表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『裏切りの魔法少女、魔王軍で真の救世主となる』  作者: たい丸
【第3部:かつての仲間の再来と「亜人」の解放】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/55

第51話:誇り高き鉄工たち

地響きのような不協和音が、暗い地下坑道に響き渡っていた。

カレンの張った光の結界『イージス・ウォール』の真下。要塞の最下層に広がるガルバ鉱山の心臓部では、無数のドワーフたちが重い鉄格子と鎖に繋がれ、休むことなくツルハシを振るわされていた。聖騎士団の見張りたちが鞭を鳴らし、容赦のない罵声を浴びせる。

その薄暗い岩陰の影が、不自然に揺らめいた。

「……ふん、脳みそまで筋肉で詰まってそうな騎士たちの割には、ずいぶんと効率的な奴隷の使い方をするのね」

影から音もなく這い出たのは、リリスだった。彼女は潜入任務を帯び、自らの気配を完全に遮断して地下へと足を踏み入れていた。

「おい、新入り。手を休めるな」

見張りの目を盗み、リリスは一際巨大な鉄槌を握りしめたまま、じっと機会をうかがっている老ドワーフに近づいた。この鉱山の職人たちを束ねる長老だ。彼の背中には、酷使されたことによる無数の傷が刻まれていたが、その瞳の奥にある頑固な光までは消えていなかった。

「……あんた、見かけない顔だな。魔族の小娘が、こんな地獄に何の用だ」

長老はツルハシを岩に打ち付ける音に紛れ込ませ、地を這うような低い声でリリスに問いかけた。

「アリシアお姉様の命よ。貴方たちをこの檻から解放しにきたわ」

「アリシア……? 悪名高き魔王軍の特務官か。どうせ俺たちを別の檻に移し替えるつもりだろう。だがな、ドワーフの誇りをナメるんじゃねえ。俺たちの魂であるこの鉄を、奴らの侵略の道具にさせるくらいなら、ここで干からびた方がマシだ」

「あら、頑固一徹ね。でも、お姉様が求めているのは奴隷の鉄じゃないわ。貴方たちの『意志』よ。……あの傲慢な重騎士の盾を、内側から叩き壊すためのね」

リリスが不敵に微笑んだ瞬間、地上のアリシアから、作戦開始の合図となる微かな魔力の脈動が地下へと伝わってきた。

「——そこまでよ、人間のクズども」

リリスが指先を向けた瞬間、通路にいた数人の聖騎士たちの目が、突如として虚ろになった。リリスの精神攪乱魔法が、彼らの脳内に「お互いが反乱を起こしたドワーフに見える」幻覚を植え付けたのだ。

「な、貴様! 反逆するか!」「何を言う、お前こそ!」 見張りたちが同士討ちを始め、地下は一気に大混乱に陥る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ