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オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
17 なぎ倒せ、エミー!花と夜明けと死神編!
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389 堕とせ古代の空中要塞!12

 ボッ......ゴオオオオオオーーーンッ!!!


 エミーの投げ放った神珠は空中要塞『ソウルコンクラー』の動力源を貫き、それを一撃で破壊した。

 その結果、この空中要塞の稼働を支える膨大な魔力エネルギーが、暴走。

 大爆発が引き起こされた!


「ぬ、ぐおおッ!?」


<イ、ヒヒーーーッ!?>


 その衝撃は、もちろんこの空中要塞の制御室も、激しく揺らす!


 ボンッ!

 ボオンッ!!

 ボ、ゴゴッ、ボゴオンッ!!!


 そしてその後も断続的に、機体の各所で誘爆が発生!

 ぐらぐらと揺れ続ける制御室内。

 メグザムは玉座にしがみつき、必死で揺れに抗う。

 もはや、立ってはいられない!


 ヴィーム、ヴィーム、ヴィーム!!


 制御室内を照らす魔灯が赤く変色し、危機的な警戒音が鳴り響く!




<ヒ、ヒイイーーーッ!?動力源が、完全に破壊されたぁッ!?止まらねぇ、エネルギー暴走が、止まらねえええええーーーッ!!>


 エンジィの悲鳴と同時に、ディスプレイ上に表示される、『ソウルコンクラー』の全体図!

 そこに表示された、この機体の稼働を支える主要機関の名前が、次々と灰色に変色していく!

 ついには、ディスプレイ自体にもノイズが走り、プツンと映像が消え去り......。


 ボゴオオオオンッ!!


 次の瞬間に制御室内で発生した爆発によって、粉々に砕け散った!


「があああああーーーッ!?」


 飛び散るディスプレイの破片!

 魂を食らい肉体が強化されているメグザムも、その破片を浴びては無傷ではいられない。

 彼はとっさに腕を顔の前に構え、致命的な頭部の損傷を防いだが、もはやその体はぼろぼろだ。

 破片が突き刺さり、腕からは痛々しく血が流れている......!




「おいいいいいーーーッ!!エンジィィィーーーッ!!テメエッ、どうすんだッ、これええええーーーッ!?」


 ボオンッ!!

 ボゴオンッ!!


 制御室内でも、何度も発生する爆発!

 バチバチとはじける、火花!


 そんな騒音にも負けじと、メグザムは声を張りあげる。


<どうするも、こうするも......くそおおおおーーーッ!!こうなりゃ、イヒヒッ!最後の手段よおおおおおーーーッ!!イヒヒヒヒーーーッ!!>


 そのメグザムの声を受けて、エンジィはやけくそ気味に笑いながら、そう叫んだ。




 すると、ふっと。




 『ソウルコンクラー』全体に散らばっていたエンジィの気配が......メグザムの目の前、針刺し状の構造物に突き刺さっている、魔剣『ソウルデバウラー』へと、集約された。

 つまり彼は、空中要塞への憑依をとりやめ、元の依り代である魔剣へと、戻ってきたのだ。




「最後の手段だと!?何をする気だ!?」


<イヒヒッ!簡単なことだあああああ......!>


 すると次の瞬間......『ソウルデバウラー』の刺さった針刺しがガコンと音を立てて動き出し、天井に開いた穴に向けて、徐々にせりあがり始め!

 この、自ら“世界の災厄”を名乗る、大悪霊は!




<オレ様は、逃げさせてもらうぜえええええーーーッ!!>


 恥も外聞もなく、そう言い放った!!




「は......はあああああーーーーーーッ!?」


<オレ様はッ!オレ様の、頭脳はッ!こんなところで失われて良いもんじゃ、ねぇんだよおおッ!!イヒヒ、オレ様は魔剣だからなぁ!高いところから落ちても、多分無事だぁ!爆発に巻きこまれて土に埋もれなければ、また......またオレ様は、やりなおせるぅッ!!>


「ま、待て待て待てッ!それなら、オレはッ!?オレはどうなるッ!?」


 呆然とした顔でせりあがる針刺しに這いよったメグザム。

 その、“相棒”を。

 エンジィは。


<知るかぁッ!!バアアアアアーーーーーーッカァ!!>


 ......冷たく、突き放した!




<いくら強化されてても、テメエは生身の人間だッ!もう、どうしようもねぇッ!爆発に巻きこまれて死ぬか、地上に落下して潰れて死ぬか、好きな方を選べぇッ!!イヒヒヒヒーーーッ!!>


 徐々に上昇していく針刺しの上で、メグザムを嘲り笑う、エンジィ!


<そもそもテメエ、すぐに怒鳴るし見た目も汚ぇし、そろそろ寛大なオレ様もうんざりしてきていたところなんだぁ!ようやく別れられると思うと、せいせいすらぁッ!!>


「なんだと......なんだとッ、テメエエエエーーーッ!!」


<イヒヒッ!次はオレ様も使い手は選んで、猫ちゃんかぶってよおおッ!しばらくは美少女剣士の愛剣ポジションにでも収まって、のんびりと現代世界を楽しませてもらうぜぇッ!>


 もちろん、それでは、エンジィの『超越者を目指す』という目標は、遠のく。

 しかし、それも致し方なし。

 『ソウルコンクラー』を失ってしまう以上、彼の計画はご破算だ。

 また、新たな計画の練り直しなのだ。


 しかし、焦る必要はない。

 何せ、エンジィ・アルビットは大悪霊。

 寿命とかいうくだらない縛りから、解き放たれた存在。

 時間はいくらでも、あるのだ。




 故に、エンジィは、この期に及んで。

 もちろん、悔しさは、あるのだが。

 危機感が、足りていなかった。


 だから。


 追い詰められた、目の前の大男が。

 どのような、行動を、起こすのか。

 それについて、全く。

 全くもって、考えが及んでいなかった。




「ふざけんな、テメエエエエーーーッ!!!」


 メグザムは、激昂した。


 そして、『ソウルコンクラー』と己の思考をつなぐ、もはやただのお飾りとなり果てた帽子を脱ぎ、地面に叩きつけてから。

 猛烈な勢いで、天井へとせりあがっていく針刺しへと駆け寄り、強化された跳躍力で、跳びつき。

 ......魔剣『ソウルデバウラー』の柄を、握りしめた!




「うおおおおおーーーッ!!!」


<あッ!?おい、バカッ!?やめろッ、離せえええええーーーッ!!>


 そして『ソウルデバウラー』を針刺しから引き抜こうと、その怪力を全力で発揮する!

 上下左右、無茶な方向に、無理やり『ソウルデバウラー』を揺する!




<やめろおおおーーーッ!!もうテメエは、お呼びじゃねぇんだよぉッ!!もう、オレ様は、テメエのことなんざ、選んでねぇッ!!離せッ!!離せええーーーッ!!>


 抜かれては、たまらない!

 『ソウルデバウラー』は魔力を使って必死に針刺しにしがみつき、抵抗する!


 ガチャガチャガチャッ!


 しかしお構いなしに、乱暴に『ソウルデバウラー』を揺するメグザム!

 『ソウルデバウラー』の力で魂を食らい、強化されたその全力でもって、だ!


 つまり、その結果として『ソウルデバウラー』には、エンジィが想定していた以上の負荷がかかり!

 そして!




 ミシッ。


<あッ>




 嫌な音が鳴った。

 その、次の瞬間。




 ボキッ!




 存外軽い音を鳴らしながら。




 ......『ソウルデバウラー』は、折れた。




<イヒギヤアアアアアアアーーーーーーッ!?>




 そんな、断末魔の叫び声を最後に。

 エンジィの声は、ぱったりと聞こえなくなった。

 メグザムは折れた『ソウルデバウラー』の柄の部分を握りしめながら、上昇する針刺しから落下。

 制御室内の床に、尻もちをついた。

 針刺しに刺さったままの、折れた『ソウルデバウラー』の残りの刀身は、もはやうんともすんとも言わぬまませりあがり続け、天井の穴の中に消え、見えなくなった。




「くそ......くっそ!!」


 メグザムは、尻をさすりながら立ちあがる。


 ボオン!!

 ボン、ボオン!!


 未だ、『ソウルコンクラー』の爆発は、続いている。

 赤色の魔灯に照らされながら、制御室が震える。




「おいッ......おいいいいいーーーッ!!エンジィ、エンジィッ!!聞こえねぇのかあああああーーーッ!!」


 メグザムは、その手に握りしめた『ソウルデバウラー』の柄に、怒鳴りつける。

 返事はない。




「誰か......誰かッ!!助けてくれええええーーーッ!!」


 そして血走った目で制御室内を見回しながら、助けを乞う。

 返事はない。




「タッパアアアアーーーーーーッ!!」


 返事はない。




「アンダアアアアーーーーーーッ!!」


 返事はない。




「ちくしょう......ちくしょおおおおーーーーーーッ!!!」




 最後にメグザムがそう叫んだ、その時。


 彼の頭上の天井で、爆発が起こった。


 メグザムは叫びながら、降り注ぐ瓦礫によって押し潰され。




 死んだ。

【タッパとアンダー】

 かつて、彼の手下であった男たちの、名前。

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― 新着の感想 ―
[一言] インガオホー!
[良い点]  ٩( ᐛ )وコレガ!コレガミタカッタ!!!!  しかも仲間割れの末に全てが失われるとか\\\\ナイスザマァ!! ////( ̄人 ̄)いやーかつてないほどの爽快感、これで悪霊エンジィの…
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