表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
25 監獄!災厄!大魔導編!
590/720

590 大魔導's history 2

 そう、毒殺じゃ!

 ワシ、なんとなんと、毒を盛られてしまったのじゃ!


 カカカ......ぬかったわ。

 ワシも、耄碌したものよ。

 それにあの程度の毒、かつてならば少し寝込む程度で済んだはず、だったのじゃがのう。

 いかんせん、体にガタがきとったでのう。

 耐えきれなんだよ。

 全く、歳はとりたくないのじゃ。


 お?

 犯人を、知りたいかのう?

 カカカ......エミーちゃん、まるで探偵みたいなことを言うのじゃな!


 もちろんワシは天才故に、誰が犯人で何を動機にあんなことをしたのか、完璧に見抜いておるのじゃーーー!




 ......でも、その詳細は、秘密なのじゃ。




 いや、なんと言われようとも、教えんぞい。

 研究者として、教育者として......あまり使いたい言葉では、ないがの。


 世の中にはのう、知らない方が良いことも、あるのじゃ。




 とにかくの、ワシは、毒を盛られたのじゃ。

 『このままでは、死ぬ!』......そう確信したワシは、震える体に鞭打って、研究室へと向かったのじゃ。

 ......魔導義体の調整は、八割がた済んでおったからのう。


 魂を移植し、体を乗り換える。


 この窮地を乗り切るためには、それしか道はないと、そう考えたからじゃ。




 そして、その結果は見ての通りなのじゃ!

 “大魔導”マジュローグは、ヨボヨボになったジジイの体から、若くてピチピチのお姉さんの体に、魂を移植することができたのじゃ!


 だが、計算外のこともあったのじゃ。

 先ほど、『魔導義体の調整は、八割がた済んでおった』と言ったがのう。

 それはつまり、完璧ではなかったということなのじゃ。


 端的に言えばのう、うまく動けなかったのじゃ。

 体を乗り換えた、直後はのう。

 声も、出せなかった。

 辛うじて、指先を動かす......あるいは、体を震わせる。

 その程度のことしか、できなかったのじゃ。




 で、その結果、どうなったかと言えば。


 “大魔導”マジュローグが毒を盛られたうえ、謎の装置に繋がれ、死んでいる。

 そのそばには、へたりこんで震える、身元不明の怪しい女。


 つまり、『マジュローグを殺したのは、その怪しい女だ!』と、まあ、そうなったわけで。


 このワシ、“大魔導”マジュローグは......“大魔導”マジュローグを殺害した罪によって、捕縛されてしまったのじゃ!


 カカカ......あまりにも、迅速に。

 反論する隙を、与えずに、のう。

 まあ、隙があったとしても、その頃のワシはうまく声を出せなかったわけじゃがのう。


 ......ふむ、そうなのじゃ、エミーちゃん。

 この稚拙な捜査の背景には、間違いなく......実行犯の思惑が、絡んでおるのじゃ。

 都合良く、罪を着せられる怪しい女がおったのじゃ。

 奴は、その女の正体に気づくことなく、濡れ衣を着せたと。

 まあ、そういうわけじゃのう!


 カカカ、しかしまあ、おかげさまで、こうして生きておるのじゃ。

 奴がワシの正体に気づいておれば、ワシが抵抗できない状態である内に、ワシのことを殺しにきたはずなのじゃ。

 その点については、運が良かったのじゃ。




 運が悪かったのは......このデレネーゾ大監獄に、神敵として送られてしまったことかのう。


 当初はのう、ワシはソーマトーコの刑務所に、入れられておったのじゃ。

 ところがのう、ある晩のことじゃ。


 ......あ、エミーちゃん、お主、神の実在を信じているかのう?


 ん?

 ああ、そうか、エミーちゃんも、あの牢に入れられておったのう。

 お主も神敵扱いされたということは、神、ないしはその使徒に、出会ってはいるか。


 ワシはのう。

 長生きしとったし、色々と......伝手も持っておったからのう。

 神が実在していることを、知っておった。

 なんちゃら神の使徒を名乗る存在に出会ったことも、何度かあるのじゃ。




 ......また、話がそれたのじゃ。


 ある晩のことじゃ。

 ソーマトーコの牢で一人震えておった美女たるワシの目の前に突然、神の使徒を名乗る男が現れた。


 その男は、言ったよ。


 『“大魔導”マジュローグは、我が神のお気に入りだった』と。


 『そのマジュローグを殺した貴様を、許してはおけない』と。


 そしてその男は、ワシに向かって紫色の球を、投げつけた!

 その弾は狙い過たずワシのかわいらしい額にぶつかり、カッと激しい光を放った!


 すると、次の瞬間!


 ワシはこの、デレネーゾ大監獄の牢獄に......囚われていたというわけなのじゃ。




 もう、本当にのう。

 アホかと。

 呆れるばかりなのじゃ。


 ワシも、この世界の神々のアホさ加減は、良く知っておったつもりなのじゃ。

 ............長生き、しとったからのう。

 それでも、いざ実際にそのやらかしの被害にあうと、本当に、のう?


 ......ため息しか、出てこないのじゃ!




 まあ、外部からの干渉がほぼ不可能なこの大監獄に収監されたことが、ワシに時間的な余裕を与えてくれたことは、事実なのじゃ。

 ここに来てから、はや2年。

 ワシはこの新しい美女ボディの操作にも慣れ、魔導も、以前の体よりも遥かに強力に操れるようになった。

 そしてこそこそと看守共の立ち話から情報を集め、いよいよ脱獄計画が完成した......その矢先じゃ。


 あの、汚泥めが、現れおったのは!


 全く、なんなのじゃ、あれは!

 あの汚泥は、まず一般囚人共を飲みこみ、看守共を飲みこみ......そしてこのデレネーゾ大監獄を支配する監獄神の移し身すらも、飲みこんだ!

 おそらく、監獄神本体は無事だろうが......結構フィードバックで、ダメージを食らっておるはずなのじゃ!

 移し身とは言え、あの汚泥は、あまりにも容易く神を殺したのじゃ......。

 端的に言って、激やばなのじゃ!


 とにかく、魔導の力であの汚泥の存在、そしてその大暴れを感知したワシは、『これはまずい』と、思ったのじゃ。


 故に、看守共がいなくなったのを良いことに、牢の脱獄防止装置を魔導の力で無効化し、脱出。

 そしてこの、制御室へと、逃げこんだわけじゃ。


 その後、この大監獄から逃げ出すための諸準備を進めている最中、監視カメラの映像を見て、汚泥から逃げ続けるエミーちゃんの姿が目に留まり......。

 ここに逃げこめるよう、ナビゲートをした。




 ......と、まあ、そういうわけなのじゃ。


 長々と、ワシばかり喋ってしまい、申し訳ないのじゃ。

 とにかくこれが、デレネーゾ大監獄の中で、“大魔導”マジュローグが美女の体になって生きておった、理由なのじゃ。

 ワシがマジュローグ本人であるという証明は......残念ながら、できないがのう。




 ......さて、何か他に、聞きたいことはあるかのう?


 挙手をしてから、質問するのじゃ。


 答えられる範囲で、答えるからのう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  ありゃ、大魔導が再現しつつあった魔導の技術がヤバいレベルになった事を何処かの神に知られた上で脱出不能監獄に放り込まれたのかと思ってたら勘違いの連続でこんな事になってるとは(・Д・)しかし…
[一言] お気に入りのマジュローグが転生した義体を大監獄に収監するとか、その神はよほどポンコツな奴ですねぇ 魂とか見ることできないんですかね、魂オークションやらエミーの魂は臭いとか言ってたのに
[一言] 連続更新…だ…と…! 感謝!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ