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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
20 天空王国の落日!お邪魔します最終決戦編!
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451 ネバーフォール天空地下大迷宮

 ズガンッ!!

 ズガガガンッ!!

 ガガガッ......ガガッ......!!


 何度かの破壊音の後、弾丸と化していた私の体は、どうやら動きを止めたらしい。


「............」


 体に伝わる振動からそのことを察した私は、弾丸の形状に変形していた【黒腕】を、体の中に引っこめた。

 すると私の目に飛びこんできたのは......薄暗い通路だった。

 人が2、3人横に並べばいっぱいになってしまう程の狭さのこの通路、壁や床は蹴るとコンコンと硬い音が響く、黒っぽい金属のような素材で作られている。

 壁の下部に埋め込まれている魔灯や、天井に点々と等間隔で配置された電球のような魔灯が光っているおかげで、どうにか近くの物を見るだけの明かりは確保されているけど......。


「............」


 顔をあげればこの通路、どこまでも......ずっと奥まで続いていて、そこに何があるかまでは、この程度の光源ではちっとも見通せない。


 うーん......どこなの、ここ?

 私は無理やり外壁を突破して、ネバーフォールの街にたどり着いたんじゃ、なかったの?




<エミー、私たちはおそらく、外壁どころか勢い余ってネバーフォールの“地表”すらぶち抜き、その“地下”に落ちてしまったのでしょう。間違いありません......ここはきっと、“ネバーフォール天空地下大迷宮”です>


 私の疑問に、オマケ様は即座に回答をよこしてくれた。


 ネバーフォール......天空地下大迷宮!?

 天空なの!?

 地下なの!?

 どっちなの!?


<天空に浮いている地下大迷宮だから、天空地下大迷宮です。もともとは遊園地時代に作られた同名の迷路アトラクションがベースとなっているのですが、そこに制御AIの手が加わって拡張され、今ではネバーフォールの地下全域に広がる程広大な、文字通り難攻不落の大迷宮へと姿を変えている......そのように以前、旅行神の異世界転生配信で視ました>


 せ、制御AIが......改造しているってこと?

 なんでまた......?


<この迷宮の先には、このネバーフォールの中枢......要は制御用の魔導コンピューターやら動力源やらが、隠されているらしいのですよ。つまり、制御AIの自己防衛活動の一環ですね。正しい道のりは、ネバーフォール王家やその関係者にしか、伝わっていないと聞きます>


 ......はーーー。


 つまりこの通路、真面目に進もうとすると、結構大変ってこと?


<それは、もう。ここは一本道ですが、きっとこの先には分岐があります。迷路になっています>


 かと言って、なあ......。


 後ろを振り向いて、ため息をつく。

 私がぶち抜き、落下してきた穴が残っていれば良かったんだけど......そこはすっかり、瓦礫で埋まっている。


 瓦礫を、掘って進む。

 で、街に戻る。

 それは、できなくはないんだよ?

 いつぞや、地下遺跡から脱出する際にもやったし。


 でも、できなくはないからと言って、やりたいかと言われると......やりたくはない。

 大分、汚れるし、手間だし......。


<ならば、この天空地下大迷宮......先に進んでみませんか!?私、これまで異世界転生配信で、この迷宮を攻略している展開を、視たことがなかったので!>


 ええ......!?

 もしかしてオマケ様、この期に及んですっかり観光気分になってない?


<実は......もともと、街並みの観光とかが終わった後には、この迷宮を見てみたいって、あなたに提案するつもりだったんですよね!うふふ、順番が変わっただけです!>


 まったくもう、オマケ様ったら......。


 しょうがないなー。




 私はやれやれと呆れた風に一つため息をついてから。

 ......だけど内心では、オマケ様と同じように結構ワクワクしながら!

 生半可な気持ちで、ネバーフォール天空地下大迷宮の通路を前へ前へと進み始めた!


 すると......次の瞬間!




 ガチャンッ!!




 私の頭上でそんな金属音が鳴った。


 そして、すぐに。


 私の頭目がけて!


 ギロチンを思わせる、鋭い鉄の刃が!


 まっすぐに、落下してきたのだ!




<罠です!!>




 オマケ様の、そんな警告もむなしく。


 鉄の刃は狙い過たず、私の頭部に命中し......。


 真っ二つに、なった。




 ......刃の方が。




<まあ、魔力をまとってすらいない鉄の刃ごときで、あなたがどうこうなるわけが、ありませんね?>


 まあね。

 でも普通なら、今ので死んでいるよね。

 結構殺意高めだよね。


 私はのんびりと、オマケ様と迷宮の罠について論評を交わしながら、前へと進み続けた。


 すると......次の瞬間!




 バシュンッ!!




 私の体の横でそんな射出音が鳴った。


 そして、すぐに。


 私の脇腹目がけて!


 凄まじく鋭い、鉄の槍が!


 まっすぐに、突き出されてきたのだ!




<罠です!!>




 オマケ様の、そんな警告もむなしく。


 鉄の槍は狙い過たず、私の脇腹に命中し......。


 ぐにゃりと、ひしゃげた。




 ......もちろん、槍が。




<まあ、魔力をまとってすらいない鉄の槍ごときで、あなたがどうこうなるわけが、ありませんね?>


 まあね。

 でも普通なら、やっぱり今ので死んでいるよね。

 結構殺意高めだよね。


 私はのんびりと、オマケ様と迷宮の罠について論評を交わしながら、前へと進み続けた。


 すると......次の瞬間!




 ブシュウウウウッ!!




 私の足元でそんな噴出音が鳴った。


 そしてすぐに。


 私の周囲を満たすように!


 明らかに有害そうな、桃色とも紫色ともとれる煙が!


 噴き出し、始めたのだ!




<罠です!!>




 オマケ様の、そんな警告もむなしく。


 おそらく毒と推定される煙は、あっという間に私の周囲に充満し......。




<でもこれ、息を吸わなければ良いだけですよね?>


 まあね。

 私はこくりと頷いて、息を止めた。

 多分私、2時間くらいなら、このまま活動できる。

 毒の範囲からは、余裕で抜け出せるだろう。


<これまでと比べると、殺意は低めですね>


 あ、でも......。

 この煙、接しているとなんだか、肌がチリチリするかも......。


<ああ、でしたら常人であれば、おそらく煙に触れると、体が焼けただれて大変なことになるのでしょうね>


 やっぱり、結構殺意高めだよね。




◇ ◇ ◇




 まあ、そんなこんなで。


 私は手を変え品を変え私を殺しに来るギミックを存分に味わいながら、迷宮を前へ前へと進んでいた。


 これらのギミック、驚くべきことに、一つとして同じものがなかった。

 なんか、『必ず侵入者を、殺してやるぞ!』っていう、これを作ったという制御AIの執念を感じとれたね。


<まあ、このネバーフォール、稼働を始めてから五千年以上経っていますからね。暇つぶしで作っていた可能性もありますが>


 でも、まあ、なんというか......。

 ぬるいんだよなあ、私にとっては。

 少し、飽きてきたかも。


 私はあくびをしながら、延々と続く一本道を進んでいた。


 すると、やっと目の前に。


 廊下を遮る、一つの扉が現れたのだ!




<お、これは新展開ですね?>


 オマケ様が弾んだ声で、そう言った。

 私もいい加減退屈していたので、喜び勇んでその扉を開けた!


 すると、そこに待っていたのは......!




 無数の、扉だった。




 そこにあったのは、無数の扉が設置された、分岐点とも言うべき大部屋だったのだ。




 つまり、外への脱出を目指すにしても、この迷宮の最深部を目指すにしても。

 このたくさんある扉の内から、正解を選ばなければならないと、いうわけで。

 もしかすると、間違えれば延々と、さっきみたいに退屈な迷路を歩き続けなければ、ならないわけで。




「............」




 私は。


 なんか......。


 すっかり気持ちが、なえてしまった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 迷宮かぁ…… 理論上は迷宮の総距離の2倍以下で踏破出来るから難しくはない 手で掘れるならそっちの方が速いから選べるならそうしたほうがいいとは思う 観光なら無粋だけどね
[良い点]  非情な罠を非常識に踏み砕く!手遅れなタイミングで注意するオマケさまの<罠です!!>も含めて笑える展開(^ ^)vサイコーです♪ [気になる点]  今回のデストラップだらけ殺す気マンマンな…
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