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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
25 監獄!災厄!大魔導編!
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589 大魔導's history 1

 さて、改めての名乗りとなるが、ワシの名前はマジュローグ・マジュガムじゃ。


 ワシはどうやら常人と比べれば、魔力量が多い体質での、そのせいで幼い頃はかなり苦労したもんじゃが......成人してからは、その魔力量を活かし、魔法使いとして全世界を股にかけ冒険しておった!

 時に大魔法で竜の群れをなぎ倒し、時に有り余る体力で未開の魔境を踏破し!

 そしてさらには、いくつもの超古代魔導文明の遺跡を発見し、あの時代の考古学的研究を大いに進めた、第一人者でもあると自負しておるのじゃ!

 気づけば特級冒険者なんぞに認定されておったのじゃから、その自負もあながち自惚れではないと、思っておるぞい!


 とにかく、冒険者として大成功を果たしたワシは、それなりに歳を食ってからは、己の研究と後進の育成に力を注いだ。

 ん?

 研究とはもちろん、魔導の研究じゃ。

 魔導が何かについては、先程話した通りじゃ。

 ワシは若い頃より超古代魔導文明の遺跡に潜り、その卓越した技術力の残滓に触れることで......かの文明、そしてその発展の礎を築いた魔導という技術に、並々ならぬ憧れを抱いておっての!

 どうせ、腐る程金は稼いだからの。

 晩年は冒険ではなく、憧れの魔導技術の復権に、全力を尽くそうと心に決めたわけじゃ。

 それは......確か三人目の妻と暮らしていた頃じゃから、ちょうど60歳の時なのじゃ。


 え?

 ああ、そうじゃ、ワシには妻が、五人おったのじゃ。

 恋人関係で終わってしまった女性も含めると、もう、おつきあいした女性の人数は数えきれんのう......。

 皆、素晴らしい女性たちじゃった......。


 ワシ、自分で言うのもなんじゃが、モテモテじゃったからのう!

 今の顔とて、少し女性っぽく調整はしておるが、ほとんどワシの若い頃の顔と、変わっとらんのじゃ!

 強くて、大金持ちで、イケメン!

 カカカ、モテないわけがないのじゃ!


 いや、う、嘘ではないのじゃ!

 それと、『やっぱりエロジジイ』ではないのじゃ!

 ワシは、恋多き男であっただけなのじゃ!




 ......話を、戻すぞい。

 ええと、何の話じゃったか。

 そう、とにかくワシは、60歳になったあの年、冒険者としての活動から足を洗い、仲間たちと共に魔導研究を本格的に開始させたというわけじゃな。

 錬金術師イーナレダに、魔道具作家ギャシキヌー......皆、ワシよりも若いが、頼りがいのある仲間たちだったのじゃ。

 ......今生きとるのは、ワシだけじゃがのう。


 妻も、友も。

 皆、ワシを置いて、先に逝ってしまう。

 長生きは、もっともっとしたいがの。

 こればっかりは、寂しいことなのじゃ。


 現在の、ワシの年齢かの?

 通しで数えるならば、今年で139歳なのじゃ。

 この体になってから2年とちょっとじゃから、『139歳です』と名乗って良いものかどうか、微妙なところじゃがのう。




 あ?

 ああ、そうじゃのう、この体のことが結局のところ、エミーちゃんも一番知りたいことなのじゃろう?


 カカカ、この体はの、魔導技術の粋を集めて密かに作成した......行ってみれば、義体なのじゃ!

 ワシは単純に、“魔導義体”と呼んでおる!


 『魂を別の肉体に移し、不死を実現する』。

 これは......かつてわが友イーナレダが掲げていた、研究テーマなのじゃ。


 奴は志半ばで謎の死を遂げ、その研究資料も全ては火事によって焼失した。


 と、世間的には、そういうことになっとるがの。

 実は奴の資料は、全て残っておるのじゃ。


 ワシの、頭の中にの!


 そして奴の研究は、既に理論的には完成しておった!

 故にワシは数年前より、奴の志を引き継ぎ、その他の研究と並行して、この魔導義体の制作に力を注いでおったわけなのじゃ!

 幸いにして、当時ワシは世界に名だたるソーマトーコ学院の学院長として、自由に使える金や施設や権力を、持ちあわせておったからの!


 公私混同?

 それは違うぞい、エミーちゃん。

 その当時、既にワシの肉体は、そろそろ限界だったのじゃ。

 死期が見えてきた......そんな感じだったのじゃ。


 良いか?

 ワシが死ぬと、どうなると思う?

 まず魔導研究は、間違いなく、停止する。

 遅れる、ではなく、完全なる停止じゃ。

 場合によっては、後退するまである。


 ......喋りすぎたの。

 今の言葉は、忘れて欲しいのじゃ。

 色々と事情があるのじゃよ、大人の世界にはな。

 それは、エミーちゃんは、知らなくても良いことなのじゃよ。


 とにかく、ワシが死ぬこと。

 それは間違いなく、世界の損失じゃ!

 故に、ワシはこの世界のためにも、まだまだ死ぬわけにはいかなかったのじゃ!

 もっともっと研究したいし、後進の行く末も見守りたいし......カカカ、この歳にして、真に師として仰ぐべき存在にも、出会えたしの。

 だからちょっと、私的な魔導義体を作るために学院の研究予算を使ったとしても、何ら責められるいわれはないのじゃ!

 研究レポートさえ、まとめておけばの!


 ......いや、本当に、後ろめたいことはやっていないのじゃ。

 だから責めるように、無言でじっと見つめてくるのは、やめて欲しいのう。




 あーーー......こほん、さて。


 そんなこんなでの、元の肉体にガタがきていたワシは、現在のこの体......魔導義体を作った。

 そして、いよいよワシの魂をこの体に移植するために、あれこれ準備を進めようと思っていた、その矢先のことじゃ。




 ......事件が、起こったのじゃ。


 カカカ......その事件、現在では、こう呼ばれておるらしいぞい?




 『“大魔導”マジュローグ毒殺事件』、と。

【錬金術師イーナレダ】

 ソレナクの町に住んでいた錬金術師。

 第3章にて言及されている。

 覚えていた人は、凄い。

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― 新着の感想 ―
イーナレダさんは語感だけ覚えてたけど、そうか神の指示で殺された人やったっけか。 もうあけすけじゃんねぇ?
[一言]  ダハチエが初めて神託を受けて殺した錬金術師!(´⊙ω⊙`)イーナレダなんて名前は完璧に忘れてたので、もっかい3章にリターンバックし「じいちゃんとエミーさんのあたたかい交流と別れ」を読み直し…
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