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ベタな異世界チート  作者: とんぬら
第一章
5/14

4話「ベタなギルド登録」

4話目ですね。スマホユーザー向けに改行をふやしたのですが、

今度はパソコンユーザーが読みづらいですよね。

結果どちらの方も読みづらい物になったしまったので、

時間のある時にタグを使いスマホのみの改行というやつをためしてみます。


 前回のあらすじ

助けた少女にお礼ということで保護された碧大

ヒモのような生活とはいえ

住める場所は決まった!

いよいよギルド登録に行こうとするが?!

 "木漏れ日"という言葉は誰が考えたのだろうか

とても素敵な響きを秘めていると思う。

 茂る木々の隙間から降り注ぐ幻想的な日光を、

複雑な文法なんかを用いずに、とても美しく表現している。


 そんな木漏れ日が降り注ぐ陽だまりの平原に、

一人の男が気持ちよさそうに横になっていた。


 「ヒモ……かぁ……」


 しかし木々から漏れる美しい日光の穏やかさとは裏腹に、

その口から洩れる言葉は不穏な空気を孕んでいた。


 (たまき) 碧大(あおと)が、

ルーシーの経営する孤児院に転がり込んでから数日

碧大はギルドへの登録をせずにいた。


 「格闘……かぁ…」


 神に貰ったウィンドウという能力は、

筋骨隆々の大男であったり、

敏捷はしこい者であれば

一騎当千の力を得る能力であった。


 そのどちらでも無い碧大は、

先日ルーシーの採集に付き合った時に

自分がいかに無駄な選択をしたのか思い知らされた。

 闘い方がわかっても、

それを活かす肉体が無かったのだ。


 


 「アオトにーちゃんなにしてるの?」


 そう碧大に声をかけたのは、

この孤児院で暮らす子供の中で最年長の

フレデリクだった。


 「あぁ、フレッドか

  いやちょっとな……」


 碧大はこの数日で孤児院の子供達とも打ち解けていて、

愛称で呼ぶまでになっていた。


 「ふーん……まぁいいんだけどさ

  僕でよかったら相談にのるぜ?」


 最年長だけあり面倒見の良い長男気質のフレッドは、

そういいながら碧大の隣に腰掛けた。


 「お前、本当に11歳か?

 

  まさか転生ってことはないだろうし……」


 「??……よくわからないけど

  にーちゃんが悩んでるのはこの前の採集のこと?


  僕たちでさえちょっと頑張れば倒せる

  スライムに苦戦してたものね!」


 ルーシーの採集には、

孤児院の子供達も何人かついてきていて

碧大の失態は周知の事実となっていたのだ。


 「まぁでもにーちゃんは武器も持ってないし、

  素手で戦闘してただろ?

  気にすることないよ!


  スライムに打撃は効かないから、

  本来魔法で倒すものだしね!」


 スライムという魔物は、

中にあるコア以外の部分に打撃は効かないのである。

 本来魔法で倒すそれを、

素手で相手して苦戦で済んだ碧大はよくやったほうだと言える。


 「でもなぁ……俺はヒモだし……

  武器を買うのもなぁ……」


 「ん?ヒモ?

  その言葉はまだねーちゃんに習ってないから

  知らないけど

 

  にーちゃんは武器が欲しくて悩んでるの?」


 

 「いや……

  武器を扱うよりも格闘で頑張りたいんだよ……」


 (スキル取っちまったしなぁ……)


 少しネガティブになり始めていた碧大の雰囲気を

取り払うように明るく努めるフレッド。

 実によくできた子供である。


 「んーそういえばさ、

  ねーちゃんを助けるときに魔法を使ってたって

  聞いたけど、


  にーちゃん魔法使えるの?」


 「ん?あぁ……まぁ多少な」


 そう言った碧大は手のひらを上に向け火をともす。

 ここ数日ルーシーを手伝っているうちにこの程度のことは

出来るようになっていた。

 もちろん異世界から来ている碧大が、

慣れたといえ本来出来ることではない。

 初級魔法を習得したためである。

 ウィンドウで既に習得したスキルは、

経験値とうポイントを消費してレベルを上げることも出来るが、

使い込むことによってもレベルがあがるようだ。

 碧大の初級魔法はレベル3まで上昇していた。


 「戦闘魔法なんて僕はまだ使えないから

  それだけでもすごいと思うけど、


  にーちゃんがその格闘?ってやつに拘るなら

  

  いっそ魔法を同時に使っちゃえばいいのに!


  って無茶か……

  

  魔法発動は他の行動がだいぶ制限されるものね……」


 フレッドの子供らしいその無邪気な答えに碧大は

まるで雷に打たれたような気がした。


 「そうだ……いや、なんで気づかなかったんだろう!」


 そう言いながら碧大はウィンドウを開き操作を始める。

 ウィンドウは碧大以外には見えないため、

フレッドはついに碧大がおかしくなってしまったのだと

少し引き気味の表情をしていた。


 「あった……いやでも……


  賭けか……」


 おもむろにその手を止めウィンドウを睨む。


 ウィンドウに表示されていた文字は、


 "魔法付加"


 最初このスキルを見たとき碧大が想像したのは、

魔法剣のような武器に魔法を付加するものであった。

 そのため武器を持たない碧大が

興味を向けることのなかったスキルだが、


 「もしかしたら……」


 そう呟きながら碧大は何かを決断するかのように

魔法付加の文字に触れ経験値を消費する。

 ルーシーの手伝いによって溜めたポイントなので

仕事のない碧大にとってまさに虎の子のようなポイントだが、

迷わず碧大は魔法付加のレベルを、

格闘と同じ3まで引き上げる。

 試すだけなら1でも良いハズなのだが

何故か碧大はそうしなければならないような気がした。

  

 「よしっ!」


 何かを感じたのか碧大はおもむろに立ち上がり

フレッドの方を向く。


 「フレッドありがとう!

少し試したいことがあるんだ

  

この前と同じスライムの生息しているところまで

案内してくれないか?」


 「う……うん……それはいいんだけど


  もう大丈夫なの?」


 「いや、まだわからないが

  とにかく行こう!」



 ---



 孤児院がある町から少し離れたところにある、

ルーシーと初めて会った森の近くに碧大とフレッドはいた。


 「にーちゃんあそこ見て」


 フレッドが指を指す先には青とも緑とも

言える色をした、ゲル状の生物がいた。


 「スライム……クッ……ルーシーの仇!」


 そう碧大が叫びながらスライムに一歩一歩と近づいていく。

 ちなみにルーシーは今も元気に孤児院で家事をしている。

 

 前回の採集で碧大がスライムに苦戦したことで、

採集の成果が芳しくなかったことをルーシーは気にしていたのだが、

子供達でも倒せるスライムに苦戦した碧大が一番の戦犯であり

仇というほどのことでもない。


 碧大は見た目だけ様になったファイティングポーズをとり

魔法付加用の初級魔法呪文を唱える。

 今回相手にする一般的なスライムに属性の相性はない。


 今回碧大が付加したのはこの世界に来て

初めて使った炎属性の魔法であった。

 

 「行けるかッ?!」


 碧大が予想していた通り魔法付加は

武器などに魔法を付加するためのスキルであり、

体に纏うためのモノでは無かった。


 しかし先程魔法付加をレベル3に上げた碧大の

直観は、正しかったようだ。


 レベル1では剣や斧など手に持った武器への付加

 レベル2では弓や投げナイフなど体から離れる武器への付加


 レベル3になった今それらの武器制限は外され

 武器ではない物質への付加が可能となっていた。


 それを知ってか知らずか、いや知らないであろう碧大は

本当に直観だけでウィンドウを初めて使いこなしたのである。


 本来炎とは上に上にと燃えるものだが、

碧大の腕を包み始めたそれはオーラのように

ゆっくりと、碧大の体を包み込んだ。


 「で……できた……」


 先ほどの意気込みを忘れ、

魔法付加の成功を噛みしめる言葉が碧大から漏れる。


 「よしっ!!」


 そのままスライムへ向かって走リ出す碧大。

 自身に向かう脅威に気付いたのか、

スライムは体を大きく膨張させ、体液を飛ばしてくる。

 碧大は前回の戦闘の経験から

これが酸であることを知っていた。


 スライムが飛ばしてくる酸を、

ギリギリのところでかわしながら接近する。


 「前回だって攻撃を当てることは出来たんだ!」


 そういいながら、あと一歩というところまで接近する。


 スライムは酸を飛ばすのをやめ、

体の一部をムチのようにしならせ碧大めがけ攻撃してきた。

 これは前回無かった技で、

別の個体だということを碧大は思い知る。


 「くっ……」


 回避しようと身を引く碧大だが、

間に合わずしなるムチが接触する。


 「ッ?!」


 しかし碧大に衝撃が伝わることは無かった。


 ジュッ


 という音を立てムチは蒸発する。

 碧大の魔力付加による炎のオーラである。


 「行けるッ!」


 それに気づいた碧大は、

大きく振りかぶった拳をスライムに叩き込む。

 先ほどと同じような、

水分が蒸発した音を立ててスライムが消滅した。


 「やった……出来た……


  これだ……


  これが俺の武器だ!!」


 そう叫ぶと魔力付加で常時魔力を放出した

せいか、体の力が抜ける。

 気を失う程ではなかったが、その場に腰を下ろす

碧大に、フレッドが近づき興奮気味に捲し立てた。


 「す……すごいよ!


  すごいよにーちゃん!


  僕こんなのみたことねーや!!」


 憧憬のまなざしで見つめるフレッドに碧大は

賛辞に対する礼の意味を込めて手を上げる


 「いやぁ、フレッドのお蔭だよ……

  

  サンキューな!


  俺ちょっとこの足でギルドに登録して帰るわ」


 「それなら僕が案内するよ!」


 一刻も早くヒモ生活から脱却したかったのか、

異世界での冒険者という響きに対する憧れなのか

疲れた体を持ち上げながら言った碧大に

フレッドが案内を買ってでる。


 「おう!悪いな!

  

  悩みの相談に乗ってくれたり

  案内までしてくれて」


 「きにしないでよにーちゃん!

  

 こんなすげーもん見せてくれたんだしさ!


 今度僕にも教えてよ!!」


 「あぁ、お前が

  ルーシーを手伝えるくらいの

  魔法を覚えたらな!」


 「うん!僕頑張るよ!」


 この場所が危険な森の近くではなく、

近くにこのやり取りを見ている人がいたのなら

この二人のやりとりは、

まるで本当の兄弟に見えたことだろう。



 ---


 「にーちゃんここがギルドだよ!」


 フレッドが指し示す方向を見ると、

まるで西部劇に出てきそうな木造の建物がそびえていた。

 その建物の背は高く、

入口には、これまた西部劇よろしく

スイングドアが設けられていた。


 「ここかぁ……


  フレッド案内ありがとう!

  どうする?ついてくるか?」


 「いや僕はやめとくよ


  ぼうけんしゃの人たちはちょっと怖いからね」


 フレッドの言を聞きなるほどと思う碧大。

 確かに冒険者という者たちは、荒っぽいのが相場だ。

 まだ11歳になったばかりのフレッドを連れて行くのは、

酷だろう。


 「わかった。一人で帰れるか?

  ギルドの場所はわかったし

  

  孤児院まで送るぞ?」


 「大丈夫だよ!

  ありがとうねにーちゃん!」


 そう言うとフレッドは碧大に手を振りながら

スタスタと孤児院の方へ走って行ってしまった。

 

 碧大も一瞬ついて行こうと考えたが

受けた厚意を無駄にするのも申し訳なかったので、

フレッドに手を振り返し、その姿が見えなくなると

ギルドの方を向き呟いた。


 「よし……行くか!」


 碧大がスイングドアを押し中に入ると

中央奥に受付のようなカウンターがいくつかあり、

その手前の開けた場所にはテーブルと椅子が設置されていた。

あのテーブルでパーティーの結成や

報酬の分配をするのであろう。


 碧大はまっすぐ受付を目指し、

懐からプラスチックのような材質の

記録データを取り出す。


 この町に来た際門兵である

リチャードから受け取ったものだ。


 碧大が受付までたどり着くと

そこにいた女性が笑顔で訪ねてくる


 「ご新規の方でしょうか?


 でしたらこちらへの記入をお願いします。


 もし識別球を用いた記録データがあるのなら

 こちらへの記入は結構です。」


 何故自分が新規加入と分かったのか、

受付嬢の迅速な対応に面喰らう


 「ふふっ

  入ってきてあれだけ辺りを見回していれば

  わかりますよ」


 突然の種明かしをされたが、

なるほど自分の行動を振り返ると

確かに少し落ち着きに欠けていた。


 少し恥ずかしい気持ちになった碧大は、

それを誤魔化すように手に持った記録データを

カウンターに置く。


 「識別球の記録データはある。

  これで新規登録をお願いしたいのだが……」


 「かしこまりました。少々お待ちください」


 そう言うと受付嬢は、碧大から記録データを

受け取りカウンターの奥へとそれを持っていく。



 しばらく待つと名前を呼ばれた。

 名乗ってはいなかったが、

恐らく記録データからカードが出来たのだろう。

 

 碧大が呼びかけに応じる。


 「環 碧大様ですね。


  貴方のギルド登録が完了いたしました。


  ギルドのシステムについてご説明いたします。」


 そう言って受付嬢は碧大に一枚のカードを渡した。

名刺程の大きさであるカードには、

名前とギルドランクFという記入だけがされており、

レベル、職業などの欄は空白だった。


 「それではアオト様まずは

  ギルドカードの説明からです。


  カードに魔力を通して頂いても

  よろしいですか?」


 

 「魔力?魔法の素養が無い人とかは

  どうなるんですか?」


 

 「??


  ……この世界に魔力の素養?ですかね

  それが無い者はおりません。


  この世界に住む全ての生き物が


  個人差はあれど、

  そのカードに魔力を通すくらいのことは

  出来ます。


  魔力のコントロールが

  苦手な方はおられますが、


  そういう方は、

  魔法をカードに向かって

  発動して頂いて結構です。

  カードは破壊不可能ですので。」


 その言葉を聞いて碧大は、

なるほどそうなのかという表情を浮かべ

詠唱抜きの魔法プロセスを

頭に思い浮かべた。

 そうすれば魔法は発動しない。

 いつもの血液とは違う、

何かが体を駆け巡る感覚に襲われ、

それを指先のカードに集中する。


 魔力コントロールというには少しお粗末だが、

碧大が魔力を込めると

カードの色が金色に染まりレベルの欄に3

職業の欄に拳闘士という文字が出現した。


 「ん……これで大丈夫ですか?」


 「はい、大丈夫です


  お疲れ様でした。


  しかし金色ですか……


  おどろきましたね」


 受付嬢は再び碧大からカードを受け取り

驚いたようにそれを見る。


 「珍しいんですか?……

  てか人によって色が違うんですか?」


 碧大は、ギルド登録で異質な魔力……

またベタな……などと思いつつ訪ねてみた。


 「ギルドカードの色は

  その人の魔力の得意、

  というか適正属性を指します。

  火なら赤、

  水なら青

  

  というようにです。

  適正な属性以外の魔法も使えますが、

  威力などに差があります。


  ギルドでは冒険者に仕事を

  斡旋するだけではなく、

  殉職率を下げるのも

  大切な仕事です。


  その人の適正を明確にすることにより

  威力のない適正外の魔法を打つより

  自分に合った高威力の魔法を打った方が、


  討伐クエストなどの

  成功率が上がるでしょう。」



 「それで、俺の金色ってのは

  どういうことなんですか……?」


 受付嬢の手に持つギルドカードを

見ながら尋ねた。


 「金色……というのは適正が無い、

  いえ……全属性適正とでも言いましょうか


  全ての属性の魔法を

  100%の威力で発動出来ます。」


 「それは……珍しいんですか?」

 

 碧大の質問に何を当たり前のことを……

という顔をしながら受付嬢が答えた。


 「はい、非常に珍しいもので


  過去に確認された金色は


  伝説の勇者様と

  聖女様のみでございます。」


 (勇者と聖女……

  そんな人たちがいたのか……)


 そんなことを碧大が考えていると、


 「それに職業も見たことがないものですね

  拳闘士……ですか……


  でもカードに出現したということは……

  うーん……」


 受付嬢がなにやらボソボソ呟きながら唸る。


 「あのー、それでギルドの説明は……」


 痺れを切らした碧大が、そう尋ねるまで

前代未聞の登録者にうなりつづける受付嬢なのであった。

    



 

名前:環 碧大 

レベル:3

職業:拳闘士


スキル:初級魔法lv3、詠唱短縮lv1、魔力上昇lv1、

    格闘lv3、魔法付加lv3、筋力増加lv3




割とタイトル詐欺な回ですね。

ウィンドウのシステムがいよいよ自分でよくわからなくなったので

設定をもう一度見つめ直します。。。



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