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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
20 天空王国の落日!お邪魔します最終決戦編!
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471 アトモの最後

『や、やめろ、やめろ離せ!いくら欲しい!?離せええーーーッ!!』

『ヒ、ヒヒヒ......な、なあ、頼む!た、助け......うわッ!?』

『ワシは軍団長だぞォ!?上級国民だぞォ!?天空人だぞォ!?』


 場面は戻り、制御室。

 この部屋の内壁を覆うモニターは現在、ネバーフォール天空王国中に密かに設置されていた監視カメラから届けられる無数の映像で、埋め尽くされていた。

 そのどれもが、ネバッフォくんに襲われ、逃げ惑う天空王国民の姿を映し出している。


『ホホホ!ホホホホホホ!』


 その様を見て、アトモは手を叩いて笑った。

 人々が怯える様子を見て哄笑するその姿はまさに、狂気!




「なんでッ!?なんでこんな、酷いことをするのッ!?」


 エアは涙をこぼしながらモニター上のアトモのことを睨みつけ、叫んだ!


『だって、だってだって!私ハどうせなら、身ぎれいになってから、死にたいノですよね!ホホホホホホ!もはや“契約”など、どうでも良い!』


 チカチカッ!

 チカチカ、チカチカッ!


 半壊したアトモ・スフィアを激しく明滅させながら、アトモは叫んだ!


「“契約”......!?」


 その絶叫の中にあった、意味深な“契約”の二文字。

 エアはそれにひっかかりを覚え、思わずその言葉を繰り返した。




「だから、鬱陶しいッ!!チカチカすんなッ!!」




 が、しかし!

 それについてエアが詳細を問いただす、その前に!

 再びチカチカし始めたアトモ・スフィアに苛立ちを感じたエミーは、それを再度ぶん殴り、今度は完全に破壊してしまった!




『ギャアアアアアーーーーーーッ............!?』




 その瞬間!

 モニター上に映し出されていたアトモの姿は激しいノイズに包まれ、断末魔の叫び声をあげながら......消え去った。

 大空の上で悠久の時を過ごしたこの電子の大精霊は、実にあっけなく消滅したのだった。


「「「「「えーーーーーーッ......」」」」」


 そのあんまりな最後に、制御室内の一同は、思わずそろって呆れ声を漏らした。




 しかし、一同が呆けていたのは、ほんの数秒のことだ。

 何故ならアトモが滅んだ後も、状況は何ら好転していないからだ。

 ネバッフォくんは変わらずに人々を追いかけまわしているし、ネバーフォールは徐々に徐々に、その高度を落とし続けているのだ。

 とにかく、手を打たなくてはならない!




「おし、ババア!この場は、テメエにまかしたぜ!!」


 まず始めに動いたのは、赤肌の男、ユーヒであった。

 ユーヒは肩や首を回し、指をボキボキと鳴らしてから、くるりと踵を返した。


「ガッハハハハハッ!オレ様は上に出て、あのバケモノ共をぶっ壊してくっからよおーーーッ!!」


 そしてそう叫ぶと、ユーヒは制御室の入口に向かって走り始めた!


「あ、ユーヒのおっさん!」

「待ってよ!」

「オレたちも行くぜ!」


 そしてヌーイ、ルサ、リットの三人組も、それに続いた。


「ちょ、ちょっと!?今からまた、迷宮を抜けて行く気なの!?」


 それに慌てたのは、タカタカだ。

 そして彼の指摘は、実に的を射たものであると言える。

 何せ彼らは、長い時間をかけてこの迷宮を攻略してきたのだ。

 これからその道を逆走するとなると、どれだけの時間がかかることか......。


「......いえ、問題ありません。おそらくあれは、王宮へと抜ける秘密のルートを使用するつもりなのでしょう」


 しかし慌てるタカタカの肩に手を置き落ち着かせ、イジョーキスは冷静にそう告げた。


「秘密の......ルート?」


「はい。王族や近衛三騎士が利用するルートです。警備の問題があり、侵入の際には利用できませんでしたが......国中が混乱している今ならば、問題はないでしょう」


「な、なんであの人、そんなルートを知っているの......?」


「それは......全てが終わった後、本人から聞けばよろしいかと」


 訳が分からず首をひねるタカタカを見て、イジョーキスは微かに微笑んだ。




◇ ◇ ◇




「そ、そうだ!タカタカ、こっちに来て!」


「え!?」


 そして次に動いたのは、エアだった。

 彼女はタカタカの手首をつかみ、彼を制御室の前方へと引っぱって行った。

 そこにあるのは、舵輪と計器、そして制御盤。

 つまりは......ネバーフォールを手動で操作するための、各種機器である。


「ねえ、タカタカ......あなた、言ってたよね?自分は、伝説の飛空艇乗りの息子だって......どんな船でも、乗りこなしてみせるって!」


「え、あ、う、うん。言ったけど......」


「ならッ!!」


 ずい、とタカタカの顔に、エアがその真剣な表情を近づける。

 まつ毛とまつ毛が、触れ合ってしまいそうな程の距離!

 タカタカの心臓が、思わずドキリと跳ねあがった!


「お願い、動かしてッ!あなたが......ネバーフォールをッ!!」




「............えええええええーーーーーーッ!?」




 そしてタカタカは、続くエアのその言葉を聞いて......今度はビクリと体ごと跳ねあがり、驚愕のあまり絶叫した!

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― 新着の感想 ―
[良い点]  なんか本来のルートならエア姫とアトモで契約についての再確認後に妥協の産物としてタカタカと姫の御涙頂戴な別れの末にビターエンドだった悲劇の物語を見事に横っ面張り倒したエミーさんサイコーにク…
[一言] アトモ今まで出てきた黒幕の中で一番あっけない最期だったなぁ・・・ 弱点敵の前に出してる時点でそうなるわではあるけど
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