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『裏切りの魔法少女、魔王軍で真の救世主となる』  作者: たい丸
【第3部:かつての仲間の再来と「亜人」の解放】

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第49話:不落の要塞と囚われの鉄槌

魔王城の作戦室に、重苦しい金属音が響いた。 ルナリエが地図の上に置いたのは、歪にひしゃげたドワーフの鍛造斧だった。

「アリシア殿、我が里の斥候からの報告です。魔王軍の主要な鉄鉱石供給源である『ガルバ鉱山』が、人間の聖騎士団によって急襲され、完全に占領されました」

「ガルバ鉱山が……? あそこは天然の要害に囲まれた、ドワーフたちの不落の拠点は拠点のはず。それを容易く落とすなど、並の騎士団にできることではないわね」

私の言葉に、ルナリエは悔しそうに唇を噛んだ。 「敵の司令官が異常なのです。あらゆる攻撃を無効化する、巨大な光の障壁を展開する重騎士――名は、アイラ」

その名を聞いた瞬間、私の心臓の奥が冷たく疼いた。 アイラ。 前世、私のパーティーで「聖女を守る絶対の盾」と呼ばれていた、重騎士のラン

『聖良、私の後ろにいて! 貴女の身は、この私が命に代えても守り抜くから!』

かつて私にそう誓った彼女は、最後の戦いで、魔族の不意打ちから私を庇うことはしなかった。それどころか、私が裏切りの刃に倒れた時、ただ冷たい目で私を見下ろしていた一人だ。

「……なるほどね。あの『盾』が、今度はドワーフを圧迫しているわけね」

「その通りです、お姉様」 背後から影のように現れたリリスが、不快そうに目を細めて報告を継ぐ。 「アイラは『亜人はすべて悪、悪に人権など不要』という極端な思想を掲げているそうです。現在、鉱山に囚われたドワーフたちは、奴隷炭鉱夫として昼夜を問わず酷使され、自らを殺すための武器の原材料を掘らされているとか」

「偽善の次は、独善の正義か。相変わらず反吐が出るわね」

私は立ち上がり、漆黒の外套を羽織った。

かつて私を守るはずだった盾が、今は無辜の民を虐げる壁となっている。 ならば、それをこの手で粉砕する大義名分としては十分すぎる。

「リリス、ルナリエ。行くわよ。……誇り高き鉄工たちを解放し、あの頑固な『盾』に、本物の絶望を教えてあげるわ」

「御意。我が弓、今度こそ貴女の敵を射抜くために」(ルナリエ) 「ふふ、お姉様の邪魔をする壁なんて、内側からドロドロに溶かして差し上げますわ」(リリス)

狂信の影と、忠義の盾を従え、私は黒煙を上げるガルバ鉱山へと向けて進軍を開始した。



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