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ベタな異世界チート  作者: とんぬら
第一章
10/14

9話「ベタな仕返し」

本日、おやすみのアテクシは3話目の更新。


あらすじ


ソフィとの修行を終え孤児院に!

碧大のデリカシーの無さに怒ったヒロインたちは!!

その日夕食を終えると

ルーシーがソフィに泊まることを

勧めると、それを聞いていたフレッドが

荒鷲の爪亭へとその旨を伝えてくると

言うと大人三人の返事も聞かず

孤児院を出て行った。


 とてもよくできた子供だと

碧大は感心するが、

それは恐らく、フレッドのニヤついた

視線が自身に向けられていた事に

気付いていないからだろう。


 しばらくしてフレッドが帰ってくると

ソフィがフレッドに礼をいいながら

ルーシーと碧大を見た。


 「しかし、いいのか?

  急に……こんな……」


 「大丈夫ですよ!ソフィさんは

  私たちの命の恩人ですし


  それに私とも友達ですから!」


 ルーシーのその言葉にソフィが顔を

赤らめるが、先ほどのように

口調が崩れたりはしない。


 「そうだよ!俺たちは友達だろ!」


 そう碧大が重ねながら身を乗り出して言う。


 「碧大さん、どさくさに紛れて

  足を崩さないで下さいねー」


 冷ややかな笑みを碧大に向けながら

ルーシーが言う。

 碧大は今、絶賛正座&食事抜き中なのである。

先程の失態を思い出してかソフィがギロリ

と碧大を見据える。

 ソフィ本人には許されたと思っていたのだが

その様子を見て碧大が身をすくめながら、

体勢を戻す。


 「碧大さんは天下の往来で

  少女を辱めたのですから


  キチンと反省してください!」


 ルーシーの言葉がソフィを憂いた、

紛うことなき本音であることは

間違いのだが、二人が帰って来た時

ソフィがヒシと碧大の腕をつかんでいた

ことが少なからずこの冷たさに拍車をかけて

いるのかもしれない。


 地球で失恋に絶望していた男とは思えない

ような幸福のさ中にいることを

当の碧大自身が気づいていないのだから

それに浸れないのも

碧大への一種の罰と言えよう。


 その罰を与えたのは、碧大にウィンドウを

与えたあの神なのか、はたまた何かの意思なのかは

それこそ神のみぞ知るである。


 「ソフィさんお部屋は準備してあります

  そこに着替えも置いておきましたので、

  どうぞ遠慮せずくつろいで下さい。


  碧大さん今日は魔法を使っていない

  とのことでしたので、

  お湯の方準備できますよね?」


 ルーシーが一息で言ったセリフであるのにも

関わらず、前部分と後半でこうも感情に差を

作って喋れるのは凄いと、

碧大とソフィはむしろ感心した。


 「うん、それではお言葉に甘えようか

  色々とすまないな」


 「もう!気にするのもお礼も謝るのも

  禁止です!

  

  ウチの碧大さんがご迷惑おかけしたという

  のもありますし。」


 「……ウチの?」


 「はい、ウチの」


 メラと二人の間に、

なにやら熱気のようなものが生じたと碧大が錯覚

するが、どうやら気のせいだったみたいだ。

 すぐになごやかな雰囲気に戻ると、


 「まぁいい、碧大

  お湯が出ると聞いたのだが本当か?」


 ソフィがキラキラした目で碧大に尋ねる。

 この世界では食用以外ではお湯を使わない

大抵風呂は井戸の水を使うのだが、

碧大が付加魔法で、水に火魔法を調整しながら

かけると、お湯になることを発見

(と言っても二日ほど前からだが)

してからは、

この孤児院でかなり重宝していた。

 毎日生活魔法として魔力を使うこの世界

の住人にとって、一日の終わりに浴びる水を

温めるほど魔力は余っていないのだ。


 居候の身である碧大だからこそ

出来る芸当である。


 「あぁ出来るよしばらく待っていてくれ」


 というと碧大は正座でだいぶ足が疲れたのか

ふらふらと井戸の方へ歩いて行く。


―――


 「これをこうすると……」


 碧大が水瓶に手を向け呪文を唱える。

 すると水瓶いっぱいに張られた水をほんのり

赤い膜が包んだかと思うと、

パッと碧大が手を離し同時に膜が消える。


 「うーん……

  これくらいかな?」


 瓶に手を入れ碧大が納得したように呟く。


 「ありがとう。


  なぁ、碧大……


  その夕方の事なのだが……」


 「ん?あぁ……大丈夫だよ

  見なかったことにする


  ホント……悪かったな」


 「そう言ってくれると助かる。


  私の方こそ取り乱して済まなかった。」


 碧大についてきたソフィが

そんなことを言うと、顔を赤らめ


 「その……今まで

  私の力のせいで沢山のひとを

  傷つけてしまって


  そう、友達という者がいなかったんだ」


 自嘲気味にソフィが自らのことを話し

始めたので碧大はそれに傾聴する。


 「両親は暖かく接してくれたが

  こんな私だ、


  いつ迷惑がかかるか分からない


  だから早いうちに家を出て

  冒険者となった。


  言葉遣いはその時、

  舐められないようにと改めたのだよ……」


 「そうか、嫌なこと話させちまったな。」


 「いや、いいんだ


  私が勝手に話し始めたことだしな。


  両親に思ったように

  お前やルーシーにも迷惑はかけたくない


  もし、わたしに至らないところが

  あったら言ってくれ!」


 先ほどの落ち着いた口調とは変わり

強い口調でソフィが訴えてくる。


 「迷惑だなんて思わないさ。


  だって友達だろ?

  むしろ迷惑をかけて欲しいくらいだね」


 そう言いながら夕方の時のように

ソフィの頭を撫でる。


 「だってその方が頼られてるみたいじゃないか」


 「ありがとう。


  ありがとう。」


 そう言いながらソフィは本日二度目の

涙を流したのだった。

 しかしそれは美しく、可憐な少女が

初めて孤独から救われた証でもあった。


 「泣くなよ……


  俺は昼間の取り乱したソフィも

  可愛いとおもうぜ?」


 「なっ……お前は……

  

  か……可愛いとかいうな!!」


 この男は茶化さずにはいられないのだろうか?

せっかく今回はいい話で纏まりそうだったのに

台無しである。




―――



 翌朝碧大が目覚め、廊下に出ると

そこにはソフィが立っていた。


 「遅いぞ碧大早く支度をしろ!」


 碧大は毎朝のトレーニングを

未だ続けていたため、日はまだ昇っていないので、

遅いということはない。


 「なんでも、この孤児院には

  立派な庭があるそうじゃないか

  訓練にはうってつけだ!


  昨日は野犬と戦うと言ったが、

  庭に野犬はいないからな

  今日は私が相手になろう


  わかったら準備をしろ!」


 庭に野犬がいたら、たまったものでは無いし

だからと言って野犬からソフィの相手などと、

難易度が跳ね上がったことに碧大は辟易する。


 碧大のトレーニング終了に合わせ

ルーシーも朝食を準備するため、

既に起きている。

 恐らく朝顔を合わせた時に

碧大がそろそろ起きてくることを

聞いたのであろう。

 なんとも良いタイミングで廊下に立っていた。

 それを思うとルーシーも短い期間ながら

碧大を理解している。


 「あぁ、わかったよ

  少し待っていてくれ」


 どちらにせよ準備をして

トレーニングを始めようとしていた碧大は、

ソフィの言葉に従う。

 背中に木刀を差していることから

律儀というか、毎朝トレーニングを欠かさない

真面目さがわかるというものだ。


 「ふむ、しっかり木刀は持っているようだな

  関心感心」


 「お前が泊まっているからな、

  今日だけだよ。」


 もちろん、照れ隠しからの嘘なのだが。

 それにソフィも気づいたのか、

何も言わずリビングへと向かう


 「待っているぞ、早く来い」


 そう残すとソフィは廊下とリビングを隔てる

ドアの向こうへと消えて行った。



―――



 碧大が準備を終えてリビングに向かうと

昨日と同じような皮の防具を纏った

ソフィとルーシーがいた。


 「あれルーシーもいるのか、

  珍しいな


  いつもこれくらいの時間はキッチンにいる

  だろう?」


 「今日は碧大さんを待つ間

  ソフィさんが手伝ってくれたので

  あとは盛り付けるだけなんです。」


 昨日とは違い、いつもの柔らかい声で

ルーシーが答える。


 「ソフィさんもここに住んでくれたら

  楽なんですが……


  いえ……しかし、ライバルが……」


 ルーシーは、なにやらぶつぶつと

言葉を続けていたが、誰も聞いてはいない。


 「へぇ……ソフィがねぇ……」


 「なんだ碧大?私が料理を出来ないとでも

  思っていた。


  という顔だな?」


 「ご名答。そう思っていたよ


  意外だな」


 「フン、相変わらず失礼なやつだ


  ホラ、行くぞ!」


 そう吐き捨てるとソフィはリビングから

庭へ出るドアを開け放つ。


 「わかったよ……」


 碧大もソフィに続き庭へと降りる。


 二人とも前衛なので、孤児院に被害が

及ぶことはないが、それでも少し離れたところに

並ぶ。


 「まずは昨日もやったトレーニングからだ」


 そう言いながら碧大に重力の負荷をかけ

ソフィが筋トレを促す。


 「オイ、昨日より重くないか?」


 「フン、昨夜誰かさんが人を

  小馬鹿にしてくれたからな


  私も今一度お前が地面に這う姿を

  見たくなった。」


 それであんなに準備を急かしたのだろう。

 

 「このッ……」


 「何か言ったか?小さな声だから

  聞き取るのに気を取られて

  

  手元が狂ってしまった。」


 碧大にかかる重力がさらに重くなる。


 「さぁ、早く始めるんだな」


 そう言うとソフィは、

自身のトレーニングであろう素振りを始める。


 碧大も、これ以上負荷を増やされては

たまらないと、苦い顔をして

トレーニングを開始する。


 「くっ……ふっ……」


 いつもの早朝トレーニングよりも

はるかに辛く、筋肉が悲鳴を上げるのが早い。


 しかし碧大も多少意地になったのか、

それ以降弱音を吐くことなく

いつも通りの内容をこなした。


 ランニングが終わるころには、

ソフィの宣言通り、碧大は地面に這う

ことになったのだが、

その碧大の背中にソフィの容赦無い声が飛ぶ。


 「ホラ、休むな


  次は私との模擬戦だ」


 そうだった。鍛錬が終わった後は

戦闘訓練だと昨日聞かされたことを

思い出す。

 それが野犬かソフィかの違いだが、

その差は大きい。

 碧大もそれを分かっていたのか、

絶望に顔を染めながら木刀を杖のようにして

立ち上がり構える。

 もちろん木刀への負荷はかかったままで、

構えることすら辛い。


 ソフィの重力魔法は空間に作用するのではなく

人間を含めた動物や、木刀のような物質に

作用するもので、ソフィの意思で解除するまで

その効果は及ぶ。

 無論、ソフィの魔力消費は魔法を行使した

際のみで維持には魔力を消費しない。

 いわば重力を書き換える魔法のようだ。


 「先手はくれてやろう

  お前から来い!」


 ソフィのこの言葉はもちろん、

優しさなどではなく、昨日の碧大が繰り広げた、

カウンターを待つ戦いをさせない意味があった。


 「くそっ……お見通しかよ……

  やってやる!!」


 「当たり前だ。


  昨日はあんな姿を見せたがこれでも

  Aランクなのでな


  来いッ!」


 碧大が木刀を振りかぶり、

ソフィに駆け寄りながらそれを振り下ろす。

 しかしその刀身は中空で勢いを失い

ソフィの直前で止まる。


 「……なぜ避けないんだ?」


 「お前は私をなめているのか?

  これでも回復魔法の心得はあるし

  お前の剣など、

  私の体に届く訳ないだろう!!」


 落ち着いて冷ややかな物言いかと思いきや

一気にその語調を強め、

 碧大が持つものと同じような木刀を

腰から抜くように放つ。


 靴や得物、碧大自身に荷重はかかったままだ。

 碧大に避ける術はなく、

その剣線は吸い込まれるように碧大の脇を打ち抜く。


 「ぐあっ!!!」


 碧大はその痛みに、苦悶の表情を浮かべる。

 恐らく骨が何本か折れたのだろう。

痛みにのたうち回っていると、その痛みが

スッと引いて行く。

 落ち着いた碧大が、チラとみると、

ソフィがこちらに手をかざし何やら唱えている。

 恐らく回復魔法だろう。


 「骨も繋げないようでは、

  実戦で使えん。


  まぁ即死すれば回復は叶わんが、

  そんな攻撃をこちらからすることはないし、

  お前の剣が私の急所を捉えるなど、


  万に一つもない。」


 あらかた回復が済んだのかソフィが

再び剣を構える。


 「立て、続きだ」


 その言葉を聞くと、

歳下の女の子に打ちのめされ、

プライドを傷つけたのか、

先程とは違う迫力を纏い碧大が立ち上がる。


 「そうだ、それでいい

  しかし


  実践では今の一撃が命取りと知れ。


  お前に型を教えないのはそういうことだ。


  下手に型を知りそれに頼っては

  お前は命を落とす。


  今は体を作り、そして

  戦いでの痛みを知れ」


 そう言いながらソフィは

再び碧大の隙だらけになていた脇腹を

打つ。


 「ホラ、当たると痛いぞ!

  その痛みが実践での死と思え!


  お前が痛いと思う度に

  お前は死んだと思え!」


 荷重によるものではない。

 その激しい剣捌きに碧大は避けることが

出来ず打ちのめされる。


 そんなことをしばらく繰り返していると、 

ソフィが回復魔法を行使したにも関わらず、

碧大は立ち上がることが出来なくなっていた。


 体は回復魔法で痛みを忘れても

心は痛みを覚えているのだ。


 (痛い……痛い……)


 碧大がそれしか思考することを

心が許さなくなった。


 「今日はこの辺にしよう


  私は謝らない。

  なぜならそれがお前のためだからだ。」


 恐らくAランクという実績を積むまで

数々の死線をくぐって来たのだろう。

 碧大もそれがわかっていたのか、

体にかかる重力魔法とは違う重みを感じた。


 「あり……がとう……」


 これが昨夜の仕返しなどではないと

碧大はわかっていた。

 だからこその言葉であろう。


「それが言えれば上出来だ。

  

  最後は立ち上がれなかったが、

  根性はあるらしい」



 そう言うとソフィは碧大に肩をかして

孤児院へ戻った。

 本当に、こんな華奢な体のどこに

そんな力があんだよ……

 そんなことを考えながら碧大は

意識を手放した。


 確かに、痛い以外の思考が

出来るようになっていた

碧大は根性があるのかもしれない……


一日はまだ始まったばかりだ。

今日はもうホント更新ないです。

次は明日か明後日かな?


ルーシーの影が薄くなっていく……

近いうちにルーシー回を入れなくては……

ハーレムって難しい……

きっと自分以外のハーレム物作者さんは

リアルでもハーレムなんだろうな……

じゃなきゃあんな素敵萌え描写書けないって!!!!


ではまた。

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