表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刃血鬼  作者: Omsick
六章 [四柱]血戦
57/69

戦争の結末

「で、やむを得ず、俺の家に避難したわけだ」

「今回ばかりは流石に謝るよ、ヤブ医者」

「謝る気ねえじゃねえか」

「落ち着いてください…」

「そうだよ。系糸が置いてけぼりだ」


 療病宅。血走が[赤連]本拠地では見つかると判断したため、動かしても問題ない程度には回復させてからここに運び込んだ。

「今回の戦争を振り返ります。まず当初の目的だった「[死生朱雀]の解散」、これは確かに成功しました。主目的は達成したと言えます。だがそれ以外の()()が失敗だ」

 交河が強く、そして悲壮感に塗れた声を口に出す。

「護山をはじめとした優秀な罪狩り達を失った上に、保護するはずだった人間たちは一人残らず死んだ。おまけに黄田が裏切ったと?冗談じゃない。私達はこの戦争で殆どを手放すことになった!!」

 交河は俯き、しかしとどまることなく声を吐き出す。

「[四柱]の乱入によって事態がさらに面倒になりました。[死生朱雀]…いえ、[爆賛會]のあの悪魔のような作戦によって負った損害は見るに耐えないものでした。しかし、[四柱]ならばあれを引き起こすなど児戯に等しい。私達では到底敵うものでは…」

 声色がどんどん弱くなっていく。


「…あ、もしもし団長?聞こえる?」

 重苦しい雰囲気を和らげようと、できるだけ明るい声で血走が通信を始めた。

〈ああ、聞こえている。ちょうどいいタイミングだ、打開策が見つかったかもしれない〉

「…こっちも打開策を見つけたつもりだったけど、いいや。団長からどうぞ」

〈実はこちらで少し実験をした。恐らくだが、シンジュに一定のダメージを与えれば、私達を閉じ込めているこの樹を内側から破壊できるはずだ〉

「…一定って、どのくらい?」

〈問題はそこだ。一応、私が持っている感情を四分の三ほど混ぜてぶつければ破壊は可能なのだが、それだと真樹を倒す前に酷く弱体化してしまう。今後の戦闘に使えるだけの感情を確保するためには、恐らく真樹の体力の三割を削らなければならない〉

「三割!?私が全速力でぶつけた刃が通らなかったのに?」

〈それはあくまで樹が異常なまでに堅いからだ。そこに収川もいるだろ?銀製の狙撃銃はないのか?〉

「収川さん、今「収納」しているものの中に狙撃銃ってある?」

「俺は狙撃部隊の撃破に関わってねえ…剣ならいくらでもあるが」

「無いのか…」

〈銀製武器があるなら後は簡単だ。銀の剣を射出して、奴を撃ち抜けばいい〉

「それ防がれたら詰みじゃない?」

〈そのために囮を使う。交河、系糸、収川の三人が耐えている間に、血走は狙いを定めて撃ち抜け〉

「ざっけんな!!」

 音が漏れていたのか、血走から通信機を奪い取って療病が叫んだ。

「お前…怨野との…ああクソッ!()()を覚えてねえのか!?」

〈怨野の…ああ、アレか。当然覚えている〉

「じゃ何で系糸を行かせようとするんだ!?」

「どういうことですか?」

 そこには、叫び続ける療病を不安そうな目で見る系糸がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ