でなく、
判定員が不適格もしくは、
危機管理能力が乏しいと判断した場合
進級はありません」
同伴員は新たな人材を判定するのと同時に、
自分より上のランクを受ける冒険者が
死なないように守る役割も担っているようだ。
「同伴員はどういった人なんですか?」
碧大が尋ねる。
「同伴員は、冒険者から進級したい旨を
受けた時にギルドが
該当するランクの冒険者から選び
指定依頼を出します、」
「指定依頼……ってのは?」
碧大は今まで読んできた小説の知識と
この世界の物が符合していることを
確かめるために尋ねた。
「依頼には二種類あり、
あちらの掲示板に出されているものが
通常の依頼
ギルドから個人へ
連絡させていただく依頼が
指定依頼となります。」
「……なるほど了解しました!
ありがとうございます。」
碧大は、やはり……という顔をすると、
それを悟られる前に礼を言う。
「依頼を受けていかれますか?」
「いや今日の所は
登録だけにしておきます。」
「承りました。
では次回お待ちしております。」
すでに日がかなり落ちていて、
この辺りの地理に明るくない碧大は
依頼の受注を断る。
(また明日にでも、もう一度来こよう)
そう思った碧大は、ギルドを後にした。
ギルドからの帰り道ふと先程の戦闘を
思い出しウィンドウを開く。
「やっぱり身体能力だよなぁ…」
スライムの酸は避けきれたが、
あのムチのような攻撃は、スキルにより助かったが
避けることは敵わなかった。
ウィンドウを操作し、
スライム分の経験値500を全て
敏捷値上昇に注ぎ込む。
本来なら、見切りや攻撃予測などのスキルを
取得したかったがスライム一体の経験値など
たかが知れているので、
今後に期待する。
敏捷は200ptでlv4まで上げることで
500ptを使い切る。
その瞬間、眩暈が碧大を襲う。
敏捷値をあげたことにより、
脳の処理速度まで上がったようだ。
その速度で動けるということは、
その速度で動くときに入る情報を
処理できる能力を持っているということだ。
早く動くときに障害物が分からなければ
避けることは出来ない。
ウィンドウで能力を得るということは、
純粋に素早さを上げるのではなく、
それによって矛盾が生じないように
調節することのようだ。
取得と同時に碧大の頭に流れる
周囲の情報。
思考する速度が上がったわけではなく
あくまで情報の処理速度が上がっただけなのだ。
「くそッ……テンプレじゃこういうのは
速度だけ上がって、
そのスピードに慣れないって
展開じゃねーのかよ……」
しばらくして少しずつ慣れたのか、
ふらつきを抑え歩き始める。
今後ウィンドウの運用を
軽率には出来ないと思う碧大であった。
―――
しばらく歩いて孤児院の前までたどり着く。
ギルドまでフレッドの案内があったとはいえ、
迷わずに帰って来れたのも、
碧大がこの町に慣れたということなのだろう。
いままで明確な描写が無かったが、
この町の名前はオーレン
街並みは中世のようなところで
面積はおおよそ地球のバチカン程で、
体感や人口密度から察するに大きな町だ。
人口の大半は人間だが、
獣人、亜人の類もちらほらと見えるのが、
なんともファンタジーだと
来たばかりのころの碧大は思った。
オーレンの町は冒険者ギルド、
商業ギルドを中心に様々な店があり
その外れに孤児院はあった。
孤児院の裏手に回りドアを開けると
そこにはルーシーとフレッドがいた。
「おかえりなさい碧大さん。
フレッドから聞きましたよ?!
二人で魔物を倒しに行ったって
アナタ達が怪我でもしたら……」
出迎えの言葉に対し、
碧大が返事をする間もなくルーシーが
まくしたてる。
「いや、魔物と言っても
スライムで……
心配かけてごめん……」
ルーシーの権幕に圧され
素直に謝る碧大。
「そのスライム相手に
この前どんな目に合ったか
忘れたんですか?!
まぁ無事だったから
よかったものを……
次からはちゃんと
声をかけてくださいね!」
そんな心配そうな表情のルーシーに
ギルドで登録したことなど言える訳がないが
声をかけるよう釘を刺された以上
言わねばなるまい。
さて、どう切り出そうと逡巡していると
「そういえばにーちゃん
ギルドの登録は済んだの?」
フレッドだ。
「ッ?!」
横には信じられないという表情を
したかと思いきや、
その視線で昼間のスライムが蒸発するのでは
ないかという目を碧大に向けたルーシーがいる。
相変わらずの百面相ぶりだ。
「いや、その……
いつまでもここに無償で
世話になる訳にもいかないし
ほらギルドに登録する話は
来るときから言ってただろう?」
「……それは……
ここにいて貰うことは
別に気にしないでいいですっ
そのほうが私も……」
なにやら自分の思考に
熱を冷まされ、いや別の熱だろうか
顔を赤らめたルーシーが
なにやらごにょごにょと言う。
「にーちゃんここを出ていくの?!」
「いや、それはそうだけど
すぐにってわけじゃないよフレッド」
寂しそうな顔をしたフレッドに
碧大が答えた。
「魔法教えてくれるんだろ!
ここにいればいいじゃないか!」
「教えるさ、だからすぐじゃない
ギルドも最初は採集だって話だし
そんなすぐ旅に出れるほど
蓄えることは出来ないしね
危険なこともしないと約束するよ
ルーシーもそれでいいだろ?」
フレッドへ言い聞かせるついでに
ルーシーへの説得を試みる。
「まだ言いたいことはありますが
碧大さんが
危険を本当におかさないのであれば
私はもうなにも言いません」
少し頬をふくらませたルーシーが
答える。
どうやら説得には成功したようだ。
「さぁ夕飯の支度も出来てますし
手を洗ってきて下さい。」
はぁ……と一つ溜息をつくと
切り替えたようで、ルーシーが
明るく碧大をうながす。
その日出された夕食は、
野兎の肉を焼いたものとスープ、
そして初日にも出された
パンと野菜だった。
野兎の肉が並んでいることで、
教会の顔を併せ持つ孤児院の宗教観は
どうなっているのだろうと
不思議に思った碧大だが、
地球に居た頃から無宗教で
そういった事情に明るくない碧大は
まぁ出ているのなら食べるのだろうと
納得する。
そういえばこの孤児院は
教会の顔を併せ持つと言ったが、
ルーシーは教会の方へは関与していない
らしく、シスターというわけでもない。
教会の方は教皇国という所から
派遣された神父が管理しているそうで、
その神父が、この夕食の場に
いないかというと、
ここから近くにある場所に家があり
そちらで暮らしているそうだ。
なんでも奥さんがいるらしく
先程のウサギ肉と併せて考えても、
こちらでの宗教には
地球の宗教のようなルールは無いらしい。
碧大がそんなことを考えていると
周りがやや騒がしくなる。
各々が食器を片付けている様子から察するに
碧大が考え事をしているうちに夕食の時間が
終わってしまったのだろう。
急いで自分の分を書き込むと
「ごちそうさま!」
と言って碧大も食器を片付ける
手伝いをする。
「……」
食事の間ルーシーの声が
聞こえていなかったが、
碧大が聞こえていなかったわけではなく、
ルーシーも碧大同様
なにやら考え事をしていたらしい。
「なぁ……ルーシーどうした?」
「……っ?!
あっ!
いえ、なんでもありません」
「そうか?悩みがありそうだけど、
俺でよかったらいつでも聞くから
遠慮なく言ってくれよ?
できることはするしな!」
碧大がそういうと
「はい!ありがとうございます!」
と言って、ルーシーはスタスタと
自室へ向かって行った。
――――
翌朝早くに目覚めた碧大は、
身支度を整えると、朝食も食べずに
孤児院の庭へと出た。
「やっぱり身体能力か……
ウィンドウで習得すると
昨日のようなことがあるみたいだしな。」
昨日ギルドの帰りに
俊敏を上げた時のことを思い出していたのだ。
(ウィンドウは急激に上げるから
辛いんだ
なら毎日鍛錬をして少しずつ上げよう)
そう思った碧大は軽く準備体操をして
孤児院の庭を走り出す。
オーレンの外れに孤児院が位置しているせいか
孤児院の庭は広い。
日はまだ上りかけで、
空を見上げると紺と茜のコントラストが美しい。
斜めから差す朝日に朝露が反射し
キラキラとあたりを照らしている。
芝についたそれを
踏みしめ碧大が駆ける。
当初の目的など忘れ、
その気持ちよさに酔いしれる。
しばらくすると次は腕立て、腹筋と
様々な運動を取り入れていた碧大に
声がかかる。
「碧大さんおはようございます!
朝食が出来ましたよ!」
ルーシーである
とくに今まで運動をしなった人間が
急に筋トレなどと中学二年生のような
(この世界に中学二年生という
概念は恐らくないが)
行動をしていた碧大に疑問を抱くことなく
小食が出来たことを知らせる。
「あぁ!水を浴びたらすぐに行く!」
「今朝は少し冷えますから
体をよく拭いて下さいね!
タオルをこちらにおいておきますね!」
「ありがとう!」
ルーシーに礼を言うと運動を切り上げ
井戸へと向かう。
本来なら魔法で温めた湯を浴びたいのだが、
今日はギルドで初めてのクエストと思い、
魔力を温存する。
Fランクの碧大は
御使いか、採集程度の任務しか無いなのだが、
とはいえなにかしらの
ハプニングがあるのがベタな展開だ。
ルーシーが準備した朝食を食べ終えると
早速ギルドへ向かう準備をする。
準備と言っても
装備がない碧大がすることと言えば、
ギルドカードをポケットに入れるくらいなのだが。
ポケットといえば、
碧大が着ている服装は、
孤児院に準備されていた成人用の布の服だ。
情けないことに
服装まで頼り切った生活を送っていたが
その生活も今日でおしまいだ。
「よし!行くか!」
そう自分に喝を入れ部屋から出ると
ルーシーがそこにいた。
「あっ、碧大さん
もう出られるんですか?」
「あぁ!行ってくるよ!
大丈夫危険なことはしないから!」
「ハイ!行ってらっしゃいませ!」
昨日はあれほど碧大のギルド登録に
良い顔をしていなかったのに
随分とあっさりしている。
少し疑問に思ったが、
なにか心変りがあったのだろうと、
特に気にも留めず碧大は孤児院を後にした。
―――
「んーどれにしようか……」
ギルドの掲示板前。
どれにしようかと悩むまでもなく、
Fランクの碧大には採集と御使いしか
出来ないため、選択肢など限られている。
「御使いもいいけど……これはなぁ……」
何人か御使いの任務が書かれた紙を剥がして
受付に持っていくのだが、その年齢層が
恐らく冒険者になりたてなのであろう
フレッドより少し大きいくらいの者たちばかりで、
21になる碧大が御使いの品物を持って
現れれば受取人は失笑間違いないだろう。
「……となれば採集か……」
採集であれば、町の外に出て
目的の物を入手し受付に提出すればよい。
掲示板にある採集の欄から適当に一枚
紙を剥がし受付へと持っていく。
「薬草採取ですね。
東の草原へ行って頂き
そこに生える薬草を採取していただきます。
見本を一つ渡しますので、
これと同じものをお願いします。」
東の草原とは碧大がルーシーと
初めて出会った森の手前に広がる草原で
そこへは何度か
ルーシーやフレッド達と行ったことがある。
「それでは行ってらっしゃいませ。」
受付嬢の淡々とした送りだしを背に
東の草原へと向かう。
ギルドを出てしばらく進むと
草原と町を分ける門が見えてきた。
「おーい!碧大!!」
門の方から誰かが碧大を
呼んでいる声が聞こえた。
(誰だろ……この町には
ルーシー達くらいしか
知り合いはいないはずだけど……)
そんなことを考えながら
声のする方へ駆けだす。
孤児院より高い高さを誇る
絶壁に設けられた門の下に人の姿が見えた。
(あれは……)
碧大がその人影を記憶の中から探す。
(誰だ……)
碧大がこの世界に来てからの大して深くない
記憶の海から、
先程人影だった、このむさくるしいオッサンの
ことをサルベージしようとすると、
「……俺だよ……リチャード……」
碧大が忘れていることに気付いたのか
悲しそうにリチャードが答える。
「おぉ!!リチャード!
覚えてる覚えてるウン」
「お前絶対忘れてた。
まぁいいや
ルーシーちゃんがお前を待ってたぞ。」
何度か町の外に出る際リチャードと
ルーシーは顔見知りになっていたが
待っているとはどういうことだろうか。
「待ってる??なんで??」
「そんなこと俺に聞くなよ……」
碧大とリチャードが
そんなやりとりをしていると
門の脇にある詰所からルーシーが現れる。
「やっときましたね碧大さん!
ふっふっふ
碧大さんの任務には私もついていきます!!」
「はぁ?!」
なんと昨日夕食の時に悩んでいたことは
このことだったらしい。
碧大の性格や年齢を考え採集に出ると
ふんだルーシーは先回りして詰所でまっていたのだ。
「えぇ……いやなんでだよ……
てか孤児院は?」
「心配だからです!
それに孤児院は
神父さんにお願いしてきました!
昨日できることは
なんでもするって言ってましたよね?
なら私を連れて行ってください!!」
「それは……そうだけど
出来ることったって
まさかこんな……
だから朝あんなにあっさり……」
ルーシーの思いきりに辟易しつつも
ベタだなぁ……と思う碧大であった。
前書きでカードのこと言いましたけど触れてないっすね
確か……
名前:環 碧大
年齢:21
レベル:3
スキル:初級魔法lv3、魔力上昇lv1、詠唱短縮lv1、
格闘lv3、魔法付加lv3、俊敏lv4、筋力増加lv3
私は戦闘描写や背景描写よりも
心理描写が苦手なようです……
受付嬢のセリフ書きづらい……
キャラが定まらない……
受付嬢のキャラ感想にて募集します!!
まぁ今のところとりあえずは現状維持かな……
決まり次第このあとがき編集するんで
これが見えているということはまだ募集してますというね
100話書かれていようが500書かれていようが
これが見えているということは
受付嬢は定まっていないというね
チャールズのことは作者も忘れていて
メモの人物設定を読み返しました……




