表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
24 美少女探偵アカシテリカ編!
569/720

569 【美少女探偵アカシテリカ!】旧帝都フロゼンド博物館殺人事件7

 ダァンッ!

 パパンッ!

 バリバリバリッ!


 警察官たちが放つ多種多様な魔法の光が、玄関ホール内の壁を賑やかに照らす。

 魔法の一つや二つ、余裕で耐え凌げる外装を持つ魔導ドローンも、それが十、二十となれば話は別である。

 良く訓練された警察官たちの連携魔法攻撃により、魔導ドローンはその数を徐々に減らしつつあった。


「ぐふふ、ふふふッ!!」


 ラキガター館長の大剣さばきも凄まじく、魔導ドローンの攻撃はこれまで一度もアカシテリカへは届いていない。

 もちろん、いかにラキガター館長が達人的な大剣使いであったとしても、全くの無傷というわけにはいかない。

 彼の仕立ての良いスーツは、今や血がにじむ切り傷だらけになり、ボロボロだ。


「ぐあッ!?」


「負傷者は、後ろへさがるでやす!」


「交代!速やかに交代でがすよ!」


 無傷ではないのは警察官たちも同じだ。

 死者は出ていないが、徐々に大きなケガを負う者も増えて来た。

 丸鋸で斬りつけてくる魔導ドローンたちに、手も足も出ないというわけではないにしても......戦況は、良くはない。

 若干、警察官側が不利、といったところだ。




「............」


 それを面白くなさそうに眺めているのは、ジミーヤックだ。

 彼にしてみれば、魔導ドローンの一つ一つも、今後組織が兵器として活用するべき財産である。

 この場で減らす魔導ドローンは、少ない方が良いのだ。


「戦闘テストは、ここまでだ」


 ジミーヤックは人差し指をクルクルと回しながら、彼の横にたたずむスチール・インデックスに、指示を出した。


「本体が戦え。警察官共と筋肉爺を、ぶっ飛ばせ」




「ブシュウウウウウッ!!」


 次の瞬間!

 スチール・インデックスは蒸気をまき散らしながら......一瞬で警察官たちの目の前に移動!

 そしてその手に持つ巨大な槍を、横薙ぎに振り回した!


「「「「「ぐはあーーーーーーッ!?」」」」」


 技術も何もない、ただの振り回しだ。

 ただし、その槍の質量と、振り回される速度は、尋常のものではない。

 ほとんどの警察官たちは、スチール・インデックスの攻撃に耐えることができず......まるで虫を払うかのように軽々と、吹き飛ばされてしまった!


「ブシュウウウウウッ!!」


 次いでスチール・インデックスは方向を変え、今度はラキガター館長に突進し、その槍を振るった!


「ぬ、ぐ、ふううッ......!!」


 ラキガター館長はその横薙ぎの一撃を、下から大剣を振りあげて槍にぶつけ、その軌道を変えることで回避した。

 しかし、その代償は大きい。

 ラキガター館長が使っていた大剣は......その衝撃で、根元から折れてしまったのだ!


「まだまだぁッ!こんなことも、あろうかとぉッ!!」


 ラキガター館長は叫び、再度ダンと床を踏み鳴らす!

 すると彼の横の床がパカリと開き、新たな大剣が飛び出してくるも......。


「ブシュウウウウウッ!!」


 ラキガター館長がその大剣を掴むよりも、スチール・インデックスが新たに槍を振るう方が、早かった!


「ぐふああああーーーーーーッ!!!」


 巨大な槍でその体を思いきり打ちつけられ......ラキガター館長はたまらず、玄関ホールの壁まで吹き飛ばされた。

 そこでさらに壁にぶつかることで、その全身にダメージを負ったラキガター館長は......意識を失い、がっくりとうなだれた。




「どうだ!どうだどうだどうだ愚民どもぉーーーッ!!これぞッ!我ら帝国のッ!新たな力ぁーーーッ!!ケーーーッケケケケケケッ!!」


 すっかり静かになった玄関ホール内で、ジミーヤックは不気味に笑う。

 そして歪んだ笑みを浮かべながら、アカシテリカを睨みつけた。


「さあ、美少女探偵、次は貴様の番だ!大貴族たるオレ様にたてついた罪は重い!」


 ジミーヤックはそう言って、人差し指をクルクルと回した。

 スチール・インデックスの瞳を模した赤色発光体が、点滅する!


「不敬罪で......処刑だあああああーーーーーーッ!!裁きをくだせ、スチィィィーーール・インデェェェーーーックス!!!」


「ブシュウウウウウッ!!」


 スチール・インデックスはその命令を果たすため、蒸気を噴き出しながら......巨大な槍をゆっくりと掲げた。

 まっすぐに突き出し、アカシテリカの体を串刺しにする構えだ!


 アカシテリカは。


 対する、アカシテリカは。




「ふううううう......」




 大きく息を吐き、まっすぐにスチール・インデックスを見据えた。

 そして、彼女のトレードマークであるキャスケット帽を......脱いだ。




◇ ◇ ◇




 警察官たちが、そしてラキガター館長が次々に倒されていく中。

 アカシテリカは、祈っていた。


(助けて......助けて、エミー......!)


 しかし、現実は無情。

 エミーは現れない。

 彼女が落ちたと思しき大穴の底からは、今も轟々と水が流れる音が響いている。


(どうして、こんな理不尽な......!)


 倒れ、痛みにうめく警察官たちを見つめながら、アカシテリカは世の不条理を嘆き。


 そして。


 ここで。


 気づいた。




(私は、何を、考えているの......?)


 自分が。

 無意識の内に。


 エミーに、甘えていたのだということに。




(理不尽......それを振り払うのは、私だッ!)




「さあ、美少女探偵、次は貴様の番だ!大貴族たるオレ様にたてついた罪は重い!」


 目の前では殺人犯が、自分勝手な理屈を喚いている。

 今、ここで自分が動かなければ。

 目の前の殺人犯は、自分を殺した後......まだ息のある周囲の人間を、皆殺しにしてもおかしくはない。


 そんな理不尽は、許されてはならない。


 職務を全うした善良な人々を、これ以上傷つけてはならない。




「不敬罪で......処刑だあああああーーーーーーッ!!裁きをくだせ、スチィィィーーール・インデェェェーーーックス!!!」


「ブシュウウウウウッ!!」




 何を、使ってでも。


 警察官たちを。


 ラキガター館長を。


 そして、エミーも!


 助けなくてはならない!


 ......私が!!




「ふううううう......」




 そしてアカシテリカは、大きく息を吐き。

 キャスケット帽を、脱いだ。


「今の時代に、本当ならば、許されることではない。それは理解しています」


 そして小さく、謝罪の言葉をつぶやいた。


「あん?」


 その謝罪を聞きとがめたジミーヤックは、首を傾げた。

 目の前の美少女探偵は、何を言っているのか?




「しかしこれも、人々を守るため......理不尽を、振り払うため!」


 次にアカシテリカは、叫んだ!

 そして......それまで胸元に抱きかかえていたスゲーワの神珠冠を、高く掲げた!




「おい......おいおいおいッ!?待てッ!!貴様ッ!!何をする気だッ!?」


 それを見ていたジミーヤックは、青い顔をして慌てた!

 何故なら彼は、『何をする気だ』と問いかけてはいるものの!

 その実、アカシテリカが何をする気なのかは、一瞬で理解できてしまったからだ!


 そして、それは!


 ジミーヤックにとっては......実に、実に都合の悪い、とある事実の証明に他ならないからだ!


「やめろッ!!」


 ジミーヤックは、叫んだ!

 懇願じみて叫ぶこと以外、できなかった!




「やめませんッ!!」


 アカシテリカはそんなジミーヤックの要求をにべもなく断り、そして!

 掲げていたスゲーワの神珠冠を......その頭上に、乗せた!




「スゲーワの神珠冠よッ!」


 そしてアカシテリカは、その冠に対して、語りかけた!


「やめろ、バカ、やめろッ!聞きたくない!聞かせないでくれッ!!」


 ジミーヤックは耳を塞ぎ、青い顔で懇願を続ける!




「アカシテリカ・スゲーワが、その血を以て命ずるッ!」


 アカシテリカが、そう口上を述べた、その瞬間!

 スゲーワの神珠冠が、力強い、白銀の光を放ち始めた!


「ああああああ......!」


 ジミーヤックはそれを見て、膝から崩れ落ちた!




「民を守るための力をッ!!この身に授けよッ!!」




 そしてアカシテリカが、そう叫ぶと!

 スゲーワの神珠冠の輝きは、さらに強まり!


 彼女の全身を......白銀の光が、包みこんだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点]  え!(´⊙ω⊙`)神さまの加護が炸裂!大勝利!!の図かと思ってたらアカシテリカ自前の何かでトンデモを起こす展開!!!神の加護持ちの力が今度こそ見られるだろうと予想してた金具素屯的には…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ